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2013年度
2012年度
2011年度
2010年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2020年度)
財政力
財政力指数の分析欄
令和2年度の財政力指数は0.76で、前年度から0.01ポイント下回り、類似団体平均を0.14ポイント下回っている。令和2年度単年度では、前年度に比べて社会福祉費や高齢者保健福祉費などの増により基準財政需要額が増加した一方で、地方消費税交付金などの増により、基準財政収入額も増加した。しかし、収入額の増加が需要額の増加より大きかったため、財源不足額は縮小し、財政力指数が上昇したものである。今後は、一層の行財政改革等による歳出削減を進めるとともに、市税の徴収強化等による自主財源の確保を図り、財政基盤の強化に努めていく。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
経常収支比率は93.8%となり、前年度対比1.3ポイント改善したものの、類似団体平均については1.8ポイント上回る結果となった。歳入経常一般財源等は、地方消費税交付金の増などにより2.4%の増となった。一方、歳出経常一般財源等は、維持補修費や繰出金等が増となったことにより、対前年度比0.7%増となった。今後も収納対策の強化等による自主財源の確保や事務事業の見直し、行財政改革の取り組みによる経常経費の削減に努める。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
人口1人当たり人件費・物件費等決算額は108,739円となり、前年度対比9,409円の増となったものの、類似団体平均を9,341円下回る結果となった。決算額が前年度対比で増額となった主な要因である物件費については、小・中学校における情報教育の推進に伴い、教材備品購入費が増となったこと、また特別定額給付金の給付に伴い、業務委託料が増となったなったことなどにより、物件費全体が1,637,632千円増となった。全国平均、県平均を下回る状況ではあるが、今後もより一層の物件費の削減に努めていく。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
春日部市職員定員管理計画等の着実な実施、及び給与適正化に努めているところであり、類似団体内平均値に対し0.4ポイント下回っており低い水準となっている。また、平成19年度から年功的な給与上昇を抑制しつつ、人事院勧告に準拠した給与改定を行っているところであり、今後においてもより一層の給与の適正化に努めていく。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
平成30年度から令和4年度までの5年間を計画期間とする「春日部市職員定員管理計画」により、病院部門を除く職員数は1,414人を上限として、その範囲内において職員を配置することとしている。令和2年4月1日現在の職員数は、前年度から14人増の1,931人となっている。なお、本市の人口千人当たりの職員数については、令和2年度は5.60人と前年度より0.09人増加したが、類似団体内平均値を継続して下回っている状況である。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
令和2年度の実質公債費比率は3.1%で、前年度と比較して0.5ポイントの減となり、類似団体平均を0.4ポイント下回っている。実質公債費比率は3か年の平均値のため、平成29年度と令和2年度の数値を比較すると、地方消費税交付金等の増加による標準税収入額等の増加などにより、実質公債費比率の上昇につながった。今後も市債発行の抑制に努め、基準財政需要額に算入のある市債を活用していく。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
令和2年度の将来負担比率は11.2%で、前年度と比較して2.7ポイントの増となり、類似団体平均を6.8ポイント下回っている。充当可能特定歳入の減などにより、将来負担比率の分子となる将来負担額が増加したため、将来負担比率の上昇につながった。今後も後年度に償還額の一定割合が交付税措置される有利な市債を最大限活用するなど、充当可能財源等の確保を図っていく。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)
人件費
人件費の分析欄
