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地方財政ダッシュボード

福岡県福岡市の財政状況(2020年度)

🏠福岡市

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数の分母となる基準財政需要額が増加したものの、分子となる基準財政収入額が地方消費税交付金の増等により増加したため、財政力指数は前年度と変わらず「0.89」となった。今後も財政運営プランの取り組みを進め、財政基盤の強化に努めていく。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率は、令和元年度決算額と比較して、0.9%増加の93.8となったものの、類似団体の平均を下回っている。経常一般財源(臨時財政対策債を含む)が13億円減少し、国民健康保険事業特別会計への繰出金などの経常経費に充当する一般財源が28億円増加したことが、経常収支比率増加の要因となっている。経常収支比率は、0.9%増加したものの、政令市の中では、20都市中低い方から4番目であり、相対的に財政の弾力性、健全性は保たれていると考えているが、この指標の比率は低いほど財政構造が弾力性に富んでいることを示すため、財政構造の弾力性の拡大に向けて、引き続き健全な財政運営に取り組んでいく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費、物件費及び維持補修費の合計額の人口1人あたりの決算額は、令和元年度決算額と比較して増加しているが、類似団体の平均を下回っている。人件費については、会計年度任用職員の任用開始等により44億円の増となっている。物件費については、感染症対策費委託料等の増や小・中学校管理費印消費等の増等により51億円の増となっている。維持補修費については、道路橋りょう維持補修費の減等により7億円の減となっている。今後とも、適切な定数管理による人件費の抑制等を図ることなどにより、柔軟な財政構造の維持に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

本市職員の給与は、人事委員会の勧告に基づく給与改定により、市内民間給与との均衡が図られており、適正な水準となっているが、類似団体内平均値を上回っていることなどを踏まえ、平成28年度から、一部の級において、号給カットを実施するとともに、昇格した場合の給料月額の増加額の縮減について国を上回る見直しを実施したことなどもあり、平成28年度の指数(平成29年ラスパイレス指数)は平成27年度から1.0ポイント低下している。また、平成29年度からは、中堅層の給料上昇を抑制するための昇給制度の見直しも実施しており、これらの見直しは中・長期的に効果が表れるものであるため、引き続き、指数に与える効果を分析していく必要があると考えている。職員給与については、今後も、人事委員会の勧告を尊重し、市内民間給与との均衡が図られるよう措置するとともに、より一層市民の理解が得られるよう、必要な見直しに努めていく。※グラフの平成28から令和02までの数値は、それぞれの年度の翌年のものである。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

定員管理の目標を設定したのは、平成17年度から平成22年度までの5年間で500人削減の目標を掲げた集中改革プランと、平成26年度までに9,800人体制とする目標を掲げた行政改革プランがあるが、いずれの目標も達成済み(集中改革プラン:941人削減、行政改革プラン:平成23に達成(9,784人))。令和2年度についても、行政需要の増大に対応しつつ、業務のアウトソーシングや執行体制の見直しを進めた結果、類似団体の中でも特に少ない数字となっている。今後も市民サービスの低下を招かないよう留意しながら事務事業や執行体制の見直しを行い、簡素で効率的な市役所の構築に努めていく。

実質公債費比率の分析欄

令和2年度は9.7%となり、対前年度比0.5ポイント改善している。類似団体内順位は、以前として低位ではあるが、市債発行額の抑制等による市債残高の着実な減少等により、今後とも起債に許可が不要となる18%未満の基準を下回り、トレンドとして比率は改善していく見込みである。

将来負担比率の分析欄

類似団体の平均値より依然として高水準にあるが、令和2年度においては、公営企業債等繰入見込額の減少(対前年度比126億円の減)等により着実に改善を続けている。今後も地方債現在高の縮減を図るなど、財政健全化に努めていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

業務のアウトソーシングや業務の実施体制の見直しなどに早くから取り組んできた結果、類似団体と比較して人口1,000人当たり職員数が少ないことや、退職手当の段階的引き下げ(平成25・26年度で段階的に実施し、平均で15.4%の水準引き上げ)、平成28年度からの給料水準の平均1.5%の引き下げ等により、人件費に係る経常収支比率は類似団体内で最も低くなっている。従来の手法や仕組みにとらわれることなく、ICTの活用や業務の見直しなどにより業務の効率性と生産性を高めるとともに、最適な組織体制の構築を図っていく。

物件費の分析欄

感染症対策費委託料等が29億円の増、小・中学校管理費印消費等が14億円の増となっていること等により、物件費が51億円の増となっており、物件費に係る経常収支比率が増加している。指定管理者制度の活用などにより、施設の維持管理コストの縮減に努めていく。

