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2010年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2020年度)
財政力
財政力指数の分析欄
税収基盤が弱いことに加え、平成初頭に集中的に実施した下水道等の都市基盤整備及び、公共施設整備の財源として発行した地方債に係る償還並びに、市立幼稚園・市立高等学校に係る基準財政需要額が大きいため、類似団体内平均値、大阪府平均と比較して、極めて低い水準で推移している。上記の状況を改善するために、直面する収支不足の解消及び、将来にわたる持続可能な行財政運営の実現に向け、「行財政再建プラン【2021年3月版】」を策定した。人口減少や少子高齢化による社会情勢の変化に合わせた施策の再構築、民間活力の活用などを進め、安定した行財政運営の維持を図る。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
税収基盤が弱いという構造的問題に加え、過去の集中的な建設投資の財源として発行した地方債に係る償還負担が依然として大きく、併せて、社会保障関係経費が高止まりしていることが要因となり、経常収支比率は類似団体内で最も高い水準となっている。臨時的収入に依存する体質から脱却するため、「行財政再建プラン【2021年3月版】」に基づき、公共施設の規模適正化・適正配置、民間活力の活用と人員体制の見直し、受益者負担の適正化、広域行政の推進などに取り組み、持続可能な市政運営の実現を目指す。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
類似団体内平均値と比較すると、職員数や人口1人当たりの人件費はやや高い状況であるが、ラスパイレス指数が低く、これに加え、委託料を中心に物件費全体を厳しく抑制しているため、人件費・物件費等の状況のトータルの指標で見ると、類似団体内平均値や大阪府平均を下回る水準となっている。しかし、決算額が年々増加傾向にあるため、今後も経費を精査する必要がある。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
「行財政再建プラン【2021年3月版】」に基づき、給与月額および期末勤勉手当等の各種手当の削減を実施している。また、人事院勧告等に基づき、給与水準の適正化に取り組むことにより、類似団体内平均値を下回る水準で推移している。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
公立幼稚園数が多いこと及び、市立高等学校を運営していることから、教育公務員の数が多く、類似団体内平均値と比較して職員数が多くなっている。民間委託化など民間活力を活用することにより、行政サービス水準の向上及び職員数の適正化を図りつつ、コスト削減を目指す。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
平成初頭の集中的な大規模建設投資の財源として発行した地方債に係る元利償還金が、実質公債費比率を押し上げていた。しかし、近年においては、事業の精査を行い、地方債の新規発行を抑制していることにより、前年度と比較して1.6ポイント低下した。しかし、依然として類似団体内平均値、大阪府平均を上回る水準であるため、引き続き、地方債の新規発行を抑制し、実質公債費比率の改善を図る。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
平成初頭の集中的な大規模建設投資の財源として発行した地方債の残高が、将来負担比率を押し上げていた。しかし、近年においては、事業の精査を行い地方債の新規発行を抑制していることにより、地方債の残高や公営企業債等繰入見込額が減少している。また、職員数減により退職手当負担見込額も減少している。これらの要因により、将来負担比率の改善が進んでいる。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)
人件費
人件費の分析欄
「行財政再建プラン【2021年3月版】」に基づき、給与月額および期末勤勉手当等の各種手当の削減を実施しているところではあるが、令和2年度においては、定年退職者の増加に伴う退職手当の増加により、類似団体内平均値を上回っている。今後も、民間委託等を含めた業務見直し、給与水準の適正化を図っていく。なお、前年度と比較して指標が悪化しているのは、会計年度任用職員制度の影響によるものである。
物件費
物件費の分析欄
委託料を中心に物件費全体を厳しく抑制しており、また、ごみ処理事業を一部事務組合において実施しているため、指標としては類似団体内平均値、全国平均を下回る水準で推移している。なお、前年度と比較して指標が改善しているのは、会計年度任用職員制度の影響によるものである。