人件費に係る経常収支比率は類似団体平均値を3.4ポイント下回っており、前年度との比較においては、0.6ポイント減となった。なお、平成19年度から年功的な給与上昇を抑制したこと、及び春日部市職員定員管理計画等の着実な実施をしているものの、人事院勧告に準拠した給与改定を実施したことにより普通会計人件費全体としては143,359千円増となった。現在、民間でも実施可能な部分については、指定管理者制度の導入などを進めているところであり、今後はコスト削減の効果が現れてくる見込みである。
物件費
物件費の分析欄
令和2年度は予防接種委託事業における予防接種委託料が131,216千円増となったことなどにより、物件費充当経常一般財源等が173,216千円増となったたものの、地方消費税交付金等の経常一般財源収入が前年度比886,616千円増となったため経常収支比率は前年度と同ポイントとなった。また、類似団体平均を上回っている主な要因は、施設の管理運営を指定管理者制度の導入による委託化により人件費等から物件費(委託料)にシフトされていることやごみ処理業務を直営で行っているためであると考えられる。今後もさらなる行財政改革の取り組みによる経常経費の削減に努める。
扶助費
扶助費の分析欄
扶助費に係る経常収支比率は、前年度に比べ0.7ポイントの減となり、類似団体平均を0.5ポイント上回った。令和2年度はこども医療費支給事業における扶助費が148,668千円減となったことなどにより、扶助費充当経常一般財源等が191,150千円減となったため、経常収支比率は前年度から0.7ポイントの減となった。引き続き、単独扶助事業の見直しや受給資格審査の適正化を図り、扶助費の抑制に努める。
その他
その他の分析欄
前年度から0.9ポイントの増となり、類似団体平均を2.2ポイント上回った。令和2年度は介護保険特別会計繰出金の増などにより、繰出金充当経常一般財源等が277,245千円増となったため、経常収支比率は前年度から0.9ポイント増となった。
補助費等
補助費等の分析欄
補助費等に係る経常収支比率は、前年度と比較して0.3ポイントの減となり、類似団体平均を4.0ポイント下回った。令和2年度は埼葛斎場組合負担金が29,412千円減となったことなどにより、補助費等充当経常一般財源等が88,322千円減となったため、経常収支比率は前年度から0.3ポイントの減となった。経常的な補助金については今後も定期的な補助制度の見直しや廃止を行い、補助目的の明確化を図っていく。
公債費
公債費の分析欄
公債費に係る経常収支比率は、前年度に比べ0.6ポイントの減となり、類似団体平均を2.3ポイント上回った。令和2年度は償還元金が56,944千円減、償還利子が69,990千円減となったことにより、公債費充当経常一般財源が126,934千円減となったため、経常収支比率は前年度から0.6ポイントの減となった。今後は、市債の新規発行を伴う普通建設事業費の抑制や平準化などにより、後年度負担の軽減に努める。
公債費以外
公債費以外の分析欄
前年度から0.7ポイントの減となり、類似団体平均を0.5ポイント下回っている。令和2年度においては、扶助費充当経常一般財源等の減などに伴い、経常収支比率が減となったものと考えられる。今後も高齢化の進展により社会保障関連経費の上昇傾向が続くと見込まれることから、単独扶助事業の見直しや受給資格審査の適正化を図るなど扶助費の抑制に努めるほか、市税の収納対策の強化等による自主財源の確保や事務事業の見直し、行財政改革の取り組みによる経常経費の削減に努める。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)
目的別歳出の分析欄
・総務費は、住民一人当たり132,612円となっている。令和2年度においては特別定額給付金給付事業の皆増、本庁舎整備事業の増などを要因に、総務費全体では前年度決算との比較で374.4%の増となっている。・民生費は、住民一人当たり145,134円となっている。令和2年度においては複合型子育て支援施設整備事業の増などを要因に、民生費全体では前年度決算との比較で5.8%の増となっている。今後も扶助費をはじめとした費用は上昇傾向が続くと見込まれることから、単独扶助事業の見直しや受給資格審査の適正化を図り、歳出の抑制に努める。・商工費は、住民一人当たり6,388円となっている。令和2年度においては新型コロナウイルス感染症の影響により行ったビジネスサポート応援給付金支給事業の皆増などを要因に、商工費全体では前年度決算との比較で111.2%の増となっている。・教育費は、住民一人当たり39,104円となっている。令和2年度においては小・中学校情報教育推進事業の増などにより、教育費全体では前年度決算との比較で31.1%の増となっている。今後においては施設老朽化による事業費の増加が見込まれるため、事業の取捨選択を徹底していくことで、事業費の減少を目指すこととしている。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)
性質別歳出の分析欄