扶助費の分析欄

教育・保育給付費が31億円の増、子育て支援施設等利用給付費が26億円の増、ひとり親世帯臨時特別給付金が24億円の増となっていること等により、扶助費は72億円の増となっているが、扶助費に係る経常経費充当一般財源に大きな増減がなかったため、経常収支比率も横ばいとなっている。高齢化の進行や障がい福祉サービスの利用増、保育所入所児童数の増加等により、扶助費については今後も増加が見込まれる。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率の増加は、県の激変緩和措置終了に伴う、国民健康保険事業への繰出金の増、老年人口、特に75歳以上(後期高齢者)の人口の増加等に伴う、介護保険事業への繰出金の増、後期高齢者医療事業への繰出金の増などが主な要因である。住民基本台帳に基づく65歳以上の高齢者が総人口に占める割合について、平成31年4月1日現在は21.6%であったのに対し、令和2年4月1日現在では21.8%となっており、75歳以上の高齢者が総人口に占める割合についても同様に10.3%から10.5%と増加している。今後も高齢化に伴い、介護保険事業や後期高齢者医療事業への繰出金は増加するものと考えられる。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率が類似団体平均を下回っているのは、補助金に関して、毎年度の予算編成において、事業目的、事業内容、補助金の使途等を精査するとともに、補助対象範囲、補助対象経費について不断の見直しを行っていること等が考えられる。また、長期にわたる補助金への対応や補助金の公募化に係る全市的なルールを定めた「補助金ガイドライン」を策定(平成25年10月)し、それに伴い補助金交付規則も改正(平成26年4月1日施行)し、更なる適正化を図っている。

公債費の分析欄

公債費に係る経常経費充当一般財源等について、令和元年度決算と比較し、元金の償還は2億円減、利子の償還は8億円減となっており、公債費に係る経常収支比率は減少している。これは、高利率での利子償還が完了したために、平均利率が下がっていることが影響していると考えられる。今後の公債費は、市債発行額の抑制により中長期的には減少していく見込みであるが、当面は900~1000億円程度で高止まりとなる見込みである。

公債費以外の分析欄

公債費以外に係る経常収支比率は、類似団体内で最も低くなっているが、近年は上昇傾向であり、その主な要因は、人件費や扶助費、繰出金の増加によるものである。今後も、福祉サービスの利用者の増に伴う扶助費の増や、老年人口の増加に伴う後期高齢者医療、介護保険事業への公費負担の大幅な増加が見込まれる。本市では、令和3年6月に策定した「財政運営プラン」に基づき、市民生活に必要な行政サービスを安定的に提供しつつ、重要施策の推進や新たな課題に対応するために必要な財源を確保できるよう、投資の選択と集中を図るとともに、歳入の積極的な確保や行政運営の効率化、既存事業の見直しなどの不断の改善に取り組んでいく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

・令和元年度決算と比較して、住民一人当たりのコストが大きく増加しているものとして、総務費の増額要因は特別定額給付金給付事業費の増等によるものである。また、商工費の増額要因は新型コロナウイルス感染症の影響等による商工金融資金の増等によるものである。・類似団体平均と比較して特徴的なものとして、商工費が高い水準にあるのは、中小企業者や開業を計画する者を対象に長期・低利の事業資金を利用できる商工金融資金制度を設けていることが要因である。また、公債費が高い水準にあるのは、バブル崩壊後の概ね10年間、国の大型景気対策とも連動し、立ち遅れていた都市基盤(地下鉄・道路・下水道等)や生活基盤(文化・スポーツ施設等)の整備を市債を活用して行ってきたことから、市民生活向上に寄与する社会資本整備が飛躍的に向上した半面、市債発行額が増加したものである。しかしながら、市債残高は平成16年度をピークに毎年着実に縮減しており、今後も引き続き、市債発行額の抑制による中長期的な公債費の縮減に努める。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

