収益等の状況について
①収益的収支比率は100%に近付いているものの、⑥売上高GOP比率や⑦EBITDAは減少傾向にあり、思うように収益が上がっていない。また、平成26年度に施設修繕を、平成28年度に大規模改修を行った結果、当該年度の②他会計補助金比率と③宿泊者一人当たりの他会計補助金額が大きくなっている。なお、大規模改修により、約半年間休館したため、④定員稼働率が低下している。改修に併せて適正な料金を収受するため、料金改定を行ったが、利用者数が伸び悩んでいることが課題であり、市と指定管理者で、さらなる収益改善策を実施していく必要がある。
資産等の状況について
平成28年度に大規模改修を行ったため、⑫企業債残高対料金収入比率が大きくなっている。なお、大規模改修では、機械設備の更新を行ったため、⑩設備投資見込額について、今後10年間は大規模な設備投資は見込んでいない。今後は将来の償還財源の確保等の経営改善に向けた取り組みを実施していく必要がある。
利用の状況について
⑬施設と周辺地域の宿泊客数動向について、近隣施設と比較すると、宿泊需要に大きな差はない。そこで、今後の動向を注意深く見守り、状況によっては施設のあり方を再検討する必要がある。なお、日帰り入浴客の集客も課題であり、市と指定管理者が一層協力して取り組んでいく必要がある。
全体総括
平成28年度に約半年間休館し、財源に公営企業債を充てて大規模改修工事を行った。改修工事により、収益を改善していかなければならず、市と指定管理者が協力して経営改善に向けた取り組みを進めていく必要がある。具体的には、毎年の利用者数の目標設定と、目標を達成できなかった場合の原因の仮説や改善案の検討等の検証作業を実施することで、売上増、支出減、利益増に取り組むとともに、市も他会計補助金額の縮小を目指していく。施設のあり方については、今後の状況を見極めながら、再検討するかどうか判断していく必要がある。