・歳出決算総額は、住民一人当たり431,499円となっている。主な構成項目である人件費は、類似団体と比較して一人当たりコストが低い状況となっている。これは、年功的な給与上昇を抑制したこと及び春日部市職員定員管理計画等の着実な実施等によるものであるが、今後も指定管理者制度の導入などにより、コスト削減を図ることとしている。・物件費は住民一人当たり57,812円となっており、類似団体と比較して一人当たりコストが高い状況となっている。これは、小・中学校情報教育推進事業において、学校のICT環境の充実のため、校内通信ネットワーク環境を整備したことによるものである。今後も引き続き行財政改革の取り組みによる経常経費の削減に努める。・補助費等は住民一人当たり131,348円となっており、前年度と比較して107,551円の増となっている。これは、特別定額給付金給付事業23,356,800千円の皆増によるものであり、令和3年度においては減少が見込まれる。
実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)
分析欄財政調整基金残高は財源の確保と歳出の精査により取り崩しを回避するとともに、年度末の歳出見込みに基づく不用額の積み立てを行ったことから、標準財政規模比で0.49ポイント増加した。実質収支額は、新型コロナウイルス感染症への対応などにより歳入、歳出とも増となったが、新築家屋の増に伴う市税の増や地方消費税交付金の増などにより標準財政規模比で0.94ポイント増、また、実質単年度収支も、標準財政規模比で3.81ポイント上昇した。今後も、中長期的な展望を踏まえ、適正かつ健全な財政運営に努めていく。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)
分析欄平成20年度以降、各会計とも黒字で推移している。しかしながら、景気はまだ回復の途上にあり、少子高齢化の進行による市税収入の減少や、社会保障関連経費の増大が懸念されるなど、地方財政を取り巻く環境は、依然として楽観を許さない状況が続いている。また、病院事業会計においては、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、外来診療や入院数が減少しており、今後の動向から目が離せない状況が続いている。一方、市独自の事情として、本庁舎整備事業や連続立体交差推進事業など大規模事業が進行中である。したがって、今後も連結実質赤字比率の推移に注視しながら、長中期的な展望を踏まえた健全な財政運営に努める必要がある。
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実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)
分析欄元利償還金等は、市が購入した土地開発公社の物件購入額の減による債務負担行為に基づく支出額の減により、公営企業債の元利償還金に対する繰入金が増となるものの、全体として減少となった。算入公債費等は、臨時財政対策債の発行増により増加となった。元利償還金等が算入公債費等に比して減少したことにより、実質公債費の分子は、減少する結果となった。今後は、大規模事業による元利償還金の増などにより、増加することが予想される。
分析欄:減債基金該当する積立は、ない。
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将来負担比率(分子)の構造(2020年度)
分析欄将来負担額は、退職手当負担見込額が減となったため、全体としては減少した。充当可能財源等は、充当可能基金が増となったが、充当可能特定歳入及び基準財政需要額算入見込額が減となり、全体としては減少となった。将来負担比率の分子は、将来負担額が減少したが、それ以上に充当可能財源等が減少となったことにより、増加する結果となった。今後は、大規模事業による地方債残高の増加、基金の取崩しなどにより、増加することが予想される。
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基金残高に係る経年分析(2020年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)令和元年度末基金残高と比較して、歳入における市税、地方消費税交付金の増及び歳出における適切な財源の確保と歳出の精査により、財政調積基金が増となったものの、繰上償還の元金に充てるため減債基金を取崩ししたこと、また各種事業の実施に伴い、地域振興基金を取崩ししたことより、基金残高は減となった。(今後の方針)今後については、本庁舎移転建替えをはじめとした大規模事業や、公共施設マネジメント基本計画に基づく各種事業などが控えているため、公共用地及び施設取得又は施設整備基金は、減少傾向となる見込みである。