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平成27年度以降ほぼ横ばいとなっている。平成28年度までは、県税収入が増加していたことから、分子となる基準財政収入額は増加傾向となっていたが、分母となる基準財政需要額も増加していた。平成29年度は、県費負担教職員の給与負担が名古屋市に移譲されたことに伴い、基準財政収入額、基準財政需要額がともに減少した。平成30年度は、交付税算定上の県税収入が大幅に減少したことにより、基準財政収入額が減少したため、前年度から0.1ポイント低下した。令和元年度は分子となる基準財政収入額は法人二税により増加したが、分母となる基準財政需要額も増加したため、同水準となった。
比率を算定する上で分子となる経常経費充当一般財源は、県費負担教職員の給与負担が名古屋市に移譲されたことに伴い人件費が減少した平成29年度を除き、増加を続けている。一方、分母となる経常一般財源のうち、県税収入が大きく増加した平成30年度は、経常収支比率が95.7%と前年に比べ3.4ポイント改善した。令和元年度は、扶助費的な補助費等の増などにより分子である経常経費充当一般財源が増加したことに加え、県税収入の減などにより分母である経常一般財源は減少したため、4.1ポイント上昇した。
人口1人当たり人件費・物件費等決算額は、平成28年度までは、人事委員会勧告に伴う職員の給与改定などにより増加していたが、平成29年度は県費負担教職員の給与負担が名古屋市に移譲されたことに伴う職員給の減などにより減少した。平成30年度以降は、物件費がCSF(豚熱)対策経費の増などにより再び増加している。人件費については、今後も行革大綱に基づき、効率的かつ効果的な人員配置に取り組んでいく。
職員の給与水準は県内民間給与との均衡を図ることを基本としており、本県においては県内の民間給与水準が高い傾向にあるため、都道府県平均よりも高い数値で推移する傾向にある。令和2年度(令和01欄)は、人事委員会勧告に基づき、県内地域手当の支給割合を2%引下げ、引下げ分に応じて給料を引き上げた(給料と地域手当の入れ替えを実施した)ため、給料のみで国と比較するラスパイレス指数は、1.8ポイント上昇した。高齢層職員の昇給抑制措置の開始等により今後は低下していくものと考えられるが、今後も行革大綱に基づき、引き続き給与の適正化に取り組んでいく。
人口10万人当たり職員数は、職員数の大半を占める教育及び警察部門について国の法令等により配置基準が定められており、ほぼ一定水準で推移してきたが、平成29年度(平成28年度欄)においては、県費負担教職員に関する権限が指定都市に移譲されたことに伴い、職員数が大幅に減少し、それ以降は同水準で推移している。今後も行革大綱に基づき、引き続き効率的かつ効果的な人員配置に取り組んでいく。
実質公債費比率は、平成30年度決算と同じ比率となった。これは、令和元年度単年度の比率(13.4%)が、前年度の算定で用いた平成28年度単年度の比率(13.5%)と比較して0.1ポイントの低下にとどまったことにより、3か年平均(平成29~令和元年度)としては同じ比率となったためである。なお、令和元年度の単年度の比率は、平成30年度単年度の比率(13.9%)との比較では0.5ポイント低下したが、これは、交付税算定上の税収の増加に伴う標準財政規模の増加により、分母が増加したことに加え、公債費に準ずる債務負担行為等の減少などにより、分子となる元利償還金等が減少したためである。実質公債費比率については、引き続き健全な水準の維持に努めていく。
将来負担比率は、平成30年度決算と比較して、2.8ポイント低下した。これは、将来負担額から控除される交付税算入見込額の減少などにより、分子が増加した一方、交付税算定上の税収の増加に伴う標準財政規模の増加などにより、分母が分子の増加幅を上回り増加したためである。将来負担比率については、引き続き健全な水準の維持に努めていく。
