経営の健全性・効率性について
①経常収支比率…給水収益及び工事負担金収入の増加、工事請負費及び委託料の削減などにより対前年度比0.93P増加し、平均値より7.05P高く、より健全化を図れた。③流動比率…未払金の減少などにより対前年度比10.02P上昇。平均値より28.82P低い状況であるものの、200%以上を確保しており、健全性は図れている。④企業債残高対給水収益比率…起債依存度を下げるため計画的に残高を減らしている。平均値より54.24P低くなっており、より健全化を図れた。⑤料金回収率…大口径の給水収益の増加や企業債利息や人件費の減少などにより対前年度比0.41P上昇し、平均値を6.39P上回っており健全な状態である。⑥給水原価…人件費や企業債利息が減少したものの受水費や減価償却費の増加などにより対前年度比0.01円減少とほぼ横ばい状況であり、平均値より6.83円/㎥高い状況である。より一層の経営の効率化が必要である。⑦施設利用率…水需要の減少に伴い年々低下してるなか0.88P上昇したものの、平均値を3.49P下回っている。直ちに改善はできないが、更新時に適正規模になるよう見直しを図る必要がある。⑧有収率…対前年度比0.82P減少し、平均値より1.35P低い数値となっている。有収率の向上のために、より一層の経年管の更新を進めるとともにより一層の漏水個所の早期発見・早期修繕に努める必要がある。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率…対前年度比0.46P上昇し固定資産の老朽化が進んでいる。平均値より高い数値は類似団体と比べ施設の老朽化が進んでいることを示しており、次期整備計画において、より一層のスピードアップを図るべく位置づけ、施設更新に取り組んでいく必要がある。②管路経年化率…管路の約3割弱が法定耐用年数を超えている状況で、平均値より格段に高い数値を示しており、次期整備計画においても、より一層のスピードアップを図るべく位置づけ、管路更新を進めていく必要がある。③管路更新率…管路の更新ペースは平均値より0.07P低い状態にあり、次期整備計画においても、より一層のスピードアップを図るべく位置づけ、管路更新を進めていく必要がある。(※管路の法定耐用年数:40年)
全体総括
「1.経営の健全性・効率性」においては、給水収益の増加等から、①経常収支比率、④企業債残高対給水収益比率及び⑤料金回収率が前年度よりも改善し平均値を上回っている状況にある。一方③流動比率、⑥給水原価、⑦施設利用率など前年に対し改善が見られるものの平均値に至っておらずより一層の改善が必要な項目もある。水需要が節水機器の普及や意識によって減少傾向のなか大幅な収益の増加は望めないことから、より一層のコスト縮減を図り健全経営に努めていく。また、水道事業の全国的な課題である「施設の経年化」は、「2.老朽化の状況」で確認できるように、経年化が進行している状況である。管路経年化率が高いことや管路更新率が低いことを受けて、更新期を迎えた管路更新を計画的に行うとともに、より一層のスピードアップが図れる手法の検討が必要である。