しかし、世界的に大きな影響をもたらしている新型コロナウイルス感染症への対応など、不時の支出に対する備えとしても、特に財政調整基金については、一定規模(標準財政規模の5~10%程度)を維持する必要があると考える。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)令和元年度末基金残高と比較して、歳入においては、市税が固定資産税の増などにより250百万円の増、また地方消費税交付金が856百万円の増となり、また、歳出においては、適切な財源の確保と歳出の精査を行った。その結果、取崩しを回避し、積立を行うことができたため、基金残高は増となった。(今後の方針)今後については、行政ニーズを的確にとらえた各種事業の推進、本庁舎移転建替えをはじめとした大規模事業や、公共施設マネジメント基本計画に基づく各種事業が控えていること、また、世界的に大きな影響をもたらしている新型コロナウイルス感染症象への対応など、不時の支出に対する備えとしても一定規模(標準財政規模の5~10%程度)を維持する必要があると考えるが、減少傾向となる見込みである。
減債基金
減債基金
(増減理由)繰上償還の元金に充てるため、105百万円を取り崩した。(今後の方針)現在、借入金等の返済は無いことから取崩しは行っていないが、今後控えている本庁舎移転建替えをはじめとする大規模事業などに伴う地方債の償還に対し、必要に応じ積立てや取崩しを行う。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・公共用地及び施設取得又は施設整備基金:公共用地及び施設の取得又は施設の整備費用に充てるため。・地域振興基金:市民の連帯の強化及び地域振興を目的とする事業の財源に充てるため。・ふるさとかすかべ応援寄附金:本市を応援するために寄せられた寄附金を活用し、寄附者の意向を反映した施策の展開に要する経費の財源に充てるため。(増減理由)・公共用地及び施設取得又は施設整備基金:今年度は20百万円を積み立てたものの、本庁舎移転建替えをはじめとする各種大規模事業の実施に伴い81百万円を取り崩したことにより、基金残高は減となった。・地域振興基金:基金運用による運用益が見込みより増となったものの、地域の活性化に資する各種事業の実施に伴い235百万円を取り崩したため、基金残高は222百万円の減となった。・ふるさとかすかべ応援寄附金:令和元年度に積み立てた21百万円について、寄附者の意向を反映した事業への充当により取り崩したが、今年度の寄附金額36百万円を積み立てたことにより、基金残高は増となった。(今後の方針)・公共用地及び施設取得又は施設整備基金:本庁舎移転建替えや連続立体交差事業などの大規模事業に対して十分といえる状況ではないため、これらに備え、今後においても可能な限り、基金の積立に努めていく。・地域振興基金:今年度は各種事業の実施に伴い235百万円を取り崩したが、今後も各事業推進のため、毎年200百万円から300百万円の減額が見込まれる。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
有形固定資産減価償却率は平成28年度及び平成29年度では、類似団体内平均とほぼ同様の推移となっていたが、平成30年度は、0.3ポイント低下し、令和元年度以降は緩やかに上昇している。上昇の要因としては、以前から保有する資産の減価償却が進行したものである。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
平成28年度は857.1%であったのに対し、令和2年度は715.2%となり、低下傾向にある。春日部市において債務償還比率が県内類似団体と比較して高くなっているのは、県内類似団体よりも将来負担額が高いためと考えられる。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
将来負担比率は平成28年度決算時46.8%、平成29年度決算時31.7%、平成30年度決算時17.3%、令和元年度決算時8.5%、令和2年度11.2%となっており、対して有形固定資産減価償却率は平成28年度決算時53.4%、平成29年度決算時55.2%、平成30年度決算時54.9%、令和元年度決算時56.3%、令和2年度57.6%となっている。令和2年度において、将来負担比率が11.2%で2.7%上昇したが、上昇の主な要因が充当可能特定歳入や基準財政需要額算入見込額が約16億円減少したことなどにより、比率の分子となる部分が前年度と比べて約6億円増となったことが要因と考えられる。なお、類似団体内平均と比較して、本市の将来負担比率及び有形固定資産減価償却率は現時点では低く推移しているが、今後も持続可能な公共施設の維持に取り組む。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