扶助費
扶助費の分析欄
生活保護費は前年度と比較して減少したものの、自立支援・介護給付費等事業、認定こども園施設型給付等事業などの増加が扶助費を押し上げており、指標悪化の要因となっている。加えて、令和2年度においては、コロナの影響による医療控えがあり、こども医療助成事業が減少するなど、指標の改善が見られる。しかし、依然として類似団体内平均値を大きく上回る水準で推移しているため、資格審査等の適正化を進めるとともに、各種相談・支援事業を継続することで、扶助費の上昇抑制を図っていく。
その他
その他の分析欄
修繕施設の精査により維持補修費はほぼ横ばいとなったが、後期高齢者医療特別会計への繰出金及び病院事業会計への投資及び出資金の増加により、指標としては前年度より悪化した。今後も、修繕施設の選択と集中、特別会計及び企業会計への繰出金等の適正管理に努める必要がある。
補助費等
補助費等の分析欄
一部事務組合において実施しているごみ処理事業に係る構成市負担金が減少したことを受けて、令和2年度の指標が改善した。しかし、同組合への負担金、下水道事業会計及び病院事業会計への繰出金が大きいことが影響し、依然として類似団体内平均値、大阪府平均を上回る水準となっている。
公債費
公債費の分析欄
平成初頭の集中的な大規模建設投資の財源として発行した地方債に係る償還負担が継続しており、類似団体内平均値を上回る水準で推移している。しかし、近年においては事業を精査し地方債の新規発行を抑制していることや、過去の大規模建設投資の財源として発行した地方債の償還が終了を迎えているため、公債費及び地方債の残高は減少傾向にある。
公債費以外
公債費以外の分析欄
指標は改善しているが、その要因は、制度改正や新型コロナウイルスの影響など、単年度の特殊な影響によるものが大半を占めている。現状としては、扶助費、補助費等の負担が依然として大きいことが、類似団体内平均値及び大阪府平均を上回る要因となっている。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)
目的別歳出の分析欄
・総務費及び教育費は、住民一人当たりコストが前年度から大きく増加しているが、これはコロナ対策として実施した単年度限りの特殊要因によるものである。・民生費は、住民一人当たり199,987円となっており、類似団体の中で1番目に高い水準となっている。これは、民生費の27.9%を占める生活保護費は前年度と比較して2.0ポイント減少したものの、自立支援・介護給付費等事業、認定こども園施設型給付等事業の増加により住民一人当たりのコストが押し上げられている。今後も、社会保障制度全般にわたり資格審査の適正化等を進めることで、民生費の上昇抑制を図る。・公債費は、住民一人当たり36,686円で全体の7.3%と主な構成項目の1項目であり、類似団体内平均値と比較して高い水準となっている。これは、平成初頭の集中的な大規模建設投資の財源として発行した地方債に係る償還負担が継続していることが要因となっている。しかし、近年においては事業を精査し地方債の新規発行を抑制していることや、過去の大規模な建設投資の財源として発行した地方債の償還が終了を迎えているため、地方債の残高及び住民一人当たりの公債費は減少傾向にある。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)
性質別歳出の分析欄
・地方財政状況調査完了後に修正が生じ、補助費等の住民一人当たりコストは142,672円(決算額構成比28.4%)、物件費の住民一人当たりコストは45,446円(決算額構成比9.1%)となった。・補助費等は、住民一人当たり142,672円で全体の28.4%と最も高い割合を占めているが、これは特別定額給付金の支給によるもので、単年度の特殊要因である。また、物件費についても、住民一人当たりコストが前年度から大きく増加しているが、これもコロナ対策として実施した単年度限りの特殊要因によるものである。・扶助費は、住民一人当たり141,859円で全体の28.2%と高い割合を占めており、類似団体内で最も高い水準となっている。扶助費の37.5%を占める生活保護費が前年度と比較して1.4ポイント減少したことや、コロナの影響による医療控えなどによる減少はあったものの、自立支援・介護給付費等事業、認定こども園施設型給付等事業などの増加により住民一人当たりコストが押し上げられている。今後も、社会保障制度全般にわたり資格審査の適正化等を進めることで、扶助費の上昇抑制を図る。・人件費は、住民一人当たり67,058円で全体の13.4%と高い割合を占めている。類似団体内平均値と比較するとやや高いものの、大阪府平均、全国平均と比較すると低い状況である。今後も業務見直しに積極的に取り組み、人件費の削減、適正化を図る。なお、前年より指標が大きくなっている理由は、退職手当の増加に加え、会計年度任用職員制度の影響によるものである。
