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基準財政需要額は、生活保護世帯の伸びは横ばいとなる一方で、障害者サービス提供事業者や高齢者世帯の増加により、社会福祉費が増大していることから、年々上昇傾向にある。また、基準財政収入額も、近年は、政府の経済対策や金融政策等の影響により、市税は増加傾向にある。今後は、景気の回復傾向があるものの、個人市民税でふるさと納税に伴う減収が見込まれるなど、先行きは不透明である一方で、社会福祉費の増加は引き続き見込まれることから、予断を許さない財政状況が続くことが予想される。今後も歳入では収納率の向上など自主財源の確保に努めるとともに、歳出では行政運営の効率化に努め、財政力の強化を図っていく。
扶助費や繰出金の増などにより経常的経費充当一般財源が増加する一方で、景気回復傾向に伴う市税の増を地方消費税交付金の減が上回り、分母となる経常一般財源が減少したことにより、1.9ポイント上昇したが、経常収支比率の80%台維持を目標としており、平成28年度の経常収支比率は約83%であることから、適正な値となっている。今後も多様化・高度化する市民ニーズや新たな行政需要などに的確に対応するため、府中市行財政改革推進プランに基づき、公益性の重視や効率化の徹底による歳出の適正化を図るとともに、事業実施のための財源確保に努めながら、健全な財政運営を推進していく。
職員数の適正化や事務事業の見直しを徹底してきた結果、類似団体や東京都内自治体との比較では、昨年度に引き続き、ともに平均を下回っている状況である。今後も行政サービスの水準を維持するとともに、多様化する市民ニーズに対応しながら、さらなる人件費の抑制及び物件費等の低減に努めていく。
従前から、国や東京都に準じた給与構造改革等を実施してきており、平成28年度からは更なる職務給化を図るため、東京都に準じた給料表への切替を実施した。当該切替による影響から、一時的に指数が上昇することとなったが、平成29年度は、国の水準及び類似団体平均を下回る状況となっている。今後も引き続き給与の適正化に努めていく。
これまでの定員適正化の取組により、類似団体平均や東京都平均と比較し、少ない職員数を維持してきている。今後も事務事業の増加や市民ニーズの多様化・複雑化が進む中で、安定的な市民サービスの提供を実現していくための人材・人員体制の確保を前提としつつ、民間活力の導入状況等も勘案しながら、引き続き適正な定員管理に努めていく。
実質公債費比率については、算定の際に分子となる、元利償還金が減少した一方、一部事務組合等の借入金返済に充当したと認められる負担金や公債費に準ずる債務負担行為に係る経費が増加したことで、単年度の比率としては悪化となったが、3ケ年平均では0.6ポイントの改善となった。今後も市債の計画的な借入れを行いながら、健全財政の維持に努めていく。
標準財政規模に対する一部事務組合や第3セクターなどを含む市が将来負担すべき実質的な負債の大きさの割合は、負担すべき実質的な負債はあるが、それ以上に基金や返済に充てる歳入が見込まれることから、計算上、将来負担見込額がないため比率は算定されない。今後とも、後年度への負担を少しでも軽減するよう財政の健全化に努めてく。
人件費については、早い段階から組織改正など組織・機構の見直しや、事務事業、施設管理の見直しによる委託化などを実施し、職員数の適正化を図ってきた。そのため、類似団体と比較して人件費に係る経常収支比率は低い水準を維持している。今後も行財政改革推進プランに基づき、民間活力の積極的な活用を図るとともに、各種事務事業の質と量に応じた適正な定員管理や職務給化を推進し、現在の水準を維持していく。
類似団体と比較すると、物件費に係る経常収支比率が高くなっているが、これは施設管理運営など業務の民間委託を推進していることによるもので、人件費との比率の対照でその傾向が表れている。引き続き、府中市行財政改革推進プランに基づき、指定管理者制度や外部委託、PFI制度の活用について導入効果の検証を行い、その活用により市民サービスの向上、コスト削減を図るとともに、公共施設の最適化による施設の統廃合などを含めた検討を行い、施設管理コストの削減に努めていく。
近年、扶助費は、増加傾向にあるが、平成27年度においては子ども・子育て支援新制度に基づく予算の組替の影響により減となったため、一時的に改善した。しかしながら、組替の影響を除けば、依然として増加傾向に変わりはなく、平成28年度は臨時福祉給付金や障害福祉関連経費の増大により0.9ポイント悪化した。今後も、資格審査の適正化を図るなど、生活保護費等の抑制を図るとともに、市独自の給付事業等についても他市の状況を把握しながら適正化を図り、抑制に努めていく。
その他に係る経常収支比率は、ほぼ横ばいで推移している。他会計への繰出金が主な内容となるが、高齢化に伴い介護保険特別会計や後期高齢者医療特別会計への繰出しが増加傾向にある。今後、税収を主な財源とする普通会計の負担額を減らすため、国民健康保険料の適正化や下水道事業会計における使用料金の値上げを検討し、健全化に努めていく。
清掃事業の一部事務組合への負担金の増などにより、経常収支比率は前年より0.4ポイント悪化し、依然として類似団体より高い水準となっている。清掃事業の一部事務組合への負担金は、施設整備の状況で年度ごとに増減があるが、ごみ収集方式の見直しによるごみ減量効果を維持することにより、負担金の削減に繋げていく。さらに、個人や団体への補助金については、内部の審査機関である補助金審査委員会において適正化に努めていく。
府中市行財政改革推進プランにおいて、実質公債費比率8%以下を維持することを目標として掲げていることから、類似団体平均と比較して低い水準を維持している。公債費抑制のため、市債の借入れにあたっては、大規模な投資的事業の実施時期以外は、償還額を借入額が上回らないよう計画的な借入を行い、実質公債費比率8%以下を維持していく。
市税の増を地方消費税交付金の減が上回り、分母となる経常一般財源が減となる一方、経常的経費充当一般財源が増になったことから、公債費以外の経常収支比率で前年と比較して2.1ポイント悪化した。市税等については、景気回復傾向の影響を受け増収が続いているが、ふるさと納税に伴う個人住民税の減収が懸念されており、今後の先行きは不透明であるため、今後も扶助費や繰出金などの社会保障経費の抑制を図るとともに、経常的な物件費の抑制に取り組むなど健全財政の維持に努めていく。
・実質公債費比率は類似団体と比較して低い水準にあり、近年は減少傾向が続いている。将来負担比率はマイナスとなるため算定されていない。将来負担のマイナス分を表記した場合の参考値については、近年、市債発行額が少なく、市債残高が年々減少している状況にあるため改善している状況である。しかしながら、平成28年度以降大規模事業の進捗に伴い、地方債の新規発行額が増加していく見込みであるため、これまで以上に公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。
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