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三重県松阪市の財政状況

🏠松阪市

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

当市経年比較において、平成29年度より低下傾向にあったものの令和4年度より上昇傾向にある。単年度指標においても、令和03:0.569、令和04:0.596、令和5:0.593と令和4年度と同水準となった。平成29年度から令和元年度までを合併特例事業債を財源とした集中投資期間とし、市債の償還を短期間に実施する短期償還を行ったが、その影響がなくなったため数値が上昇したと思われる。ただし、合併特例事業債を活用した未来投資基金の借入について、市債残高の影響を一時的なものに留めるため、早期の償還を行っていることにより、期間中は同水準が続くものと思われる。

経常収支比率の分析欄

令和5年度は、分子では主に公債費539,205千円増、扶助費430,787千円増等により計724,214千円の増。分母では地方交付税は347,067千円の増になったものの、臨時財政対策債が377,758千円の減等により計34,386千円の増に留まったため、指標が悪化した。公債費については未来投資基金の償還を早期で行っているため増加となった。令和2年度及び令和3年度は公債費において合併特例事業債の短期償還分は臨時的なもので経常的な経費から除外しているため一時的に数値が改善したが、今後は短期償還以前の数値付近まで戻るものと想定している。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費については、民間企業の賃上げ状況を反映した人事院勧告に基づく給与改定により増加したものの、物件費については令和4年度と比較して微減となったことから、結果として人口1人あたりの人件費・物件費等決算額は前年度と同程度となった。今後も引き続き、業務の効率化を図るとともに、時間外勤務の縮減に向けた取り組みを進めるなど人件費の抑制に努めていく。

ラスパイレス指数の分析欄

類似団体の平均を大きく下回っており、水準として高いものではない。令和5年度は定年延長制度により定年退職者が発生しなかったため、令和4年度と比べて大きな変動は見られなかった。職員給については人事院勧告に準拠することを原則としているため、基本的には大きな変動なく推移していくと見込まれるが、今後も適正な水準の確保に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

類似団体平均を超過する職員数となっているが、これは他の類似団体と比較して面積が広く、人口密度も低いため、効率的でない業務を抱えざるを得ない現状に起因するところがある。さらに人口減少、超高齢化等が進捗する中で、新たな行政サービスの需要も増加してきているが、DXの活用をはじめとする事務の効率化を進める中で、引き続き適正な定員管理の推進を図っていく。

実質公債費比率の分析欄

令和5年度の指数については、令和4年度と比較し0.5ポイント改善している。短期償還のピークであった令和2年度の単年度実質公債費比率4.19336が無くなったことが要因となっている。単年度では未来投資基金の償還により元利償還金の額が増加したため、2.1ポイントの悪化となっている。集中投資期間に係る短期償還の実施により、単年度実質公債費比率は平成30年度から悪化していたが、短期償還による影響がなくなったため過去の数値付近に回帰したと思われる。

将来負担比率の分析欄

令和5年度は、前年度までと同様に算定されなかった。地方債残高の対前年度比-10.5億円や、充当可能財源(基金等)のこれまでの蓄積等により、分子がマイナスとなったことによる。合併特例事業債を活用した未来投資基金を令和3年度と令和4年度の2ヶ年で計40億円積み立てたことから市債発行が大幅に増加することとなるが、財政調整基金等を活用し、早期に償還することで影響を短期間に抑えることとしている。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

人件費については、民間企業の賃上げ状況を反映した人事院勧告に基づく給与改定により増加したものの、経常充当一般財源等の減少及び、普通交付税の再算定により地方交付税が増加したことから、経常収支比率に占める人件費の割合は相対的に減少した(0.8ポイント減)。類似団体平均をやや下回る水準にあるが引き続き、諸手当の見直し、時間外勤務の縮減など人件費の抑制を図りつつ、効率的な運営に取り組んでいく。