実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)
分析欄令和2年度決算は、実質収支が前年度と比較して500百万円増加の800百万円、実質単年度収支が前年度と比較して179百万円増加の500百万円となった。これは、歳入において、地方消費税交付金が759百万円増加したこと等も要因であるが、コロナの影響で経常経費充当一般財源が減少したことによる収支改善など、臨時的な要因によるところが大きい。このような状況から、令和2年度は財政調整基金を取り崩すことなく、令和元年度に引き続き実質単年度収支が黒字となったものである。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)
分析欄近年、連結実質赤字比率の悪化に最も大きな影響を与えていた国民健康保険事業特別会計は、赤字解消計画の着実な実施により令和2年度から黒字に転じた。その他に影響が大きい会計として、上水道事業会計と病院事業会計がある。上水道事業会計においては、老朽化した給配水施設・水道管の更新や耐震化を計画的に進める必要があることが課題となっている。また、病院事業会計においては、コロナの病床確保による補助金等により収益的収支が約9.8億円の黒字であるものの、過去に発行した地方債の償還負担が大きいこと、また、病院開設から20年以上経過しているため、医療機器や施設の老朽化が進んでいることが課題となっている。
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実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)
分析欄平成初頭の集中的な大規模建設投資の財源として発行した地方債に係る元利償還金が大きな割合を占めているが、平成26年度以降、徐々に償還が終了していることから減少傾向にある。また、組合等が起こした地方債の元利償還金に対する負担金等においても、岸和田市貝塚市清掃施設組合の新設移転の財源として発行した地方債の償還が順次終了していることから減少傾向にある。今後も、地方債の新規発行を抑制し、実質公債費比率の改善を図っていく。
分析欄:減債基金該当なし
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将来負担比率(分子)の構造(2020年度)
分析欄平成初頭の集中的な大規模建設投資の財源として発行した地方債の残高が将来負担比率を押し上げていたが、近年においては、事業の選択と集中により地方債の新規発行を抑制していることにより、ストックベースでは着実に改善している。また、「行財政再建プラン【2021年3月版】」において民間委託化等による人員体制の見直しを掲げており、本プランを着実に実施することで、引き続き、将来負担比率の改善を図っていく。
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基金残高に係る経年分析(2020年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)令和2年度末の基金残高は、約79.3億円であり、前年度と比べ約10.8億円の増加となっている。これは主に、岸和田市ふるさと応援基金が約9億円増加したこと及び剰余金編入により、財政調整基金が約1.5億円増加したことによるものである。(今後の方針)健全で規律ある財政運営を行うことにより、継続して適切に市民サービスを提供していくため、令和2年4月1日に「岸和田市健全な財政運営に関する条例」を施行した。同条例の規定に基づき、財政調整基金を留保し、積立に努めていく。また、今後予定されている大規模事業、公共施設の老朽化対策などの資金需要に備え、残高の確保に努めていく。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)令和2年度末の基金残高は、約29億円で、前年度と比べ約1.5億円の増加となっている。これは、決算で取崩しをせず、剰余金から1.5億円を編入したことによるものである。(今後の方針)急激な収支悪化で基金の枯渇が見込まれたことにより、平成30年度から行財政再建プランの取組みを進めてきた。その効果により、令和2年度には、残高約29億円を確保し、令和3年10月策定の「令和3年度岸和田市財政計画」では、令和7年度までは、残高が増加する見込みとなっている。しかし、令和8年度以降は、収支悪化による残高減少が見込まれている。令和2年4月1日に施行した「岸和田市健全な財政運営に関する条例」には、財政調整基金について、市税収入の急激な減少、災害復旧その他臨時的な歳入の減少又は歳出の増加に対応するため、財政調整基金を留保するとし、積立について努める旨を規定している。今後も条例の趣旨に基づき、残高確保に努めていく。
