収益等の状況について
当該施設は、利用料金制による指定管理者制度を採用し、管理・運営を行っており、指定管理者に利益が生じた場合は利益納付金を市に納付することとしているが、当面の間は納付を見込むことは困難な状況となっている。また、施設建設に係る企業債や設備更新に係る費用については、一般会計からの繰入金を財源としている。収益的収支比率は、一般会計繰入金により100%を維持しているが、設備更新等の増加により、財源に占める繰入金の比率が高くなってきている。定員稼働率は類似施設より高い稼働率となっているが、客単価の減少や、施設の維持管理費の増加等により指定管理者の収益の確保に繋がっていないため、指定管理者による市への納付金は発生しない状況にある。
資産等の状況について
平成12年の供用開始から20年が経過し、設備の老朽化に伴う更新需要が増えてきているため、保全計画に基づき計画的に投資を行っていく必要がある。また、当該施設の管理運営は利用料金制による指定管理者制度を採用しており、料金収入が指定管理者の収入となるため、企業債残高対料金収入比率が高くなっている。
利用の状況について
宿泊者数は、平成27年の桜島の噴火警戒レベルの引き上げに伴い、大きく減少していたが、近年は火山活動が落ち着いてきたことや、平成30年の明治維新150年や大河ドラマ「西郷どん」の放送等の効果により、回復に転じていた。しかしながら、令和元年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、減少したところである。
全体総括
桜島の立地条件を生かし、体験型メニューを活用した宿泊プランの充実や合宿等の積極的な誘致による利用者増を図ってまいりたい。また、国民宿舎の管理委託料の縮減や、より低金利の企業債への借換により、鹿児島市桜島観光施設特別会計の収支不足分を補う一般会計からの繰入金の縮減に努めていく。