経営の健全性・効率性について
平成26年度に地方公営企業法を適用し,損益計算書や貸借対照表などの財務諸表に基づく経営分析を進めている。法適用後は,減価償却費の計上等から損益計算においては損失が発生し,早急な経営改善が必要となっている。経費回収率や汚水処理原価は,類似団体の平均となっているが,経常収支比率や流動比率,水洗化率が低く,累積欠損金比率が高いことから,早期の収益確保が必要となっている。また,施設利用率は,類似団体平均より高く,効率的な施設の利用ができているが,企業債残高対事業規模比率が高いことから,効率的な整備等による企業債の発行抑制の検討も必要となっている。
老朽化の状況について
類似団体との比較では,管渠老朽化率は高く,管渠改善率は低くなっている。普及率(平成26年度末)が57.3%と類似団体平均(91.2%)より低く,未普及地域の早期解消に向けて,積極的な汚水整備に取り組んでおり,老朽管の計画的な更新には至っていない状況となっている。今後は,経営戦略やアセットマネジメント計画の策定及び推進により,計画的かつ効果的に老朽管の更新を進めていく。
全体総括
本年度に学識経験者や市民代表で構成する経営審議会を立ち上げ,今後の経営のあり方について議論をいただいている。今後は,平成28年度末の答申に基づき,経営戦略を策定する予定である。下水道経営においては,脆弱な財政基盤の強化が喫緊の課題であり,普及率や水洗化率の向上,使用料の適正化等による収益の確保とともに,投資や経営の合理化が必要である。長期的に安定した持続可能なサービスの提供に向け,経営戦略に基づく経営改善に取り組んでいく。