物件費の分析欄

令和2年度は、会計年度任用職員制度の導入に伴い、これまでの非常勤職員の賃金等が人件費に移行したことにより大きく減少した。令和4年度については、電気代を含む光熱水費の上昇や原材料等の価格高騰が影響し上昇し、令和5年度についても同程度となった。今後も物価高騰の影響を注視し、物件費の抑制に努める。

扶助費の分析欄

令和5年度の経常的な扶助費は、令和4年度と比較すると制度改正等により大幅な上昇となった(1.0ポイント増)。老人福祉にかかる扶助費は微減となったものの、生活保護関連経費や児童手当、こども医療費助成等の児童福祉にかかる扶助費は増額となった。障害者総合支援関連経費についても増加傾向にあることから、今後も注視していく必要がある。

その他の分析欄

超高齢社会への移行を反映し、経常経費充当一般財源において、後期高齢者医療事業、及び、介護保険事業への繰出金の増加傾向が続いている。令和5年度は介護保険事業が微減となったが、令和4年度に比べ、合せて1.2億円程度増加している。後期高齢者医療事業、及び、介護保険事業への繰出金の増額は今後も避けられないと考えられることから、他の経常経費の抑制に努める。

補助費等の分析欄

松阪市は、し尿処理・常備消防業務等を一部事務組合で行っているため、類似団体平均値に比べて経常収支比率が高い。令和5年度は対象クラブ数の増加による放課後児童クラブ活動事業補助金等により微増となった。繰出金については、法適用企業に対しては繰出基準を基本として、経営の健全化を求めるとともに、一部事務組合等の適正化、「補助金等に関する基本方針」に基づく補助金等の適正執行を徹底する。

公債費の分析欄

令和元年度から数値は減少傾向で推移していたが、令和4年度以降は増加している。これは短期償還の影響はなくなったものの、未来投資基金の積み立てに要した合併特例事業債の償還を短期間で行っているためで、今後数年間は数値の上昇が見込まれる。また、金利は上昇傾向にあることから、利子の増加が見込まれる。

公債費以外の分析欄

令和5年度は扶助費や繰出金等が前年度対比で増額となったこと、また、歳入においては、地方交付税や法人事業税交付金等は増額となったものの、臨時財政対策債の減額もあり前年度に比べて増加した。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

本市の特徴として挙げられるのは、民生費の扶助費高止まりが挙げられる。商工費は近年、物価高騰対策による商品券事業等やキャッシュレス還元事業等の臨時的な事業を行ったことにより類似団体平均を上回っている状況となっている。施設の老朽化が著しく、長寿命化、施設更新の事業費が大幅に増加している教育関係では、平成30年度、令和元年度は集中投資を実施して各平均値を上回ったが、集中投資期間が終了したため令和2年度以降は以前の水準に戻ることとなった。公債費の変動が近年激しいのは、令和元年度までの集中投資期間による多額の起債発行により関連指標の悪化を短期間に抑えるため、大規模投資と同時に短期償還による市債残高抑制を図ったことによるものであり、令和5年度は短期償還分の影響はなくなったが、未来投資基金への積み立てに要した合併特例事業債の償還により今後も増加傾向が続くと見込まれる。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

本市の特徴は扶助費、補助費等が県平均、及び、類似団体平均と比較して高い点である。また、普通建設事業費においては、令和元年度までの集中投資期間終了に伴い、県平均、及び、類似団体平均と比較して低くなっている。但し、更新整備においては、老朽施設の更新が急務で、特に教育関係施設の老朽化が著しく、今後、長寿命化、施設更新の事業費の増加が見込まれる。補助費等について本市は、し尿処理・常備消防を一部事務組合で行っているため、類似団体平均値より高い数値を示している。また、令和5年度は、主に物価高騰対策による給付金支給事業や商品券事業等の臨時的な事業を行ったことにより増加した。繰出金については、後期高齢者医療事業、及び、介護保険事業への繰出金の増額は今後も避けられないと考えられることから、増加傾向になると見込まれる。積立金が令和3年度及び令和4年度に大きく増加しているが、これは主に、本市における市民の連帯の強化、及び、地域振興に要する経費の財源を確保することを目的に、未来投資基金を新たに造成したことによるもので、令和3年度と令和4年度に20億円ずつ計40億円の積み立てを行ったことによるものであり、令和5年度については、積み立てが終了したことにより減少した。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

