経営の健全性・効率性について
①経常収支比率100%を上回っているが、維持管理費の増加により前年度比△2.27%となっており、更なる収益の向上と費用の削減に努める。②累積欠損金比率0%であり欠損金は発生していない。③流動比率前年度から6.16%改善しており、引き続き、短期的な支払能力を高めるため、内部留保資金を確保する。④企業債残高対事業規模比率計画的な企業債償還により、企業債残高は減少しており、財務状況は比較的健全であるといえる。⑤経費回収率汚水処理費は下水道使用料で概ね賄えているが、不足分は一般会計繰入金で補っており、収益構造の改善が求められる。⑥汚水処理原価前年度比同額であるが、今後は施設の老朽化による更新費用の増加が見込まれるため、更に経営の効率性を高める必要がある。⑦施設利用率流域下水道で処理場を有していないため対象外。⑧水洗化率前年度比+0.03%となっており、今後も戸別訪問等の普及啓発活動を行い、水洗化率向上に努める。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率令和2年度の法適用から経過年数が短く、減価償却累計額が少額であることから、比較は困難である。②管渠老朽化率前年度比1.22%増加しており、昭和41年の整備開始から50年以上経過しているため、今後も更新が必要となる施設・管渠等が年々増加する見込みである。③管渠改善率類似団体平均・全国平均を下回っているが、下水道ストックマネジメント計画に基づき、計画的かつ効率的な施設改築更新等に取り組む。
全体総括
上記の経営指標から、流動比率を除き、事業の経営は比較的健全であると判断される。公費で負担すべき費用を除く汚水処理費が下水道使用料で概ね賄えていることや、企業債償還金の減少、公営企業会計の適用により、更なる経営状況の改善・効率化が期待できる。その一方で、一部施設が耐用年数の到来時期に来ており、今後、施設の老朽化に伴う更新投資の増大や、人口減少に伴う使用料収入の減少が見込まれる。そのため、早期に経営戦略を改定し、より一層の経営基盤の強化や財政マネジメントの向上を図る。