経営の健全性・効率性について
経常収支比率,料金回収率について,平成30年度は西日本豪雨災害による給水収益減少等の影響により,前年度に比べ低下したが,令和元年度は平成31年1月1日の水道料金改定(平成31年4月請求分から新料金)で確保した給水収益により再び向上した。企業債残高対給水収益比率は,類似団体平均が下降している中で,平成30年度までは,ほぼ横ばいとなっていたが,令和元年度は水道料金改定による給水収益の増加により改善した。有収率について,現時点では効率的に給水が行われている状況である。尚,平成30年度は豪雨災害により一時的に低下している。施設利用率については,平成29年度に施設能力の変更に伴い一時的に向上したが,利用率の低下が続いている状況に変わりはない。施設利用率の低下は効率的な経営の阻害要因となるため,施設更新時には規模の縮小を含む統廃合についても検討している。上記のとおり,平成30年度以前において,倉敷市は,類似団体と比べ料金水準が低く,給水収益に関係する指標に関して相対的に低い数値となっている。しかしながら,給水原価も低く,また経常黒字を維持していることから効率的な経営の結果が見て取れる。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率及び管路経年化率は上昇傾向にあり,法定耐用年数での更新が追いついておらず,今後は更新需要が増加すると見込んでいる。そのため,安定給水のため水道施設の耐震性を一層向上させるといった観点から,平成31年1月1日に水道料金改定を行い,管路を含めた老朽施設の更新を積極的に行っている。それに伴い管路更新率は平成30年度と比較し改善した。なお,管路更新率については,平成28年度データに誤りがあるため,正しいデータを倉敷市水道局ホームページにて公開している。
全体総括
経営状況,施設利用及び老朽化等の各指標から類似団との相対的な比較では,経営,施設とも特に問題ないと判断される。しかしながら,将来においても水道利用者に対し安定的に給水を行うためには積極的な施設更新が必要であるため平成31年1月1日に水道料金改定を行い適正な料金水準となっている。今後も引き続き安定的かつ継続的な水道事業の運営に努める。