経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は100%未満ですが、平成25年度の使用料改定及び維持管理費の削減等により、毎年100%に近づいており、改善傾向にあります。また、企業債残高対事業規模比率は分流式による整備を行いながらも、公的資金補償金免除繰上償還の活用により、類似団体内でも大幅に低い水準にあることから、経営の健全化に向かっているといえます。なお、終末処理場を有しているため、汚水処理原価が類似団体平均値を上回る傾向にありますが、経費回収率が100%に近い数値となっていることから、適正な使用料収入の確保及び汚水処理費用の削減が図られているといえます。しかし、今後は施設の更新時期を迎えるとともに、維持管理費の増加や使用料の減少が見込まれるため、これまで以上に厳しい経営状況になることが予想されます。今後は、企業会計化(平成28年度)により更新投資に係る財源を独自に確保していく必要があるため、水洗化率の向上による使用料収入の増加を図るとともに、維持管理の抜本的な見直しを含め、更なる費用の削減に取り組む必要があります。
老朽化の状況について
管路改善率が類似団体の平均値より低くなっていますが、管路の建設を開始してから43年であるため、耐用年数を経過した管路はなく、早急に更新を要する状況にはありません。しかし、災害対策として進める耐震化と併せて、耐用年数を迎える管路を中心に更新の必要がある管路を抽出し、優先順位をつけたうえで投資計画を作成し、老朽化対策を進める必要があります。
全体総括
今後は、維持管理費の増加や施設の本格的な更新時期を迎えることを踏まえ、更新に必要な費用を的確に捉えた投資計画を作成するとともに、公営企業として、独自に更新に係る財源を確保するため、収益の増加及び経費の削減に取り組みます。