・住民一人当たりの歳出決算総額は、令和元年度決算額と比較すると、239,572円増加の798,474円となっている。これには、特別定額給付金給付事業費の増等に伴う補助費の増や新型コロナウイルス感染症の影響等による商工金融資金の増等に伴う貸付金の増が影響している。・類似団体平均と比較して特徴的なのは、人件費は低い水準にあり、物件費が高い水準にあることである。これは、退職手当の段階的引き下げ(平成25・平成26で段階的に実施し、平均で15.4%の水準引き下げ)の取組みや、業務のアウトソーシングによる民間活用の推進により、職員人件費等から委託料(物件費)へシフトしていること等による影響である。なお、人件費と物件費の合計に係る住民一人当たりのコストは、令和2年度決算では類似団体平均より7,682円低い。その他、類似団体平均と比較して高い水準にある貸付金に関しては、本市において、中小企業者や開業を計画する者を対象に長期・低利の事業資金を利用できる商工金融資金制度を設けていることが要因である。また、普通建設事業費のうち、更新整備の住民一人当たりのコストが高いのは、高度経済成長期や政令市移行期の行政需要が拡大した昭和40年代から50年代にかけて集中的に整備した公共施設等のうち、大規模な改修等が必要になる築30年を経過したものが、全体で6割を超え、施設改修等の経費が増加していることが要因のひとつであると考えられる。公共施設等の老朽化については、市有施設を安全・安心に利用できるよう維持し、良質な公共サービスを持続的に提供していくため、「福岡市アセットマネジメント基本方針」や「官民協働事業(PPP)への取組方針」に基づく取組みを推進していく。・義務的経費は、住民一人当たりのコストは307,317円となっており、類似団体平均を2,733円上回っているが、特徴的な要因は公債費であり、類似団体平均を10,811円上回っている。今後の公債費の見込みとしては、市債発行額の抑制により中長期的には減少していく見込みであるが、当面は900~1,000億円で高止まりすると見込んでおり、義務的経費全体でも、さらなる増加が見込まれている。義務的経費の増嵩は、財政運営の硬直化を招き、他の必要な施策の推進を阻害する要因にもなるため、引き続き、適切な定員管理による人件費の抑制や市債発行額の抑制による中長期的な公債費の縮減を図ることなどにより、柔軟な財政構造の維持に努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

・令和2年度の標準財政規模については、前年度比で1%増加している。・令和2年度の財政調整基金残高については、前年度比で8%増加しており、標準財政規模比は0.54%増加している。・令和2年度の実質収支額については、前年度比で8%減少しており、標準財政規模比は0.20%減少している。要因としては、歳入の不足額、歳出の不用額ともに増加しているが、歳入不足額の増加が上回っていることが考えられる。歳入面においては、市税収入の減が一定の幅にとどまり、一定の財源を確保できたこと等に伴う繰入金の歳入不足額の増等により、歳入不足総額が前年度比で増加した一方で、歳出面においても、コロナ対策予算として年度末まで執行が必要な事業等において、結果的に生じた不用額の増等により、歳出不用総額が前年度比で増加した。・令和2年度の実質単年度収支については、前年度比で27%の増となっており、標準財政規模比は0.10%増加している。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

令和2年度も全会計で黒字となっており、平成23年度以降、全会計黒字化が継続している。令和2年度の全会計ベースでの黒字額は542億円となっており、対前年度比では55億円の増となっている。これは、水道事業会計において対前年度比24億円の増となったことが主な要因である。また、標準財政規模比では対前年度比1.13ポイント増の12.66%となっている。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

前年度との比較において、(A)-(B)が約7億円の減となっている主な要因としては、「算入公債費等」が約26億円の減(増要因)となった一方、「元利償還金」が約31億円の減となったこと等によるもの。財政運営プランの取組みを進め、地方債現在高の縮減を図るなど、財政健全化に努めていく。※表数値修正(R01)・算入公債費等(B)=(総括表③の⑧+⑨+⑩+⑪)=96,040,621千円=96,041百万円・(A)-(B)=130,588百万円-96,041百万円=34,547百万円

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

令和2年度において、減債基金(満期一括償還分)の増等により、充当可能基金が対前年度比133億円の増となったことが、将来負担比率の減少要因となっている。また、公営企業債等繰入見込額の減等により、将来負担額は対前年度比で167億円の減となっている。今後も財政運営プランの取り組みを進め、地方債現在高の縮減を図るなど、財政健全化に努めていく。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)・近年の基金残高の増加要因は、主に財政調整基金の増加によるものである。令和2年度決算においては、新型コロナウイルス感染症による市税への影響が、想定より小さくなる見込であったことや、地方消費税交付金などその他の一般財源が上振れする見込であったこと等から、財政調整基金の取崩額を126億円抑制した。(今後の方針)・基金については、より適切かつ有効な運用を図ることを目的として、平成30年度より、各基金の状況、今後の見通し等について市のホームページで公表している。引き続き、財政状況等を踏まえ、条例の趣旨に沿った適切な運用を行っていく。