減債基金
減債基金
(増減理由)令和2年度末の基金残高は、0.4億円であり、前年度末と比べ、運用利息分のみの増加である。平成28年度に取崩しを行い、令和2年度まで利息分のみの増加となっている。(今後の方針)令和3年度は、一般財源から約6.8億円の積立を行う予定である。「岸和田市健全な財政運営に関する条例」、同規則において、財政調整基金等残高比率(財政調整基金残高+減債基金残高)を財政指標の一つとし、抵触基準を設け、また、岸和田市財政計画において、目標値を定めている。市債の償還に必要な財源を確保し、将来にわたる財政の健全な運営に資するため、目標値の達成・維持に努めていく。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・岸和田市ふるさと応援基金:募ったふるさと寄附金を積立、寄附者の希望する各種まちづくり事業に充てるため。・岸和田市庁舎建設基金:新庁舎の整備資金に充てるため。・公共公益施設整備基金:公共公益施設の整備資金に充てるため。・公園墓地整備事業基金:公園墓地整備事業の資金に充てるため。・岸和田市地域福祉基金:高齢者等の保健福祉の増進を図るため。(増減理由)令和2年度末の基金残高は、49.9億円であり、前年度と比べ約9.3億円の増加となっている。これは主に、岸和田市ふるさと応援基金が約9億円増加したことによるものである。(今後の方針)今後、事業化が見込まれている庁舎建設、幼保再編、小中学校適正配置等に備え、積立に努めていく。令和3年度見込み・岸和田市産業振興基金:約3億円を積立・岸和田市庁舎建設基金:約8.5億円を積立・教育基金:約3億円を積立
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
当市では、平成27年度に策定した公共施設等総合管理計画において、公共施設(建築物系)の延べ床面積を30%削減するという目標を掲げ、公共施設の再編検討及び適正保全を進めている。有形固定資産減価償却率については、上昇傾向にあり、類似団体内平均値より高い水準である。今後も、前述の計画に基づく取り組みを進めることにより、有形固定資産減価償却率の改善を図っていく。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
平成初頭の集中的な大規模建設投資に係る既発債は、徐々に償還が終了し、令和2年度には、平成12年度及び平成17年度に実施された市内道路事業に係る既発債の償還が終了するなど、将来負担額は減少傾向にあるものの、地方債負担は依然として大きいことから、債務償還比率は類似団体内平均値と比べると高くなっている。公債費については、元利償還のピークは過ぎたが今後も、新発債の発行抑制を続け、債務償還比率の改善を図っていく。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
地方債の新規発行を抑制してきた結果、将来負担比率が低下している。一方で、有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値よりも高く、上昇傾向にあるが、主な要因としては、認定こども園・幼稚園・保育所の有形固定資産減価償却率が77.6%であること、橋りょう・トンネルの有形固定資産減価償却率が76.0%であることなどが挙げられる。公共施設等総合管理計画に基づき、今後、公共施設等の適切な整備と維持管理に取り組んでいく。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
実質公債費比率は類似団体内平均値と比較して高いものの、将来負担比率は低くなっている。これは、地方債の新規発行を抑制してきたためである。将来負担比率が低下傾向にあるため、実質公債費比率についても、今後は低下してくるものと想定される。
施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)
施設情報の分析欄
有形固定資産減価償却率が類似団体内平均値を大きく上回っている施設は、認定こども園・幼稚園・保育所、橋りょう・トンネルであり、特に、認定こども園・幼稚園・保育所に分類される施設について、幼稚園・保育所では多くの施設が築30年以上経過しており、これにより有形固定資産減価償却率が類似団体内平均値より高い水準となっている。今後は、施設の整理統合や複合化による施設規模の適正化も含めて検討を行っていく。ほとんどの類型において、有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値を上回っているものの、公営住宅については、類似団体内平均値を下回っている。これは、市営山下住宅の建替えにより、有形固定資産額が増加したためである。