令和元年度までの集中投資期間に要した市債借入の影響を短期間とするため、財政調整基金を活用して短期での償還を行ったため財政調整基金残高は減少した。令和3年度、令和4年度と新型コロナウイルス感染症の影響を見込んでいたが、実際には影響は限定的であり増額となった。令和5年度についても普通交付税の再算定による地方交付税の増、地方財政法第7条第1項に基づく前年度繰越金の1/2の積立の増等もあり、財政調整基金は増となり、実質単年度収支も約7億円とプラス値になった。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

平成25年度は競輪事業会計において赤字となったが、平成25年度下半期から包括業務委託を取り入れた事業運営を行っており、平成26年度から令和4年度に引き続き、令和5年度も黒字となり、10年連続で一般会計へ繰出すことができた(平成27:10百万円、平成28:4百万円、平成29:9百万円、平成30:15百万円、令和01:30百万円、令和02:60百万円、令和03:260百万円、令和04:360百万円、令和05:250百万円、令和06:650百万円)。松阪市民病院事業会計においては、呼吸器部門に特化するなど業務の効率化を徹底することで黒字化を達成している。令和5年度は新型コロナウイルス感染症の影響のほか、受療行動の変容による患者数の減により医業損益は赤字となったが、コロナ病床を設置して対応したことによる国県補助金の受け入れにより、事業損益は黒字となった。平成26年度から公営企業会計制度の大規模な変更に伴い欠損金が大きく圧縮されたものの、依然として43億円程度の未処理欠損金が残っている状況である。国民健康保険事業特別会計において、令和4年度は6.3億円となっていたが、令和5年度は5.3億円と減少した。これは主に、高年齢化に伴う保険給付費の増によるものである。高年齢化により国民健康保険税は減収となることが想定されることから注視していく必要がある。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

平成29年度から令和元年度までを集中投資期間として大型の投資的事業を実施してきたことにより、その財源として市債借入が大幅に増額した。これに伴う公債費関連の指標悪化を一時的なものとするべく、平成30年度から起債残高抑制のために財政調整基金を活用することで、短期間での償還を実施したことにより、元利償還金が大幅に増加した。令和5年度は短期償還分の元利償還金がなくなったが、未来投資基金の積み立てに要した合併特例事業債の償還を短期間で行っているため令和4年度より増加となった。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

将来負担比率については、令和5年度では地方債残高は若干の減(-10.5億円)等により引き続き分子がマイナスとなり非表示となった。将来負担比率の分子については、令和元年度までの集中投資期間中、令和3年度、令和4年度の未来投資基金における合併特例事業債の借入により地方債の現在高は年度により大きな変動がある。充当可能基金は、集中投資期間における短期償還には財政調整基金を一部原資としたことから減少傾向であったが影響がなくなったこと、普通交付税の再算定による地方交付税の増や景気回復による交付金の増等により財政調整基金は増加することとなった。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)平成27年度に基金全体について今後の見込、整理の可否等の視点から見直しを実施し、整理を行った。整理の主な内容は基金を整理し、今後も存続していくもの、時限的に一定期間後までは継続していくもの(例:スポーツ振興基金については国体まで存続し、それまでに残額を全て事業に充当させる等)、定額運用基金の金額の変更等の整理を行った。整理後廃止等による基金残高については、新規に公共施設マネジメント基金を造成し、今後需要の見込まれる施設の除却、複合化等、公共施設マネジメントに寄与する事業に充当することとした。(約25億円)今回の前年度比で大幅に増額となったのは、財政調整基金の増額に加えて、その他特定目的基金において、公共施設マネジメント基金、過疎地域持続的発展基金、及び、みえ松阪マラソン応援基金等において積立金が繰入金を上回ったことによるものである。(今後の方針)今後は平成27年度の整理に従い、一部の基金を除き、順次その他特定目的基金は事業充当されて廃止されていくものと考えている。また、公共施設マネジメント基金について、その効果が全庁的に広まったこともあり、大きく繰入を行うこととなった。今後もその需要が増すことが予想され、事業繰入は増加傾向にあるため、クリーンセンター売電収入の一部を毎年積み立てるとともに、充当事業に関する要件を整理して一気に枯渇しないよう手当を施す必要がある。未来投資基金については、合併特例事業債を最大限に活用するべく、令和3年度、令和4年度において各20億円の積み立てを行った。今後は償還を終えた分から事業実施のために活用を検討していく。