将来負担比率の5年間の推移においては28年度に大きな上昇が見られたが、これは春日部市立医療センター開所に係る病院出資債発行の影響によるものであり、開所後の平成29年度では平成26年度以前並となっている。また、平成30年度には市債の繰上償還を行い、令和元年度には下水道事業会計などへの公営企業債等繰入見込額が約25億円減少したことで将来負担額は減少していた。しかし、令和2年度においては前年度に比べ充当可能特定歳入や基準財政需要額算入見込額が約16億円減少したことなどにより、比率の分子が前年度と比べ約6億円増となったことが要因となり、やや上昇している。対して実質公債費比率の5年間の推移は逓減となっているところであるが、これは過去の高利率の市債の償還の終了及び近年の低利率での市債の発行が影響したものとみられる。
施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)
施設情報の分析欄
道路の有形固定資産減価償却率が類似団体内平均値を下回るのは、藤塚米島線整備事業や中央通り線整備事業など合併特例債を財源とした整備を実施したためであるとみられる。橋りょう・トンネルの有形固定資産減価償却率は、令和元年度に内谷陸橋等の補修工事が進んたため一旦低下したものの、令和2年度に大規模な整備等がなく、再び上昇した。公営住宅の有形固定資産減価償却率は上昇しているが、以前から保有する資産の減価償却が進行したものと考えられる。認定こども園・幼稚園・保育所の有形固定資産減価償却率が類似団体内平均値を下回り、前年度と比較し大きく低下したのは、令和2年度に複合型子育て支援施設(パレットやぎさき)が整備されたためである。学校施設の有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値を上回っており、令和2年度も大きな整備を実施しなかったことにより有形固定資産減価償却率が上昇している。児童館については、春日部市の3つの児童館は比較的近年に整備されたものであるため、類似団体内では低い有形固定資産減価償却率を示しているが、一人当たり面積は類似団体内平均値を下回っている状況である。公民館については、有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値を上回っているが、一人当たり面積は類似団体内平均値を上回っている。
施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)
施設情報の分析欄
図書館については、有形固定資産減価償却率より老朽化が進行していることが見てとれ、一人当たり面積においても類似団体内平均値を大きく下回っている。体育館・プールについては、類似団体内においては公共施設マネジメント等による統合・廃止が進んでいるものとみられ、春日部市においても、今後のあり方について検討を要する。福祉施設については有形固定資産減価償却率より類似団体に比べ老朽化が進行しているが、上昇率は類似団体と同程度となっている。市民会館については、有形固定資産減価償却率が類似団体に比べ、老朽化が進行し、令和2年度の整備実施も少なかったことが表れている。一般廃棄物処理施設については、し尿処理施設やごみ処理施設の整備進行により有形固定資産減価償却率が平成30年度に大きく低下したが、令和元年度及び令和2年度については大きな整備が行われなかったため、有形固定資産減価償却率が上昇している。保健センター・保健所においては有形固定資産減価償却率の推移より、令和2年度も整備が少なかったことが見てとれる。消防施設については、各消防署の通信指令装置部分の更新工事が実施されたため、有形固定資産減価償却率が前年度に比較し微減となっている。庁舎においては、有形固定資産減価償却率より類似団体より老朽化が進行していることが見てとれる。
財務書類に関する情報①(2020年度)
1.資産・負債の状況
一般会計等においては、資産総額が前年度末から1,058百万円の減額(-0.3%)となった。既存施設の老朽化による現有固定資産の減価償却が進んでいるものの、新たなインフラ施設の建設等がなかったことによるものと思われる。しかし、今後は新庁舎建設をはじめとする大規模事業により、大幅な増加が見込まれることから、公共施設等総合管理計画等に基づき、施設の更新や長寿命化を進めるなど、公共施設の適正管理に努める。
2.行政コストの状況
