経営の健全性・効率性について
経常収支比率は総収益の低下を上回り費用が抑制された結果、類似団体・全国平均値を上回る112.11%まで上昇した。また累積欠損金が発生していないことから健全な状況であるといえる。経費回収率も100%以上で、類似団体・全国平均値を上回っており、使用料で回収すべき経費を使用料で賄うことができている状況である。流動比率は類似団体平均値を僅かに上回ったが、全国平均と比べると低い状況であり、資金の枯渇を防ぐために他会計からの借入や資本費平準化債などを発行せざるを得ない状況が続いている。水洗化率については、処理区域内人口の増加率と比較すると水洗化人口は微増であり、結果的に前年度から減少している。今後も引き続き普及啓発に努める。※施設利用率については、晴天時一日平均処理水量÷晴天時現在処理能力で求められるが、晴天時一日平均処理水量については、当該事業で発生した汚水の処理水量が計上されており、晴天時現在処理能力については、当該事業が保有する処理場の能力のみ計上している。本市は処理場を保有しているほか、流域下水道へ接続もしているため、上記数値で施設利用率を求めると100%を超えてしまう。
老朽化の状況について
管渠老朽化率については、類似団体平均値や全国平均値より低い数値であり、他団体と比べると老朽化は進んでいない。ただし、本市の下水道事業の普及率は79.68%であるため、コストキャップ型下水道の実施等により引き続き普及拡大に努める。管渠以外のポンプ場や処理場といった施設については老朽化が進んでいるため、施設更新や長寿命化対策を行っていく必要がある。
全体総括
持続可能な下水道事業の運営のため、経営戦略の投資計画に基づき、汚水管路の普及拡大及び雨水浸水対策など合理的な設備投資の実施に努めている。令和4年度においても汚水管渠の普及拡大及び雨水浸水対策に努めるとともに、現在策定済みの経営戦略については、その実行状況及び投資・財政計画と実績との乖離やその原因についての検証を行い、その結果を次期経営戦略へ反映させるものとする。併せて経営の健全化・効率化に向けた取り組みを進めていく。