平成28年度は、人事委員会勧告に伴う給与改定による分子の増加により0.1ポイント上昇した。平成29年度は、県費負担教職員の給与負担の名古屋市移譲に伴う職員給の減などにより3.8ポイント改善した。平成30年度は、人事委員会勧告に伴う給与改定により分子が増加したものの、県税収入の増に伴い分母も増加したことから1.2ポイント改善した。令和元年度は県税収入の減などにより分母が減少したことにより1.3ポイント上昇した。人件費については、今後も行革大綱に基づき、効率的かつ効果的な人員配置に取り組んでいく。
平成27年度以降、概ね横ばいで推移している。平成29年度は、県営住宅管理委託費の増などにより前年度から0.1ポイント上昇し、平成30年度も同水準となっている。令和元年度はCSF(豚熱)対策経費の増などにより分子が増えたことに加え、県税収入の減などにより分母が減少したことにより、前年度から0.2ポイント上昇した。
比率を算定する上で分子となる扶助費は、高齢化の進展等に伴い増加傾向にある。平成28年度は、指定難病医療給付費の増などにより0.1ポイント上昇し、平成29年度は、指定難病医療給付費、精神通院患者医療給付費負担金の増などにより0.2ポイント上昇した。平成30年度は、名古屋市への権限移譲による指定難病医療給付費の減などにより0.2ポイント改善した。令和元年度は、児童扶養手当支給費の増などにより分子が増加したことに加え、県税収入の減などにより分母が減少したことにより0.2ポイント上昇した。
本県は、類似団体と比較して道路面積が大きいなどの要因により、維持補修費が高い傾向にあるため、その他の比率が高くなっている。平成30年度は、都道府県が国民健康保険の財政運営の責任主体となることに伴い、国民健康保険事業特別会計繰出金が皆増となることにより、前年度から2.7ポイント上昇した。令和元年度は県立病院事業会計貸付金の皆減により前年度から0.1ポイント改善した。
比率を算定する上で分子となる補助費等は、高齢化の進展に伴う後期高齢者医療事業費や介護給付費負担金といった義務的な経費の増などにより増加している。平成30年度は、上記の義務的な経費は引き続き増加したが、都道府県が国民健康保険の財政運営の責任主体となることに伴い国民健康保険財政調整交付金等が皆減となることにより、前年度から3.8ポイント改善した。令和元年度は、分子が幼児教育の無償化に伴い施設型教育・保育給付費が増えたことなどに加え、県税収入の減などにより分母が減少したことによって、前年度から2.1ポイント上昇した。
比率を算定する上で分子となる公債費は、近年における臨時財政対策債などの特例的な県債の大量発行の影響により、高止まりとなっている。平成28年度及び平成29年度は、満期一括償還県債に係る減債基金への積立て等による分子の増加により、それぞれ0.2ポイント、1.2ポイント上昇した。平成30年度は、引き続き分子が増加したものの、県税収入の増に伴い分母も増加したことにより0.9ポイント改善した。令和元年度は、利子の減により分子が減少したものの、県税収入の減などにより分母も減少したことから0.4ポイント上昇した。
平成30年度は、扶助費的な補助費等の増などにより分子が増加したものの、県税収入の増などにより分母の増加が分子の増加を上回ったため、2.5ポイント改善した。令和元年度は、引き続き扶助費的な補助費等の増などにより分子が増加したことに加え、県税収入の減などにより分母が減少したことによって3.7ポイント上昇した。扶助費や扶助費的な補助費等といった義務的な経費は縮減が容易ではないが、その他の経費については、今後も事務事業の見直しに取り組み、健全で持続可能な財政基盤の確立に努める。
(増減理由)平成30年度は地方交付税の後年度清算に備えて財政調整基金に400億円積み立てたが、令和元年度の財源対策として財政調整基金を149億円取り崩したことなどにより、全体として減となった。(今後の方針)財源調整に活用可能な財政調整基金及び減債基金について、その残高の確保に努めていく。
(増減理由)令和元年度の財源対策として財政調整基金を149億円取り崩したことなどによる減。(今後の方針)毎年度の予算編成において多額の基金取崩し※を計上する厳しい状況が継続しており、基金残高の確保に努めていく。※令和3年度当初予算において、477億円の取崩しを計上。