一般会計等においては、純経常行政コストは90,956百万円となり、前年度比25,866百万円の増(+39.8%)となった。そのうち、主な内訳として業務費用における物件費等は24,133百万円(前年度比+1.0%)、社会保障給付は17,729百万円(前年度比+1.3%)である。最も金額が大きいのは、補助金等の34,227百万円(前年度比+312.5%)で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う給付金及び補助金等の交付により大幅に増加した。次いで金額が大きいのは、社会保障給付で純行政コストの約5分の1を占めており、今後も高齢化の進展などにより、増加傾向が続くことが見込まれる。
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、税収等と国県等補助金を合わせた財源(91,103百万円)が純行政コスト(91,115百万円)を下回っているものの、本年度差額は、12百万円となり、純資産残高は47百万円の減少にとどまっている。純行政コストは増加傾向にあるが、国庫等補助金が46,121百万円で財源の50.6%を占めている。これは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策に係る事業等に対する交付が大半を占めているが、これらを除いても、財源に対する国県等補助金の割合は約30%程度となっており、積極的に活用している。今後、大規模事業を進めていく際には、国庫補助等のさらなる積極的な活用と行政コストの縮減を検討する必要がある。
4.資金収支の状況
一般会計等においては、業務活動収支は、業務支出として新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う給付金や補助金等の交付により増大したものの、業務収入として前述の事業等に対する国県等補助金も増えたことから、3,357百万円となった。投資活動収支は、主に複合型子育て支援施設の建設等で公共施設等整備費支出の大幅な増があり、収支は▲3,282百万円となった。また、財務活動収支は、地方債償還支出を地方債発行収入が上回り、251百万円となった。今後においても予定されている大規模事業の実施による投資活動支出の増加や起債の償還による財務活動支出の更なる増加が見込まれる。そのため、大規模事業の実施にあたっては、起債の償還スケジュールを踏まえた計画的な事業実施に留意する必要がある。
財務書類に関する情報②(2020年度)
1.資産の状況
住民一人当たり資産額は約130万円であり、合併前に旧市町毎に整備した公共施設があるため、保有する施設数が非合併団体よりも多いものの、類似団体平均約145万円に比べて下回っている。しかし、今後、新庁舎建設をはじめとする大規模事業により大きく増加する見込みである。また、有形固定資産減価償却率をみると、老朽化した施設が多く、類似団体平均よりは低いものの50%を超えている。将来の公共施設等の修繕や更新等に係る財政負担を軽減できるよう、公共施設等総合管理計画等に基づき、施設保有量の適正化に取り組む。
2.資産と負債の比率
税収等に国県等補助金を加えた財源が純行政コストを下回ったことなどから純資産が減少しており、純資産比率は類似団体を下回っている。将来世代負担比率はおよそ横ばい傾向であり、引き続き純行政コストの縮減に努める。
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは、類似団体平均をやや下回っているが、社会保障給付が増加傾向にあり、補助金等と合わせると、純行政コストの約57.0%を占めている。また、令和2年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う各種事業に対するコストが大幅に増加し、類似団体平均と同様の動きとなったものである。今後も高齢化の進展などにより増加傾向が続くことが見込まれるため、経常費用の削減に取り組む。
4.負債の状況
住民一人当たり負債額は類似団体平均と同程度であるが、今後、本庁舎整備や鉄道高架整備等の大規模事業が予定されており、負債額が大きく増加することが予想されるため、地方債残高の適正管理に努める。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は類似団体平均を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は比較的低くなっている。令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う各種事業に対するコストが増大し、またその財源は国庫等補助金等が充てられたため、類似団体平均値と同様に、受益者負担率が例年より大きく低下したものと考えられる。今後も、公共施設等総合管理計画等に基づき、老朽化した施設の集約化、複合化、長寿命化等を行うことで、経常費用の削減に努める。
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