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地方財政ダッシュボード

福岡県田川市の財政状況(2016年度)

🏠田川市

地方公営企業の一覧

末端給水事業 市立病院


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2016年度)

財政力指数の分析欄

本市は、旧産炭地及び過疎地域であるため、人口の減少や少子高齢化の進展が著しく、基幹産業もないこと等から、財政基盤が極めて弱く、低い財政力指数が続いている。生活保護費の減少に伴う基準財政需要額の減などの要因により、財政力指数は若干増加したものの、依然、0.4程度となっており、今後も引き続き、ジェネリック医薬品の利用促進など、生活保護費の適正化に努めていくとともに、保護受給者の自立支援について、より一層の強化を図り、次世代への連鎖を防ぐための対策を講じていく予定である。

経常収支比率の分析欄

人件費、生活保護費の減少、市税の増加などの改善要因はあるものの、普通交付税、地方消費税交付金の減少の影響が大きく、28年度は前年度に比べ、3.7ポイント悪化し、99.9%に達している。上述のとおり、生活保護費は減少したものの依然高額であり、今後も引き続き、保護受給者の自立支援について、より一層の強化を図り、次世代への連鎖を防ぐための対策を講じていく必要がある。また、第6次行政改革大綱に掲げた「民間委託導入」などの取組みにより、経常的経費の削減を図る。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

前年度に比べ、約1千円増加しているが、これは委託期間が通年化したことにより、図書館・美術館の指定管理委託料(物件費)が増加したことや、経年劣化に伴い、各施設の維持補修費が増加したことが主な要因である。なお、分母となる人口が若干減少(28年1月1日時点49,451人→29年1月1日時点49,191人)したことも増加要因となっている。

ラスパイレス指数の分析欄

28年度の変動要因としては、初任給基準の見直しや当該制度の実施に伴う在職者調整を29年4月1日に実施したことが主な要因として挙げられる。このことにより、ラスパイレス指数は、類似団体の平均値並となった。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

28年度の職員数は前年度に比べ22名の増となっており、人口千人当たりの職員数も増加している。これは、行政需要の増等を踏まえた定員管理計画に基づく職員採用によるものである。これまで4次にわたって策定してきた定員適正化計画に基づき、既存の事務事業の見直し等により職員削減を行ってきたが、国、県からの権限委譲や生活保護受給者への対応などにより、24年度に新たな計画(定員管理計画)を策定し、業務量に見合った定員管理を行っている。しかし、定員管理計画については、行政需要や職員数の状況等が策定当時から変動していることから、適正な職員数について現在検討中である。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率は減少傾向が続いており、28年度も類似団体平均を下回る値となっている。しかしながら、減少が続いていた普通会計の公債費は、28年度に増加に転じている。(24年度30.9億円→27年度24.6億円→28年度25.1億円)このため、今後は悪化に転じることも予想され、さらなる行政改革の推進により投資的事業の大幅な縮減や見直しを行うなど、公債費負担の軽減に向け努めていく必要がある。

将来負担比率の分析欄

28年度は、23年度以来6年続けて将来負担比率は算定されなかった。普通会計の地方債残高については、年々減少してきていた(22年度末264億円→26年度末247億円)が、27年度以降は増加に転じている。(28年度末253億円)しかしながら、特定農業施設の維持管理のための基金など充当可能基金残高が多額(28年度末165億円)であるため、将来負担比率の算定には至っていない。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2016年度)

人件費の分析欄

類似団体平均と比較すると、人件費に係る経常収支比率は低くなっているが、その要因としてごみ処理業務や消防業務、介護保険業務など一部事務組合で行っていることが挙げられる。一部事務組合の人件費に充てる負担金や病院事業の公営企業会計の人件費に充てる繰出金といった人件費に準ずる費用を合計した場合の人口1人当たりの歳出決算額は類似団体平均と同程度であり、これらも含めた人件費関係経費全体について、抑制を図っていく必要がある。

物件費の分析欄

委託期間が通年化したことに伴い、図書館・美術館の指定管理委託料が増加したことなどにより、前年度に比べ0.9ポイント増加している。なお、第6次行政改革大綱に掲げた「民間委託導入」を進めると、(人件費などが減少し、)物件費は増加することとなるため、今後も増加することが予想される。

