経営の健全性・効率性について
平成27年度から地方公営企業会計に移行し、一般会計からの繰入金があるにもかかわらず、①経常収支比率、⑤経費回収率共に昨年数値より若干下がり、2年連続の赤字決算となりました。また、熊本地震による管渠の災害復旧のための工事請負費や平成27年度末に熊本北部流域下水道に一部接続したことによる負担金等費用の増加が影響し、⑤経費回収率が低下しています。平成28年度より単独公共下水道を流域下水道へ接続し、処理場利用を廃止したことにより⑦施設利用率の数値がなくなっています。本市では今後数年は人口増加が期待できますが、人口減少社会の到来もあり、⑧水洗化率は高止まり傾向が続き、下水道使用料の大幅な自然増は期待できない状況となっていくことが推測されます。下水道事業経営にあたり、一般会計から国の繰出基準額以上の繰入を受けてはいますが、当面、繰越欠損金が生じる見込みのため、下水道使用料の定期的な改定等の検討を進めていきます。
老朽化の状況について
昭和56年の供用開始から36年が経過し、施設の老朽化が進み、ポンプ場、管渠とも改築・更新の必要性が高くなっております。このことから、施設の不具合による機能停止等を防ぐため、ポンプ場、管渠とも長寿命化計画により、改築・更新を計画的に進めていきます。
全体総括
普及率は95.4%となっており、本市の下水道事業は整備拡大から維持管理と改築更新へと移行してきております。このような中、施設の整備時の地方債については、未償還残高は減少する状況が続くと推測されますが、改築更新に係る地方債の償還が加わることになります。老朽化に伴い、更新時期を迎えている下水道施設や管路もあり、維持管理費用やその資金調達、更新手法等が現在直面している大きな課題となっています。また、将来的に安定した下水道事業サービスを持続していくためには、料金水準適正化の検討、経費の削減を実施し、汚水処理原価を減少させ、一般会計からの繰入金を減少させていく必要があります。今後は、中長期的な経営の基本計画である「経営戦略」を策定し、経営基盤の強化と財政マネジメントの向上を目指します【経営戦略策定状況】平成30年度末までに策定