財政調整基金

(増減理由)平成29年度から令和元年度までを集中投資期間と位置づけ、従来から計画的に進めてきた大規模事業や新たな課題懸案事項(小中学校エアコン整備)等について、大規模な投資をしていくことから、事業費や完成後の公債費増加に備えるため、財政調整基金を積み増していた。平成30年度から集中投資期間に要した合併特例事業債の短期償還を財政調整基金を活用し実施したため、残高は減少したが、景気回復による法人事業税交付金等の増、普通交付税の再算定による地方交付税の増等により、令和5年度末の残高は増加した。(今後の方針)集中投資期間による短期償還は終了したものの、令和3年度に造成した未来投資基金の積み立てに要した合併特例事業債の償還が必要となり、関係する財政指標の悪化や将来世代への負担増が懸念される。そのため、本基金を活用して公債費を増額し、影響を数年に留めるよう対応することとしている。また、金利は上昇傾向にあることから本基金を活用して早期の償還を行うこととしている。但し、一定程度以下に残高がならないよう注意を払っていく必要があると考えている。

減債基金

(増減理由)本市の一般会計の減債基金は3種に分かれ、移動通信用鉄塔整備事業債に係るものと、消防本部において整備された消防救急デジタル無線の活動波整備費用に係るものと、特定の目的ではないものである。前2者は県や公益財団法人からの交付金等を財源としており、該当事業の償還額に合せて繰入れているものである。(今後の方針)目的が定まっているものについては、その償還額等に応じて繰入を実施していくものである。また、特定目的が定まっていないものについては、今後繰上償還を実施する際の原資として充当していくものである。

その他特定目的基金

(基金の使途)未来投資基金:新市建設計画に基づく事業に充当公共施設マネジメント基金:公共施設マネジメント(施設の集約、複合化、転用、除却)に係る事業に充当ふるさと応援基金:ふるさと応援寄附者の意向に沿って事業充当みえ松阪マラソン応援基金:みえ松阪マラソン事業に充当松阪市民病院事業基金:松阪市民病院の医療の質の向上、人材の育成及び確保並びに健全な運営に要する松阪市民病院事業会計への繰出金に充当(増減理由)未来投資基金:54万円積立(未来投資基金利子)公共施設マネジメント基金:約4,932万円積立(クリーンセンター売電収入等)、約3,427万円繰入(市営住宅解体事業等)ふるさと応援基金:約8億5,324万円積立(ふるさと応援寄附金)、約7億1,064万円繰入(新たな学びの創造事業等)みえ松阪マラソン応援基金:約3億3,812万円積立(ふるさと応援寄附金等)、約1億198万円繰入(みえ松阪マラソン事業)松阪市民病院事業基金:約2億4960万円繰入(松阪市民病院事業会計への繰出金)(今後の方針)未来投資基金:原資の合併特例事業債償還済額について新市建設計画に基づく事業に充当していく。公共施設マネジメント基金:今後需要は増加する見込みであることから定期的に積立を実施(クリーンセンター売電収入)し、できる限り延命化を図っていく。ふるさと応援基金:ふるさと応援寄附、返礼品分を控除した部分について寄附者の意向に沿った事業に充当していく。みえ松阪マラソン応援基金:ふるさと納税制度等による寄附金を積み立て、みえ松阪マラソン事業に充当していく。松阪市民病院事業基金:医療の質の向上、人材の育成及び確保並びに健全な運に要する松阪市民病院事業会計への繰出金に充当していく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