扶助費の分析欄

前年度と比べると減少したものの、扶助費に係る経常収支比率は類似団体平均を大幅に上回っており、その主な要因として、多額にのぼる生活保護費が挙げられる。本市は、旧産炭地であることや地域経済の低迷などの要因により、低所得者及び失業者が多く、保護率が他団体に比べ非常に高いものとなっている。(保護率28年度平均61.1パーミル)今後も引き続き、生活困窮者への自立支援策などを通じ、生活保護費の削減を図る必要がある。

その他の分析欄

その他のうち、大半を占めるのは繰出金であるが、内容としては、国民健康保険、後期高齢者医療保険及び介護保険にかかるものとなっている。なお、国民健康保険において、27年度に赤字が発生したたため、保険税の改正(引上げ)を行っており、これに伴い、保険税軽減に係る繰出金が増加している。

補助費等の分析欄

本市では、消防組合や清掃施設組合などの一部事務組合に加え、市立病院に対する補助金(繰出金)があることにより、類似団体平均を上回ることとなっている。なお、市立病院への繰出金のうち経常的なものは、繰出額の算出方法の見直しもあって、24年度の7.0億円から27年度は10.4億円へと増加が続いていたが、28年度は経営状況が改善したため、9.7億円まで減少している。

公債費の分析欄

失業対策事業、改良住宅建設事業、地域改善対策事業、過疎対策事業など旧産炭・過疎地域特有の公共事業を実施し、多くの地方債残高を抱えることとなったため、公債費に係る経常収支比率が類似団体平均より高くなっていたが、新規地方債の借入抑制を行ってきた結果、地方債残高は18年度末で320億円であったものが26年度末では247億円まで減少してきており、公債費に係る経常収支比率が類似団体平均を下回る状況に至っている。しかしながら、27年度以降は残高が増加に転じており、今後の残高の推移には注意が必要である。

公債費以外の分析欄

公債費以外については、概ね類似団体平均の割合で推移してきたが、物件費及び補助費等の増や類似団体平均を大幅に上回っている扶助費の影響により、25年度以降悪化しており、28年度も前年度に比べ、2.6ポイント悪化している。経常収支比率の改善には、市税等の経常一般財源の増収に加え、特に扶助費の削減が重要であるが、現下の経済情勢を踏まえると、困難を伴うものとなっている。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

民生費については、類似団体平均の1.6倍と多額となっており、歳出全体の約5割を占めるに至っている。(民生費以外については、概ね類似団体平均と同水準あるいは低い値となっている。)本市は、旧産炭地であることや地域経済の低迷などにより、低所得者及び失業者が多く、生活保護費などの扶助費が多額となっていることが、この主な要因である。今後も引き続き、生活困窮者への自立支援策などを通じ、生活保護費の削減を図る必要がある。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

扶助費については、類似団体平均の概ね2倍となっている。(扶助費以外については、類似団体平均と概ね同水準あるいは低い値となっている。)本市は、旧産炭地であることや地域経済の低迷などの要因により、低所得者及び失業者が多く、保護率が他団体に比べ非常に高い(保護率28年度平均61.1パーミル)ものとなっており、生活保護費も多額となっている。今後も引き続き、生活困窮者への自立支援策などを通じ、生活保護費の削減を図る必要がある。

実質収支比率等に係る経年分析(2016年度)

分析欄

実質単年度収支は、年度ごとの増減はあるものの、押しなべて収支均衡の状態にあり、財政調整基金の残高も徐々に増加する傾向にある。今後も行政改革や市税等及び市有財産の処分などの歳入確保策を図ることにより、地方交付税の削減等外部要因の変化に耐えうる財政基盤の確立を目指していかなければならない。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2016年度)

