収益等の状況について
本市公営宿泊施設(以下「本施設」という。)は,近年は5年連続で収益的収支比率が100%を超えており,単年度の収支では黒字が続いているが,令和2年度においては収益的収入のおよそ54%が他会計からの繰入金となっている。この繰入金は,新型コロナウイルス感染症の影響で収入が大きく落ち込んだ指定管理者に対して,運営継続のための支援金として当市が支出したもので,これを指定管理者の収入としているものである。他にも,令和2年度においては,新型コロナウイルス感染症の影響による休業措置及び利用客の大幅な減少があったことで,定員稼働率及び売上高GOP比率,EBITDAが前年に続き大きく落ち込み,併せて売上高人件費比率は大きく上昇した。※表内の数字について,以下の修正あり。①収益的収支比率において,平成30年度は115.3(%)。②他会計補助金比率において,平成28年度から令和元年度までは0.0(%),令和2年度は54.6(%)。③宿泊者一人当たりの他会計補助金額において,平成28年度から令和元年度までは0(円),令和2年度は13,898(円)。⑤売上高人件費率において,平成30年度は30.5(%)。⑥売上高GOP比率において,平成30年度は11.4(%),令和元年度は7.0(%)。⑦EBITDAにおいて,平成30年度は33,392(千円),令和元年度は12,775(千円),令和2年度は△34,019(千円)。
資産等の状況について
平成7年度に実施した本施設の改築に係る起債償還は平成26年度に完了しているものの,改築後20年以上が経過しており,施設内部の各設備機器については劣化の進んでいるものも多い。当市は本施設を令和3年10月から休館としているが,特別会計で一定の改修費や業務委託費,需用費等を見込んだうえで,再開を前提とした施設の適切な維持管理を継続する。
利用の状況について
本施設はここ数年利用客数の減少が続いているが,特に令和2年度においては新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を目的として4月下旬から7月末に実施した休業措置のほか,通年で同感染症の影響による予約の減少やキャンセルがあり,年間の利用者数は大きく落ち込んだ。定員稼働率やEBITDAについても,前年に比べ大幅に悪化している。※表内の数字について,以下の修正あり。⑦EBITDAにおいて,平成30年度は33,392(千円),令和元年度は12,775(千円),令和2年度は△34,019(千円)。
全体総括
本施設については,新型コロナウイルス感染症の影響により利用者数が大幅に減少し,その回復時期について見通しが立っていないことから,令和3年9月末をもって休館した。国民宿舎運営事業については,老朽化している各設備の現況調査,民間事業者へのサウンディング調査等を実施した上で,今後の施設の在り方を検討する。その際に,収入の増加を含めた健全な運営を継続するための方策についても,併せて検討するものとする。