県平均、全国平均、類団平均と比較すると、全てに対して本市の有形固定資産減価償却率は高い数値を示しており、上昇傾向にある。令和元年度は大規模な施設整備により指標の改善が見られたが、令和2年度より悪化傾向にある。これは老朽施設が多く、更新が滞っている状況を示しており、公共施設等総合管理計画に基づき公共施設マネジメントを早急に進めなければならない状況である。

債務償還比率の分析欄

県平均、全国平均、類団平均と比較して低くなっている。平成29年度から令和元年度までに実施した地方債を財源とする各種施設の大規模更新に伴う地方債償還金が大幅に減少したため、一時的に増加した債務償還比率は減少傾向となっていた。令和4年度は、臨時財政対策債発行可能額が減少したことに加え、令和3年度借入合併特例事業債の基金増成分(未来投資基金)等の地方債償還金が増加したことにより数値が増加した。未来投資基金は市債残高の影響を一時的なものに留めるため短期間での償還を行っている。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は平成26年度以降、充当可能な財源額が将来負担額を上回っているため分子が負数となりバー表示である。(グラフ表記なし)

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は平成26年度以降、充当可能な財源額が将来負担額を上回っているため分子が負数となりバー表示である。(グラフ表記なし)実質公債費比率について、延長前の合併特例事業債の発行期限である令和2年度を終期とした複数の大型事業を平成29年度から令和元年度に集中して実施したために、合併特例事業債をはじめとした地方債償還額が増加し、一時的に数値が悪化していたが、令和3年度以降、これらの償還分が大幅に減少したことにより改善している。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

道路、学校施設以外の施設については、目に見えるような形で投資を行っていないため、有形固定資産減価償却率が微増となっている。同様に、一人当たりの有形固定資産額、延長、面積についても、ほとんどの施設について新増設されていないことから人口減少の影響もあり、微増となっている。学校施設については、三雲中学校の外壁他改修、嬉野中学校の校舎大規模改造工事等を実施したため、有形固定資産減価償却率の改善がみられる。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

近年、施設の建て替えや大規模改修を実施したため一般廃棄物処理施設、保健センター、図書館の有形固定資産減価償却率が上位に位置している。体育館・プールについては、ハートフルみくもスポーツ文化センターの空調設備更新等を実施したため、有形固定資産減価償却率の改善がみられる。福祉施設については、第二隣保館のトイレ改修を実施したため、有形固定資産償却率の改善がみられる。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

・一般会計等においては、負債総額が前年度末から644百万円の減少(-1.2%)となった。金額の変動が最も大きいものは地方債(固定負債)であり、令和3・4年度に合併特例事業債の基金増成分を発行して実施した未来投資基金積立金に係る地方債の償還について、早期に活用できるよう短期間での償還を行っていること等から、地方債償還額が発行額を上回り、1,369百万円減少した。・水道事業会計、下水道事業会計等を加えた全体では、資産総額で前年度から4,623百万円(前年度末比+1.3%)増加し、負債総額で前年度から1,141百万円(前年度末比+0.7%)増加した。資産総額は、上水道管、下水道管等のインフラ資産を計上していること等により、一般会計等に比べて144,733百万円多くなった。松阪市土地開発公社、後期高齢者医療広域連合等を加えた連結では、資産総額で前年度から4,146百万円(前年度末比+1.1%)増加し、負債総額で前年度から952百万円(前年度末比+0.6%)増加した。資産総額は、一般会計等に比べて151,136百万円多くなっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