分析欄

病院企業会計においては、22年度までの3年間資金不足が発生していたが、経営再建のため、22年度から24年度まで一般会計から各年度約4.8億円の基準外繰出しを行っていたこともあり、以後、資金不足も発生していない。また、25年度からはそれまでの交付税算定基準から、繰出基準に基づく不採算経費の積上方式へと変更したことにより、基準内繰出額も24年度の約7.0億円から27年度の約10.4億円まで増加が続いていたが、28年度は経営状況が改善したため、約9.7億円まで減少している。国民健康保険特別会計においては、27年度に約3億円の赤字が発生したが、この赤字については、28年度に一般会計からの法定外繰出しにより補塡している。また、28年度から国民健康保険税の税率改正(引上げ)を実施したこともあり、28年度は赤字が発生していない。以上の会計を除くと、各会計とも黒字が続いている。

実質公債費比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

本市は、失業対策事業、公営住宅建設事業、過疎対策事業及び地域改善対策事業等、地域的・歴史的な特殊要因による地方債の発行が多額となっていたところであるが、普通会計の元利償還金額は、これまでに実施してきた新規起債の抑制により、19年度の39.9億円をピークに徐々に減少してきていた。しかしながら、地方債残高については、27年度以降、増加に転じており、28年度には元利償還金の額も増加に転じている。よって、今後の公債費の増大が懸念されるため、投資的事業の取捨選択などにより、引き続き公債費負担の適正化を図っていかなければならない。

将来負担比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

地方債残高は類似団体と比較して多額であるものの、公債費負担適正化の取り組み等により年々減少傾向にあった。(ただし、25年度は国の経済対策に伴う起債の増により残高が増加している。)また、充当可能基金、特に特定農業施設の維持管理を目的とした特定農業施設管理基金の残高が多額であり、下水道施設整備基金や財政調整基金の残高もここ数年増加傾向にある。これらの要因により将来負担比率は算定されていない。しかしながら、27年度以降は地方債残高が増加に転じており、今後の公債費の増大が懸念されるため、投資的事業の取捨選択などにより、引き続き公債費負担の適正化を図っていかなければならない。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2016年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

本市の有形固定資産減価償却率は、全国平均、県平均及び類似団体平均を上回っており、老朽化が進んでいる。今後は、早期に個別施設ごとの長寿命化計画(個別施設計画)を策定し、公共施設等の総合的適正管理の取組を進めていく。

債務償還可能年数の分析欄

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

本市は、地方債残高が類似団体と比較して多額であるものの、充当可能基金も多額であるため、将来負担比率は算定されていないが、それまで減少傾向にあった地方債残高が27年度以降、増加に転じており、今後の公債費の増大が懸念されるところである。また、有形固定資産減価償却率は、全国平均、県平均及び類似団体平均を上回っており、施設の老朽化が進んでいる。今後は、早期に個別施設ごとの長寿命化計画(個別施設計画)を策定し、公共施設等の総合的適正管理の取組を進めていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

本市は、地方債残高が類似団体と比較して多額であるものの、充当可能基金も多額であるため、将来負担比率は算定されていない。また、実質公債費比率も類似団体平均以下で推移しているところである。しかしながら、地方債残高については、27年度以降、増加に転じており、28年度には元利償還金の額も増加に転じている。よって、今後の公債費の増大が懸念されるため、投資的事業の取捨選択などにより、引き続き公債費負担の適正化を図っていかなければならない。

施設類型別ストック情報分析表①(2016年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

【道路】及び【橋りょう・トンネル】の人口一人当たりの施設量は類似団体平均値を下回っているが、【道路】の有形固定資産減価償却率は類似団体平均値を上回っており、老朽化が進んでいる。【認定こども園・幼稚園・保育所】は、平成25年度及び平成26年度に幼稚園2園及び保育所1園を複合施設として建替えたため、有形固定資産減価償却率が大幅に減少し、類似団体平均値を15.1ポイント下回る結果となっている。【道路】及び【橋りょう・トンネル】を除く、その他の12施設類型のうち、前述の【認定こども園・幼稚園・保育所】、【公営住宅】及び【消防施設】の3類型を除く、9類型で有形固定資産減価償却率が類似団体平均値を上回っており、老朽化が進んでいる。【公営住宅】で本市と類似団体平均を比較すると、有形固定資産減価償却率は同程度だが、一人当たり面積は3.3倍を超えている。今後は、早期に個別施設ごとの長寿命化計画(個別施設計画)を策定し、公共施設等の総合的適正管理の取組を進めていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2016年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