施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)
施設情報の分析欄
有形固定資産減価償却率が類似団体内平均値を大きく上回っている施設は、図書館であり、昭和50年3月に建設以来、築40年以上経過していることから、有形固定資産減価償却率は高い数値となっている。今後、適切な維持管理等の判断を早期に行う必要があることから、効果的な管理運営方法と併せて検討を行っていく。一方、一般廃棄物処理施設は、類似団体内平均値を大きく下回っており、主な要因としては、岸和田市貝塚市クリーンセンターの築年数が比較的浅いことなどが挙げられる。
財務書類に関する情報①(2020年度)
1.資産・負債の状況
一般会計等においては、資産総額が前年度末から394百万円の増加(+0.2ポイント)となった。金額の変動の大きいものは基金であり、前年度末から929百万円の増加(+22.8ポイント)となった。負債総額は前年度末から3,867百万円の減少(△4.9ポイント)となった。金額の変動が大きいものとしては、地方債(固定負債)であり、近年においては新規発行額が償還額を下回るように事業を精査していること等から、1,821百万円の減少(△3.2ポイント)となった。水道事業会計、下水道事業会計等を加えた全体では、資産総額は前年度末から1百万円減少(△0.0ポイント)し、負債総額は前年度末から7,435百万円減少(△3.7ポイント)した。資産総額は、主に下水道管等のインフラ資産を計上していること等により、一般会計等に比べて154,210百万円多くなるが、負債総額も主に下水道管布設等に係る事業に地方債(固定負債)を充当したこと等から、118,058百万円多くなっている。岸和田市貝塚市清掃施設組合、大阪広域水道企業団等を加えた連結では、資産総額は前年度末から615百万円増加(+0.2ポイント)し、負債総額は前年度末から7,125百万円減少(△3.4ポイント)した。資産総額は、主に大阪広域水道企業団保有のインフラ資産等を計上していること等により、一般会計等に比べて189,729百万円多くなるが、負債総額においても主に大阪広域水道企業団の地方債等が計上されていることから129,740百万円多くなっている。
2.行政コストの状況
一般会計等においては、経常費用は91,180百万円となり、前年度比20,910百万円の増加(+29.8ポイント)となった。そのうち、人件費等の業務費用は29,222百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は61,959百万円であり、移転費用の方が業務費用よりも多い。最も金額が大きいものは社会情勢による社会保障給付の26,502百万円(前年度比△208百万円)であり、純行政コストの30.0%を占めている。次いで金額が大きいものは補助金等の25,971百万円(前年度比+20,153百万円)であり、これは特別定額給付金給付事業の給付金(19,312百万円)が昨年度より皆増したためである。全体では、一般会計等に比べて、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が30,138百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が29,965百万円多くなり、純行政コストは35,464百万円多くなっている。なお、最も金額が大きいものは補助金等の64,814百万円であり、純行政コストの52.3%を占めている。連結では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上し、経常収益が37,420百万円多くなっている一方、補助金等が58,551百万円多くなっているなど、経常費用が93,542百万円多くなり、純行政コストは56,208百万円多くなっている。
