収益等の状況について
一般会計繰入金により収益的収支比率は100%となっているが、繰入金への依存度を示す他会計補助金比率は、9月にレジオネラ菌が男性浴場から検出されたことによる減収や、10月台風被害による観光客の落ち込み、新型コロナウイルス感染症の影響により2月以降の利用者大きく減少したことなどにより、期間中最高11.0%となり平均値より大きく上回っている。定員稼働率は類似施設との比較では低いが、売上高人件費比率、売上高GOP比率、EBITDA等は類似施設との比較数値は良好となっている。これは、本施設は宿泊以外の日帰り(宴会、食堂、入浴)業務も行っており、その業績によるものと考える。しかし、類似施設と比べ良好な指標もあるが、水準としてはマイナスかつ悪化しており、よりいっそう一般会計からの繰入金に依存している運営である。今後利用者増に向けた取り組みを検討実施し、テイクアウトの充実、郷土食(おやき)の製造、宅配用冷凍食品の開発などにより、新たな利用者が増加するような営業を行い、経営改善に取り組む。
資産等の状況について
当初建築より30年以上が経過し、これまで増築や大規模改修、それ以外にも必要に応じ修繕等を実施してきた。今後、老朽化した施設や設備への投資を適切に行うため、令和2年度に建物の状況調査を実施し、今後の改修、修繕において更新投資が過大になることがないよう対応をしていく。
利用の状況について
新型コロナウイルス感染症の影響などにより定員稼働率は減少した。当施設の利用者は高齢者が多く、利用者の利便性を考慮したサービスを充実させているが、利用団体の会員数の減少や、会そのものの消滅、また、利用回数の減少により利用者が減少している傾向にある。村としては、地域の活性化のためにも誘客や利用者の増加に向けた取り組みを進めており、そのためにも当施設の必要性は大きいものと考える。
全体総括
収益等の状況は、類似施設と比較して良好な指標ではあるが、一般会計からの補助金に依存した経営となっていることを踏まえ、稼働率向上となるような提供サービスの検討を行う必要がある。観光施設(休養宿泊施設)であるため、一定のリニューアルや施設改修は誘客のためにも必要であるので、修繕も含め施設管理を徹底するとともに、計画的な改修、修繕なども計画する。村民が憩いの場、交流の場として利用できる村に唯一の施設であるため、事業の廃止は考えられず、村民福祉に寄与している点からも民間譲渡は近々には考えにくい。新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言下での外出自粛では、村内で食品を調達できる店舗が限られており、当施設の存在意義は大きい。しかし、現状での営業継続は様々な負担を抱えているため、営業を継続していくための引き続き多方面からの研究をする必要がある。