財政調整基金

(増減理由)・令和2年度決算においては、新型コロナウイルス感染症による市税への影響が、想定より小さくなる見込であったことや、地方消費税交付金などその他の一般財源が上振れする見込であったこと等から、財政調整基金の取崩額を126億円抑制しており、基金残高は前年比で28億円の増となっている。(今後の方針)・基金の適正な残高については、将来の経済情勢や予期し得ない災害等の発生などにより大きく異なってくるものであり、具体的な金額を示すことは困難であるが、将来にわたる貴重な調整財源として、可能な限り確保する必要があると考えている。近年では、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う市税収入の大幅減等への対応を目的とした取崩し予算の計上がなされており、今後も、決算剰余金を中心とした積み立て、必要最低限の取崩しに努めていく。

減債基金

(増減理由)・利子分を積み立てたことによる増加。(今後の方針)・市債の償還財源に充てる。

その他特定目的基金

(基金の使途)・高速鉄道建設基金:高速鉄道の建設に係る一般会計負担の平準化を図るため、一般会計繰出金及び市債元利償還金の財源に充てる。・庁舎建設等資金積立金:市役所本庁舎及び出先総合庁舎等公共施設の建設等に必要な費用に充てる。・ユニバーシアード福岡大会記念スポーツ振興基金:本市で開催される国際スポーツ大会に必要な費用等に充てる。・市営住宅敷金基金:市営住宅の敷金の返還金並びに未納の家賃、割増賃料及び損害賠償金に充てる。・こども未来基金:子ども施策の推進に資する事業に充てる。(増減理由)・高速鉄道建設基金:一般会計出資債・補助金債の元利償還金に伴う一般会計の財政負担の平準化を図るため、6億円を積み立てたことにより増加している。(今後の方針)・庁舎建設等敷金積立金:今後、高度経済成長期や政令市移行期に集中的に整備した公共施設等の改修・修繕等の経費が大きく増加する見込みであり、その財源としての活用が見込まれる。・ユニバーシアード福岡大会記念スポーツ振興基金:今後、世界水泳選手権福岡大会の開催に伴う、組織委員会への負担金の財源としての活用を予定している。・各基金の積立や取崩し額の決定にあたっては、当該基金に係る事業の需要のみではなく、財政状況を的確に踏まえる必要があり、将来に渡る計画を予め作成することは困難であるが、一方で、より適切かつ有効な運用を図ることを目的として、平成30年度より、各基金の状況、今後の見通し等について市のホームページで公表している。引き続き、財政状況等を踏まえ、条例の趣旨に沿った適切な運用を行っていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

福岡市アセットマネジメント基本方針(公共施設等総合管理計画)に基づいて、予防的な改修による施設の長寿命化、社会情勢や需要等を踏まえた統廃合、施設運営の効率化など、全庁的にアセットマネジメントの推進を図っている。取組みの結果、類似団体と概ね同程度の償却の進行がうかがえる。

債務償還比率の分析欄

本市財政運営プラン等の推進により、市債発行額の縮減など将来負担額は低下しているが、新型コロナウイルス感染症の影響による市税収入の減少により、債務償還比率が増加したもの。今後も財政運営プラン等の推進により、市債残高の縮減等を図り、債務償還比率の良化に努めていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率の低下は、本市財政運営プラン等の推進により、市債発行額の縮減に務めたものである。一方、福岡市アセットマネジメント基本方針(公共施設等総合管理計画)に基づいて、予防的な改修による施設の長寿命化、社会情勢や需要等を踏まえた統廃合、施設運営の効率化など、全庁的にアセットマネジメントの推進を図っており、有形固定資産減価償却率は類似団体よりやや低い水準にある。今後も将来負担比率の低下に務めるとともに、アセットマネジメントの推進を図っていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率、実質公債費比率ともに、減少傾向にある。これは、行財政改革プラン(H25~H28)、財政運営プラン(H29~R2)に基づき、市債発行の抑制等により、長期的な市債残高の縮減に取り組んだ結果である。今後も、財政運営プラン(R3~R6)に基づき、さらに市債残高の縮減を図るなど、将来にわたり持続可能な財政運営に取り組む。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

公営住宅については、高度経済成長に伴う人口増加に対応して多数建設したため、一人あたりの面積が他の類似団体より若干高い水準にある。学校施設については、適宜改修を行い施設の長寿命化を図っているため、有形固定資産減価償却率が他の類似団体と比べ若干高い水準となっている。公民館は、老人いこいの家との合築による建て替えを進めており、有形固定資産減価償却率が他の類似団体と比べ低い水準となっている。認定こども園・幼稚園・保育所については平成30年に幼稚園を閉園し、老朽化した園舎を取壊したため、有形固定資産減価償却率が減少している。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

