経営の健全性・効率性について
①.経常収支比率…委託料、修繕費の増加によって対前年度比3.85P減少したものの、依然として平均値よりも1.31P高く100%以上であるため健全性が保てている。③流動比率…未払金の増加などによって対前年度比33.65P減少したものの、平均値より11.75P高いことに加えて200%以上を確保しており、健全性を維持している。④企業債残高対給水収益比率…半年間の基本料金無料化の影響から給水収益が大幅に落ち込んだ影響が大きく、対前年度比34.48P増加となった。しかしながら起債依存度を下げるため計画的に残高を減らしており、平均値より31.40P低く、健全性を確保できている。⑤料金回収率…半年間の基本料金無料化の影響による給水原価の上昇に伴い対前年度比24.03P減少した。平均値との比較でも18.59P低くなっており、健全度が低下した。⑥給水原価…半年間の基本料金無料化の影響により対前年度比25.90円/㎥上昇し、平均値よりも39.95円/㎥円高い状態となり、健全度が低下した。⑦施設利用率…新型コロナウィルスに伴う緊急事態宣言等の影響から配水量が増加したため対前年度比0.51P増加している。しかしながら、平均値よりも4.82P低い状況にあることから見直しを図る必要がある。⑧有収率…半年間の基本料金無料化の影響から対前年度比10.31P減少した。平均値と比較しても12.02P低くなり、健全度が悪化した。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率…対前年度比0.45P上昇し、固定資産の老朽化が進んでいる。平均値よりも2.26P高いことから類似団体と比較しても固定資産の老朽化が進んでいる。現在の整備計画を滞りなく推進し、施設更新を進める必要がある。②管路経年化率…対前年度比0.64P上昇した31.35%となっており、管路の約3割が法定耐用年数を超過している。現在の整備計画を滞りなく推進し、管路更新を進める必要がある。③管路更新率…対前年度比0.41P上昇したことにより、平均値よりも0.19P高い状況となった。今後も現在の整備計画を滞りなく推進し、管路更新を進める必要がある。(※管路の法定耐用年数:40年)
全体総括
「1.経営の健全性・効率性」においては、⑦施設利用率の指標が前年度よりも改善した。また、①経常収支比率、③流動比率、④企業債残高対給水収益比率について、指標は悪化したものの平均値を上回っており健全性は保たれている。一方で⑤料金回収率、⑥給水原価については平均値と比較して改善が必要な項目である。これらについては半年間の基本料金無料化による影響が大きいものの、経営の効率化を図ることが課題である。また、水道事業の全国的な課題である「施設の経年化」については「2.老朽化の状況」にあるように、経年化が進行している状況である。③管路更新率については前年度より改善されたため、平均値を上回った。しかし②管路経年化率は依然として高いため、現在の整備計画を推進し管路更新を進めることが必要である。