島根県：工業用水道事業

経営の健全性・効率性について

本県の工業用水道事業は、県東部の２市を給水エリアとするものと、県西部の１つの工業団地を給水エリアとするものの２カ所があります。新規需要の開拓や業務の見直しによる経費縮減に取り組むなどの経営努力を行っています。【①経常収支比率】各年度とも100%を上回っており、令和３年度においても経常利益を確保しています。【②累積欠損金比率】類似団体平均より高い水準となっているのは、平成８年度から新たに給水を開始した工業団地への用水型企業の誘致が進まず、収益性の低い状況が続いたことから、平成26年度に減損処理を実施したためです。【③流動比率】令和３年度では300%を上回っており、支払能力は十分確保しています。【④企業債残高対給水収益比率】施設更新事業を行っており増加していますが、企業債返済の原資となる当期利益＋減価償却費は確保されており、企業債の償還に支障はありません。【⑤料金回収率】料金回収率は100%を上回っており原価に見合った料金回収はできています。【⑦施設利用率】安定的に推移しており、ほぼ平均値並みです。【⑧契約率】水需要（契約水量）が建設当初の計画水量に達しないため平均値を下回っています。新規需要の開拓が課題です。

老朽化の状況について

【①有形固定資産減価償却率、②管路経年化率】給水開始から50年経過した施設もあり類似団体平均より高い水準にあります。【③管路更新率】令和３年度に1,711mの管路を更新しました。今後もアセットマネジメント手法を用いて策定した「施設管理基本計画」に基づき、施設の長寿命化を図りつつ、優先度の高い区間から管路更新を進めていきます。

全体総括

「島根県企業局経営計画」に記載された、経費の縮減や新規需要の開拓などの経営改善を進め、地域の産業を支え企業活動に必要となる工業用水の安定供給を行います。また、「施設管理基本計画」に基づき、適切な維持管理により施設の長寿命化を図りつつ、施設の更新や耐震化を進めていきます。合わせて、昨今の電気料金高騰や物価高の動向を注視し、経営に与える影響を分析しながら、将来の安定した経営に向けた機動的な対応を行ってまいります。