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、税収等の財源(91,205百万円)が純行政コスト(88,397百万円)を上回ったことから、本年度差額は2,808百万円(前年度比+1,957百万円)となり、純資産残高は前年度末から4,261百万円の増加となった。しかし、義務的経費の占める割合が多い財政構造は、純行政コストを押し上げる要因となっており、持続可能な行財政基盤を確立することが課題となっている。今後も、市政運営の恒常的な健全化を目指し、更なる取組みの強化を図っていく。全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険料や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等の財源が38,096百万円多く、本年度差額は5,440百万円(前年度比+3,602百万円)となり、純資産残高は前年度末から7,434百万円の増加となった。連結では、大阪府後期高齢者医療広域連合への国県等補助金等が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が59,535百万円多くなっており、本年度差額は6,136百万円(前年度比+4,740百万円)となり、純資産残高は7,740百万円の増加となった。
4.資金収支の状況
一般会計等においては、業務活動収支は4,614百万円であったが、財務活動収支は地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから△3,418百万円となっ投資活動支出は1,783百万円となっており、資産売却収入が489百万円あったものの、投資活動収支は△1,050百万円となり、本年度末資金残高は前年度から146百万円増加し、492百万円となった。全体では、国民健康保険料や介護保険料が税収等収入に含まれること、公営企業会計において使用料及び手数料収入があること等から、業務活動収支は一般会計等より6,560百万円多い11,174百万円となっている。投資活動経費収支は、貸付金支出等の要因により、△4,399百万円となっている。財務活動収支は、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから△6,259百万円となり、本年度資金収支額は前年度から911百万円増加し、516百万円となった。なお、財務活動収支のマイナスは、地方債の新規発行額が償還額を下回るように事業を精査していること等によるものである。
財務書類に関する情報②(2020年度)
1.資産の状況
有形固定資産減価償却率については、築30年以上が経過した施設面積が半分以上を占めていることもあり、類似団体平均値を9.3ポイント上回る結果となった。その影響もあり、住民一人当たり資産額、歳入額対資産比率が類似団体平均値を下回る結果となった。中長期的な視点で計画的に公共施設をマネジメントするため、「岸和田市公共施設等総合管理計画」に基づき、施設の維持管理、再配置を検討することで、公共施設等の適正管理に努めていくことが求められる。
2.資産と負債の比率
純資産比率は類似団体平均値を18.2ポイント下回り、将来世代負担比率は類似団体平均値を4.8ポイント上回る結果となった。これは、老朽化により減価償却が進んだ資産が多いこと、平成初頭の集中的な大規模建設投資に係る既発債は、徐々に償還が終了しているものの、地方債の残高が以前として多いことが理由として挙げられる。計画的保全による長寿命化の推進、施設保有量の適正化等による公共施設のマネジメントを図るとともに、事業精査による地方債の新規発行の抑制により、将来世代の負担の減少を図ることが求められる。
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは類似団体平均値を3.7万円上回っている。これは、純行政コストのうち30.0%を占める社会保障給付が、類似団体と比べて高いことが要因となっていると考えられる。社会情勢の変化に合わせた施策の再構築等を進め、純行政コストの減少を図ることが求められる。
4.負債の状況
住民一人当たり負債額は類似団体平均値を3.4万円上回っているが、基礎的財政収支は類似団体平均値を4,149.4百万円上回る結果となった。住民一人当たり負債額が類似団体平均値を上回った要因として、平成初頭の集中的な大規模建設投資に係る既発債は、徐々に償還が終了しているものの、地方債の残高が以前として多いことが考えられる。基礎的財政収支が類似団体平均値を上回った理由は、投資活動収支が類似団体と比較して上回っていることによるものである。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は類似団体平均値を0.8ポイント下回っている。これは、純行政コストのうち30.0%を占める社会保障給付が要因となっていると考えられる。今後もこの傾向が続くことが見込まれるため、社会情勢の変化に合わせた施策の再構築による経常経費の削減、負担の公平性の観点からの受益者負担の適正化による経常収益の確保に努めることが求められる。
類似団体【施行時特例市】
つくば市
伊勢崎市
太田市
熊谷市
所沢市
春日部市
草加市
平塚市
小田原市
茅ヶ崎市
厚木市
大和市
長岡市
上越市
松本市
沼津市
富士市
一宮市
春日井市
四日市市
岸和田市
茨木市
加古川市
宝塚市
佐賀市