経営の健全性・効率性について
公共下水道処理区域外については、合併症理浄化槽を用いた個別排水処理を行っているが、合併浄化槽の設置から維持管理については、公費で負担している。汲取り方式や単独浄化槽からの移行については、落ち着いた状況にある。未だ非水洗化である世帯や単独浄化槽を継続使用している世帯については、水洗化の利便性や効果に理解はしながらも、老朽家屋に居住し、設備投資する金銭的余裕がない高齢世帯も多いため、今後、合併浄化槽に移行する可能性は低いと考える。また、少ない件数ながら新築住宅の建設は断続的であるものの、合併浄化槽の設置の増加に比例して維持管理費も増加し、支出が収入を上回る状況にあるため、一般会計からの繰入金に頼らざるを得ない経営が続いている。維持管理費については、稼働に必要な業務項目を委託するなど、費用の削減に努めており、これ以上の経費削減は困難である。料金収入については、消費税の増税に伴い、見直しを行ってきている。今後、健全経営のための財源確保として、料金改定は必須である。
老朽化の状況について
平成14年度から順次、合併浄化槽の設置を行っているが、設置後10年以上を計画している浄化槽が多く、ブロアーなど電気機器の故障は年々増加傾向にある。今後、これら電気機器の更新等を年次計画で進めていく考えである。
全体総括
合併浄化槽に係る諸経費については、使用者負担にすることで軽減することはできるが、著しく公平性を欠くため、実現は不可能である。このため、以下に負担を抑えることができるかが課題となるが、適切な維持管理と、故障時の迅速な対応による、浄化槽本体を更新することなく、延命を図ることが効果的であると考える。料金収入については、これらの経費にかかる住民負担の増は免れないと考えるが、急激な負担増を避けるためにも計画的な料金改定を行う必要がある。しかし、水道料金の8割程度に設定してきた経緯があることを考慮し、水道料金との連動や均衡性にも考量し、料金設定を行わなければならない。小人口の自治体においては、独立採算性による経営は極めて困難である。一般会計からの繰入金の増は、町全体の財政を圧迫することにつながるため、より健全な経営を行うことが必要と考える。