(増減理由)運用益を積み立てたことによる増。(今後の方針)毎年度の予算編成において多額の基金取崩し※を計上する厳しい状況が継続しており、基金残高の確保に努めていく。※令和3年度当初予算において、999億円の取崩しを計上。
(基金の使途)地域医療介護総合確保基金:地域における医療及び介護の総合的な確保に関する事業の推進に必要な財源の確保。文化振興基金:文化の振興に必要な財源の確保。(増減理由)地域医療介護総合確保基金:地域における医療及び介護の総合的な確保に関する事業に充当するため40億円を取り崩した一方で、国の負担金等(負担割合県1/3、国2/3)を52億円を積み立てたことによる増。文化振興基金:あいちトリエンナーレ2019の開催にあたり基金を取り崩したことによる減。(今後の方針)地域医療介護総合確保基金:国予算の状況も踏まえ、毎年度、予算で定める額を積み立て、「医療介護総合確保促進法に基づく県計画」に位置付けた事業に充てるために取り崩す予定。文化振興基金:今日の低金利環境を踏まえ、行革大綱に基づき、基金元本を事業費に直接充当できるよう改正し、令和2年度当初予算から取り崩して活用する。
有形固定資産減価償却率はグループ内平均・都道府県平均より高くなっているが、本県では長寿命化対策が必要な資産8.8兆円のうち、半分近くが築30年以上を経過している(平成25年3月31日現在)。このうち、長寿命化対策による成果が反映されにくい「道路」が県有施設全体の4割超を占め、その有形固定資産減価償却率が76.1%と全体を押し上げる要因となっている。本県では、平成27年3月に策定した「愛知県公共施設等総合管理計画」に基づき、16の施設類型ごとに個々の施設の長寿命化対策を盛り込んだ個別施設計画を作成し、施設の安全・安心の確保を最優先に適切な維持管理を進めている。
算定式の分子となる「将来負担額等」は年々減少しているが、分母となる「公債費元金に充てられる経常一般財源等」は年度により変動している。令和元年度は地方税の減などにより、分母の減少幅が分子を上回ったため、債務償還比率は前年度から悪化し、1480.9%となった。また、類似団体との比較では、類似団体の平均をやや上回る結果となった。
将来負担比率は、令和元年度においては、将来負担額から控除される交付税算入見込額の減少などにより、分子が増加した一方、交付税算定上の税収の増加に伴う標準財政規模の増加などにより、分母が分子の増加幅を上回り増加したため、前年度よりも低下し、平成30年度に引き続き、類似団体平均よりも低い水準となっている。一方で、有形固定資産減価償却率については、長寿命化対策による成果が反映されにくい「道路」が県有施設全体の4割超を占め、その有形固定資産減価償却率が76.1%と全体を押し上げる要因となっている。本県としては、引き続き、「あいち行革プラン2020」に基づき、通常の県債の実質的な残高の維持・抑制に取り組み、将来負担を抑制するとともに、「愛知県公共施設等総合管理計画」に基づき、施設の適切な維持管理を進め、老朽化対策に取り組んでいく。
将来負担比率は、令和元年度においては、交付税算定上の税収の増加に伴う標準財政規模の増加などにより、前年度よりも低下したが、近年の推移を見ると、土地改良事業の償還の進捗などによる債務負担行為に基づく支出予定額の減少や退職手当の支給予定額の減少などによる将来負担額の減少、減債基金をはじめとする地方債の償還等に充てることができる基金残高の増加などに伴い、低下傾向にある。実質公債費比率については、公債費が高止まりの傾向にあり、近年は横ばいとなっている。実質公債費比率は類似団体平均よりも高い水準にある一方で、将来負担比率については、平成28年度以降、類似団体よりも低い水準となっている。引き続き、「あいち行革プラン2020」に基づき、通常の県債の実質的な残高を維持・抑制するとともに、基金残高の確保に努め、公債費負担に備える。
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