経営の健全性・効率性について
①経常収支比率…給水収益、工事負担金収入の増加、受水費の削減などにより対前年度比0.46P増加し、平均値より5.64P高く、より健全化を図れた。③流動比率…未払金の増などにより対前年度比21.72P減少し、平均値より33.87P低い状況であるものの、200%以上を確保している。平成26年度から急激に率が減少しているのは法改正によるものである。④企業債残高対給水収益比率…起債依存度を下げるため計画的に残高を減らしている。平均値より50.38P低くなっており、より健全化を図れた。⑤料金回収率…人件費の増加などにより対前年度比0.44P減少したものの、平均値を5.41P上回っており健全な状態である。⑥給水原価…人件費の増加などにより対前年度比1.00円増加となり、平均値より8.15円/㎥高い状況である。より一層の経営の効率化が必要である。⑦施設利用率…水需要の減少に伴い年々低下し、平均値を4.01P下回っている。直ちに改善はできないが、更新時に適正規模になるよう見直しを図る。⑧有収率…対前年度比0.92P増加したものの平均値より0.65P低い数値となっている。有収率の向上のために、経年管の更新を進めるとともに、より一層の漏水個所の早期発見・早期修繕に努める必要がある。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率…平均値より高い数値は類似団体と比べ施設の老朽化が進んでいることを示しており、次期整備計画(10か年計画)においても、より一層のスピードアップを図るべく位置づけ、施設更新に取り組んでいく。②管路経年化率…管路の約1/4が法定耐用年数を超えている状況で、平均値より高い数値を示しており、次期整備計画においても、より一層のスピードアップを図るべく位置づけ、管路更新を進めていく。③管路更新率…管路の更新ペースは平均値より0.20P低い状態にあり、次期整備計画においても、より一層のスピードアップを図るべく位置づけ、管路更新を進めていく。(※管路の法定耐用年数:40年)
全体総括
「1.経営の健全性・効率性」においては、給水収益の増加等から、①経常収支比率、④企業債残高対給水収益比率及び⑧有収率が前年度よりも改善した。しかしながら③流動比率、⑥給水原価、⑦施設利用率など平均値に至っておらず改善が必要な項目もある。水需要が節水機器の普及や意識によって減少傾向の中、より一層のコスト縮減に努めていく。また、水道事業の全国的な課題である「施設の経年化」は、「2.老朽化の状況」で確認できるように、毎年度進行している状況である。管路経年化率が高いことを受けて、更新期を迎えた管路を計画的に更新し、有収率の向上に努める必要がある。