市民会館は1件のみで減価償却済みであるため有形固定資産減価償却率が100.0%となっている。庁舎については、当市では人口が増加傾向にあり、庁舎の一人あたりの面積が類似団体と比較して低くなっている。また、行政運営の効率化により既存の庁舎で対応できているため、有形固定資産減価償却率が類似団体より高い水準にある。消防施設の令和1有形固定資産減価償却率は【正】47.4【誤】40.6であり、平成29年度に中央消防署の新庁舎を建設したことから、有形固定資産減価償却率が類似団体と比較して若干低い水準となっている。体育館・プールについては、平成30年度に総合体育館を建設したことにより有形固定資産減価償却率が低くなっている。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

令和元年度に比べ令和2年度の資産は、学校や住宅などの整備による固定資産の増等により、一般会計等、全体、連結いずれも増加している。一方、負債については、地方債残高の減等で一般会計等、全体、連結いずれも減少している。一般会計等に比べ、全体及び連結の資産に対する負債の比率は大きくなっているが、比率自体は対前年で減となっている。これは主に下水道事業会計や高速事業会計等の公営企業会計の企業債残高の減が要因だと考えられる。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

純経常行政コスト及び純行政コストについて、令和元年度に比べ令和2年度は、一般会計等、全体、連結いずれも増加している。要因は、特別定額給付金給付事業等による補助金等の増等によるものである。一般会計等で一番大きな割合を占めているのは補助金等であり、純行政コストの約31%を占めている。また、全体及び連結においても、国民健康保険、介護保険及び後期高齢者医療保険の負担金を補助金等に計上しているが、純行政コストに占める補助金等の割合が全体で約47%連結で約54%となり一番大きな割合を占めている。今後も高齢化の進展により、この傾向が続くことが見込まれるため、超高齢社会に対応する持続可能な仕組みづくりを引き続き実施するなどして、将来にわたり持続可能な財政運営に取り組んでいく。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

令和元年度は、退職手当引当金繰入の増による人件費の増等により一般会計等、全体、連結いずれも財源が純行政コストを上回っていた。令和2年度は、特別定額給付金給付事業等による補助金等の増等により純行政コストが増加するも、財源が引き続き純行政コストを上回ったため、一般会計等、全体、連結いずれも純資産が増加している。引き続き、将来にわたり持続可能な財政運営に取り組んでいく。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

業務活動収支は、令和元年度に引き続き令和2年度も、一般会計等及び全体において、国県等補助金の増等により黒字となっている。投資活動収支は、令和元年度に引き続き令和2年度も赤字であるが、一般会計等及び全体共に、公共整備支出の増等によって赤字幅が拡大している。財務活動収支は、令和元年度に引き続き令和2年度も、一般会計等及び全体において、地方債等の償還支出が発行収入を上回っているため赤字となっている。なお、全体の平成16年度以降の市債残高については、毎年度着実に減少している。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額が類似団体平均を大きく下回っているが、開始貸借対照表における資産評価について都市間で差異があること等が考えられる。歳入額対資産比率について、資産合計の増は道路や公園の整備等、歳入総額の増は、特別定額給付金給付事業等による補助金等の増等が要因と考えられる。有形固定資産減価償却率については、福岡市アセットマネジメント基本方針(公共施設等総合管理計画)に基づいて、予防的な改修による施設の長寿命化、社会情勢や需要等を踏まえた統廃合、施設運営の効率化など、全庁的にアセットマネジメントの推進を図っている。取組みの結果、類似団体と概ね同程度の償却の進行がうかがえる。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均を下回っている。これは、立ち遅れていたインフラ整備等を市債を活用して積極的に推進してきた結果、整備水準や市民生活の向上に寄与した反面、市債残高が他都市と比べ比較的高い水準となっているためである。将来世代負担比率は類似団体平均を上回っている。これは上記の理由により地方債の残高が類似団体より高いことが要因だと考えられる。なお、市債残高は平成16年度をピークに着実に減少している。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均と同程度である。市民生活に必要な行政サービスを安定的に提供できるよう歳入の積極的な確保や行政運営の効率化、既存事業の組替え等の不断の改善に取り組んでいく。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は、類似団体と比べ上回っている。本市は、これまで立ち後れていたインフラ整備等を市債を活用して積極的に推進してきた結果、整備水準や市民生活の向上に寄与した反面、市債残高が他都市と比べ比較的高い水準となっているが、平成16年度をピークに着実に減少している。基礎的財政収支は投資活動収支は赤字だが、業務活動収支の黒字により、34,785百万円の黒字となっており、類似団体平均を上回っている。これは近年市税収入が伸び、類似団体と比較しても歳入額が多くなっていること等の要因によるものである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均を上回っている状況にある。これは、施設の特性に応じた適正利用の推進や負担の公平性の確保などの観点による使用料等の改定を行ってきたことによるものである。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,