経営の健全性・効率性について
本市は、平成16年度より浄水場の統廃合をはじめ施設能力の適正化を図ってきたため施設利用率は高く、また、管路の維持に努めた結果有収率も高い状況にあることから、施設の効率性は良好といえる。ただし、給水原価は高く料金回収率が低いことから、経営改善・財政基盤強化が必要といえる。特に、給水人口が増加しているにもかかわらず給水量は減少傾向にあり料金収入が減少した結果、累積欠損金は発生していないものの他市平均値に比して経常収支比率及び流動比率が低くなっている。また、本格的な更新・耐震化工事が始まったばかりであることや、阪神・淡路大震災時に発行した多額の企業債の償還に取り組んできた結果、企業債残高対給水収益比率は他市に比して低くなっているが、今後人口減少局面を迎えるにあたり企業債残高の削減を図っていく必要がある。
老朽化の状況について
法定耐用年数を用いた管路経年化比率からは老朽化が進んでいるといえるが、アセットマネジメントを実施した結果、1.25%/年の更新を行うことで管路は概ね良好に保つことができると判断し、現在管路の耐震化・老朽化対策工事を計画的に進めている。
全体総括
今後も計画的に耐震化・老朽化対策を進める必要があるが、経営状況は良好とは言えず、人口減少に伴う給水量の減少を前提として中長期的な視点に立った財政基盤強化を図る必要がある。このような状況において、平成27年度に経営戦略(ビジョン・投資財政計画)を策定するとともに料金改定を実施し、平成40年度まで事業を継続していくための資金を確保した。今後は、ビジョン・投資財政計画において必要とした施策・事業を着実に実施するとともに、投資財政計画以上の費用削減とさらなる財政基盤の強化に向けた施策の推進が求められている。