・一般会計等においては、経常費用は65,188百万円となった。そのうち、人件費等の業務費用は29,407百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は35,781百万円であり、移転費用の方が業務費用よりも多い。最も金額が大きいのは社会保障給付(16,410百万円)、次いで他会計への繰出し(11,118百万円)であり、純行政コストの50%以上を占めている。今後も高齢化の進展などにより、この傾向が続くことが見込まれるため、事業の見直しや介護予防の推進等により、経費の抑制に努める。・全体では、一般会計等に比べて水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が42,478百万円多くなっている。一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が29,640百万円多くなり、純行政コストは33,356百万円多くなっている。・連結では、一般会計等に比べて連結対象企業等の事業収益を計上し、経常収益が43,463百万円多くなっている。一方、人件費が7,472百万円多くなっているなど、経常費用が94,577百万円多くなり、純行政コストは51,118百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

・一般会計等においては、税収等の財源(65,238百万円)が純行政コスト(63,228百万円)を上回ったことから、本年度差額は2,011百万円となり、純資産残高は1,573百万円の増加となった。・全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が13,739百万円多くなっており、本年度差額は3,163百万円となり、純資産残高は3,482百万円の増加となった。・連結では、後期高齢者医療広域連合への国県等補助金等が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が52,033百万円多くなっており、本年度差額は2,924百万円となり、純資産残高は3,194百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

・一般会計等においては、業務活動収支は6,590百万円であったが、投資活動収支については、松阪市民文化会館施設整備、斎場・火葬場施設整備等を行ったことから、▲6,128百万円となった。財務活動収支については、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、▲1,047百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から585百万円減少し、3,087百万円となった。しかし、地方債の償還は進んでおり、経常的な活動に係る経費は税収等の収入で賄えている状況である。・全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より6,021百万円多い12,611百万円となっている。・連結では、後期高齢者医療広域連合における補助金収入等が業務収入に含まれることなどから、業務活動収支は一般会計等より6,057百万円多い12,647百万円となっている。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

・純資産比率は、類似団体平均とほぼ同程度であるが、令和5年度においては税収等の財源が純行政コストを上回ったことから純資産が増加し、昨年度から1,573百万円増加している。引き続き、「松阪市行財政改革推進方針」に基づく行政コストの削減に努める。・将来世代負担比率は、類似団体平均より上回っている。地方債償還額に対する発行額を抑制し、地方債残高を圧縮することで将来世代の負担の減少に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

・住民一人当たり行政コストは類似団体平均を上回っている。特に、純行政コストのうち56.6%を占める移転費用が、住民一人当たり行政コストが高くなる要因となっていると考えられる。状況の把握、整理、研究を進め、社会保障給付や他会計への繰出金の増加傾向に歯止めをかけるよう努めているところである。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

・業務・投資活動収支は、業務活動収支の黒字分が基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分を上回ったため、2,529百万円となっている。投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行して、松阪市民文化会館施設整備、斎場・火葬場施設整備等の必要な整備を行ったためである。・住民一人当たり負債額が類似団体平均を下回っているのは、過去の投資抑制に伴い起債発行も抑制されていたことが要因と考えられる。令和3・4年度については未来投資基金積立に係る地方債借入により住民一人当たり負債額が増加傾向にあったが、当該地方債は、短期間での償還を行っていること等から令和5年度は、改善されている。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は比較的低くなっている。また、昨年度からは、減少している。特に、経常費用が昨年度から353百万円増加しており、中でも経常費用のうち社会保障給付の増加が顕著である。なお、類似団体平均まで受益者負担比率を引き上げるためには、仮に経常収益を一定とする場合は、18,877百万円経常費用を削減する必要があり、経常費用を一定とする場合は、849百万円経常収益を増加させる必要がある。このため、公共施設等の使用料の見直し等を検討するとともに、松阪市行財政改革推進方針に基づく行財政改革により、経費の削減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,