【道路】及び【橋りょう・トンネル】の人口一人当たりの施設量は類似団体平均値を下回っているが、【道路】の有形固定資産減価償却率は類似団体平均値を上回っており、老朽化が進んでいる。【認定こども園・幼稚園・保育所】は、平成25年度及び平成26年度に幼稚園2園及び保育所1園を複合施設として建替えたため、有形固定資産減価償却率が大幅に減少し、類似団体平均値を15.1ポイント下回る結果となっている。【道路】及び【橋りょう・トンネル】を除く、その他の12施設類型のうち、前述の【認定こども園・幼稚園・保育所】、【公営住宅】及び【消防施設】の3類型を除く、9類型で有形固定資産減価償却率が類似団体平均値を上回っており、老朽化が進んでいる。【公営住宅】で本市と類似団体平均を比較すると、有形固定資産減価償却率は同程度だが、一人当たり面積は3.3倍を超えている。今後は、早期に個別施設ごとの長寿命化計画(個別施設計画)を策定し、公共施設等の総合的適正管理の取組を進めていく。

財務書類に関する情報①(2016年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

現在までに本市では、一般会計等で1,048億円、全体で1,215億円、連結で1,321億円の資産を形成しています。資産の中で大きな割合を占めるの市営住宅、学校等の事業用資産で、577億円(全体)、次いで道路、公園などのインフラ資産で343億円(全体)となっています。これらは、総資産の約8割(全体)を占めています。資産として計上されていますが、維持管理費や将来的に発生が見込まれる建て替え費用など多くの問題を抱えています。今後は、施設ごとの個別施設計画を策定するなど、すでに策定している田川市公共施設等総合管理計画を充実させ、この計画に基づいて処分が可能な資産の売却や施設の統廃合等を行い資産のスリム化を進めるとともに、既存施設の長寿命化を図るなど、維持管理費用を可能な限り抑制する必要があります。一方、負債の中では、地方債(市債)が1年内償還予定地方債(翌年度償還分)を合わせると、336億円(全体)となっており、負債総額の約8割(全体、臨時財政対策債を含む)を占めており、大きな割合となっています。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

平成28年度の経常費用は、一般会計等で272億円、全体で394億円、連結で516億円です。行政サービスの利用に対する対価として、受益者が負担する使用料や手数料などの経常収益は一般会計等で22億円、全体で87億円、連結で94億円となっています。純行政コストは一般会計等で252億円、全体で307億円、連結で421億円です。この不足部分については、市税や地方交付税などの一般財源や国県等補助金で賄う必要があります。本市では、生活保護費や国民健康保険医療費などの移転費用の割合が非常に大きくなっており、全体財務書類では経常費用の約5割を占めています。また、社会資本の経年劣化等に伴う減少額を表す減価償却費は物件費の中に含まれ、その額は一般会計等で32億円、全体で38億円、連結で41億円となっています。一般会計等と全体の純行政コストを比較すると、全体は一般会計等に比べて約1.2倍に増加しています。この要因ですが、国民健康保険、後期高齢者医療の各特別会計においては、支出のほとんどを占める医療費、広域連合負担金が、経常費用として行政コスト計算書に計上されますが、収入のほとんどを占める保険税、国県補助金などは、行政コスト計算書の経常収益には計上されず、純資産変動計算書の財源として計上されているためです。また、一般会計等で22億円だった経常収益が、全体では87億円に増加していますが、これは、水道使用料収入及び病院の診療収入によるものです。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

形成された資産のうち、純資産の756億円(一般会計等)、805億円(全体)、823億円(連結)については、市税や国県補助金などの過去の世代に得た財源によって既に支払いが済んでいますが、負債の293億円(一般会計等)、410億円(全体)については、今後の将来世代が負担していくことになります。なお、平成28年度は、純資産が一般会計等で17億円、全体で6億円、連結で4億円減少しています。これらは、資産の増加よりも減価償却費による資産の減少額が大きかったことなどにより、純資産の減少という結果になりました。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

