経営の健全性・効率性について
①.経常収支比率…委託料、修繕費の増加によって対前年度比4.72P減少したものの、平均値よりも4.18P高く100%以上であるため健全性が保てている。③流動比率…未払金の減少などによって対前年度比18.46P上昇し、平均値より34.82P高いことに加えて200%以上を確保しており、健全性を維持している。④企業債残高対給水収益比率…起債依存度を下げるため計画的に残高を減らしている。対前年度比7.09P減少し、平均値より60.51P低くなっており、健全性を確保できている。⑤料金回収率…給水原価の上昇に伴い対前年度比3.36P減少したものの、平均値よりも3.09P高くなっており、健全な状態である。⑥給水原価…企業債利息は減少したものの、減価償却費や委託料の増加により対前年度比5.20円/㎥上昇し、平均値よりも10.57円/㎥円高い状態であり、コスト削減など一層の経営の効率化を図ることが課題である。⑦施設利用率…水需要の低下に伴って対前年度比0.92P減少している。また、平均値よりも4.08P低い状況にあることから見直しを図る必要がある。⑧有収率…対前年度比0.05Pとほぼ横ばいであるが、平均値と比較して1.55P低い数値であるため、より一層の経営の効率化が必要である。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率…対前年度比0.60P上昇し、固定資産の老朽化が進んでいる。平均値よりも2.30P高いことから類似団体と比較しても固定資産の老朽化が進んでいる。現在の整備計画を滞りなく推進し、施設更新を進める必要がある。②管路経年化率…対前年度比1.43P上昇した30.71%となっており、管路の約3割が法定耐用年数を超過している。現在の整備計画を滞りなく推進し、管路更新を進める必要がある。③管路更新率…対前年度比0.10P低下しており、平均値よりも0.16P低い状況である。現在の整備計画を滞りなく推進し、管路更新を進める必要がある。(※管路の法定耐用年数:40年)
全体総括
「1.経営の健全性・効率性」においては、③流動比率、④企業債残高対給水収益比率について前年度よりも改善し、平均値を上回っている状況にある。また、①経常収支比率について、指標は悪化したものの平均値を上回っており健全性は保たれている。一方で⑥給水原価、⑦施設利用率、⑧有収率については、平均値と比較して改善が必要な項目である。全体的に水需要の低下傾向を考慮し、コスト削減等による経営の効率化を図ることが課題である。また、水道事業の全国的な課題である「施設の経年化」については「2.老朽化の状況」にあるように、経年化が進行している状況である。管路経年化率の高さや管路更新率の低さを踏まえ、現在の整備計画を推進し管路更新を進めることが必要である。