経営の健全性・効率性について
収益的収支比率については、前年度より11.12%増の89.03%へと改善をしている。平成30年1月より料金改定を実施し、今後も料金収入の確保とコスト削減による維持管理費の抑制に取り組みを進めていく。企業債残高対事業規模比率については、前年度より改善されているが、依然として、類似団体平均値に比べ、高い数値となっている。これは、東日本大震災の復興事業に伴う借入によるもので、復興・創生期間の32年度まで高い数値で推移する。経費回収率については、前年度より改善したものの、依然類似団体平均値より低い数値となっており、料金改定による適正な使用料収入の確保とコスト削減による維持管理費の抑制について、継続的に取り組んでいく。汚水処理原価は、前年度より改善したが、依然類似団体平均値に比べ、高い数値となっている。今後もコスト削減による維持管理費の抑制とともに、接続推進による有収水量の確保に取り組んでいく。施設利用率は、処理能力に対する、処理水量の割合を示すものであり、前年度と同様に平均値を下回っており、施設の統廃合と併せ、効率的な施設利用に取り組んでいく。水洗化率は、前年度より1.36%増の82.25%であるものの、100%未満となっていることから、公共用水域の水質保全、生活環境の改善及び使用料収入の確保の観点から、下水道について広く市民に周知を図り、水洗化率の向上に取り組んでいく。
老朽化の状況について
下水道施設の年数の経過とともに、劣化や老朽化が原因で処理機能の低下も考えられる。下水道施設の持続的な機能確保を図るため平成29年度において、ストックマネジメント計画を策定し、今後の適切な維持管理に加えて、長寿命化対策を含めた計画的な改築に取り組んでいく。
全体総括
経営においては、事業運営に必要な経費をその経営に伴う収入(使用料収入)ですべて賄うこととしているが、すべてを賄えていないのが現状である。また、企業債残高も高い状態にある。適正な受益者負担と安定した事業運営を図るため、社会情勢や財政状況の把握による的確な収支見通しを行い、経営戦略に基づいた、計画的な料金改定による財源の確保や下水道計画の見直しによる計画的な整備、コスト削減による維持管理費の抑制に取り組んでいく。また、下水道事業の目的でもある公共用水域の水質保全や生活環境の改善のため、下水道への接続促進を図り、効率的な施設利用に取り組んでいく。