平成28年度の資金収支は、一般会計等で4億円減少し、全体で5億円、連結で4億円増加しています。その結果、期末の資金残高はそれぞれ一般会計等で8億円、全体で27億円、連結で37億円になっています。一般会計等と全体の業務活動収支を比較すると、全体は一般会計等に比べて約2.4倍に増加しています。この要因ですが、国民健康保険税が税収等収入に含まれること、水道料金や市立病院の診療収入等が使用料及び手数料収入に含まれることにより、業務収入が大幅に増加するためです。なお、投資活動収入が一般会計等、全体、連結で全て負の値になっていますが、これは、投資活動支出の多くを占める公共施設等整備費支出の財源となる地方債等発行収入が財務活動収入に計上されることになっているため、支出とそれに対応する収入(財源)を計上する区分が異なることによるものです。また、財務活動収支は主にその年度の地方債の収支を表すものです。一般会計等においては、この数値が正の値になっていることから地方債残高が増加しており、全体、連結については、負の値になっていることから地方債残高が減少していることが分かります。

財務書類に関する情報②(2016年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

現在までに田川市では、1,048億円の資産を形成しています。資産の中で大きな割合を占めるのが、市営住宅、学校等の事業用資産で、528億円、次いで道路、公園などのインフラ資産で260億円となっています。これらは、総資産の約8割を占めています。これら施設の老朽化の状況を表す指標である有形固定資産の減価償却率が66.9%と高く施設の老朽化が進んでいるといえます。このため、資産として計上されていますが、維持管理費や将来的に発生が見込まれる建て替え費用など多くの問題を抱えています。今後は、施設ごとの個別施設計画を策定するなど、すでに策定している田川市公共施設等総合管理計画を充実させ、この計画に基づいて処分が可能な資産の売却や施設の統廃合等を行い資産のスリム化を進めるとともに、既存施設の長寿命化を図るなど、維持管理費用を可能な限り抑制する必要があります。なお、基金やその他債権等の金融資産を含む住民一人当たりの資産額は類似団体と比較しても概ね同水準となっております。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、72.1%となっており、類似団体と比較しても良好な状況であるといえます。なお、形成された資産のうち、純資産の756億円については、市税や国県補助金などの過去の世代に得た財源によって既に支払いが済んでいますが、負債の293億円については、今後の将来世代が負担していくことになります。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

純行政コストは(経常費用+臨時損失)-(経常収益+臨時利益)で算出されます。平成28年度の経常費用は、一般会計等で272億円です。行政サービスの利用に対する対価として、受益者が負担する使用料や手数料などの経常収益は一般会計等で22億円となっています。経常費用の中では生活保護費などの移転費用(144億円)の割合(52.8%)が大きくなっています。また、社会資本の経年劣化等に伴う減少額を表す減価償却費は物件費の中に含まれ、その額は32億円となっています。なお、住民一人当たりの行政コストは概ね類似団体と同水準です。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

負債の多くは地方債(253億円、86.3%)が占めており、いかに地方債残高をコントロールするかが負債の増加を抑制する鍵となるといえます。平成28年度末においては、類似団体との比較においても住民一人あたりの負債額は低い状況にあります。しかし、本市においては、今後、中学校再編事業、オリンピックパラリンピックに向けた関連施設の整備事業、公園整備事業といった大規模事業の実施が見込まれています。加えて、既存施設の老朽化が進んでおり、これら施設の建て替えを含む再整備や長寿命化対策等が必要となり、その財源として地方債を活用することとなるため、今後は地方債残高の増加が見込まれるところです。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

経常収益には、歳入の大半を占める税収や国県支出金等を含まず、使用料、負担金、諸収入等の受益者が負担するような収入が主なものとなっています。一方で、経常費用には、社会保障給付費や人件費といった歳出の中で多くを占めるものが含まれるため、受益者負担比率は低い数値が算出されます。受益者負担比率の類似団体平均値との比較からもわかるように、経常費用に対する本市の受益者負担(使用料、負担金、諸収入等)の状況は若干高い状況にあるといえます。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,