経営の健全性・効率性について
①【経常収支比率】昨年度と比べて1.7ポイント増加し、100%を超えており経常収益で経常費用を賄えていますが、料金回収率が相対的に低い状態にあることにより類似団体平均値を下回っています。③【流動比率】昨年度と比べて65.5ポイント増加し、100%を超え、類似団体平均値も上回っており、短期的な債務に対する支払能力は維持しています。④【企業債残高対給水収益比率】昨年度と比べて7.0ポイント改善しましたが、コロナ禍での水需要の変化により給水収益が減少し、類似団体平均値を上回る状況が続いています。⑤【料金回収率】昨年度と比べて3.8ポイント改善したものの、水需要の変化に加え、コロナ禍における経済対策として事業者向け水道料金の減免を実施したこと等により100%を下回っており、給水に係る費用を給水収益だけでは賄えていない状況です。⑦【施設利用率】昨年度は上小阪配水場の更新工事が完工したことにより大幅に上昇しましたが、再び水需要の減少により1.0ポイント低下し、依然として類似団体平均値より低い水準となっています。⑧【有収率】水道施設の適切な維持管理による漏水防止対策や効率的な送配水運用により、類似団体平均値と比べて高い水準を維持しています。
老朽化の状況について
①【有形固定資産減価償却率】昨年度は上小阪配水場の更新工事が完了したことにより、単年度としては低下しましたが、今なお高度経済成長期に市の発展と合わせて整備された水道施設や管路が多く存在するため、上昇傾向にあります。②【管路経年化率】管路更新ペースを上回る速さで法定耐用年数を超過した管路の割合が多くなり、類似団体平均値を上回る数値となっています。③【管路更新率】未整備地域の解消のため例年よりも新設管を布設したことに加え、更新工事を翌年度に繰り越したことから、昨年度と比べて0.2ポイント低下し類似団体平均値を下回っています。
全体総括
令和3年度は、給水収益は昨年度より増収となったものの、依然としてコロナ禍による影響を受けており、有収水量は減少し続けています。計画的な漏水調査による有収率の向上や、建設工事費のコスト削減など様々な経営改革に取り組むことで、経常収支比率は100%を超えており、一定の健全経営に努めていますが、料金回収率は100%下回る状況が続いており、財政は逼迫状態にあります。老朽化の状況において、管路の老朽化度合は、類似団体平均値より低い水準で推移しており、更なる管路更新のペースアップが必要です。今後は「ひがしおおさか水道ビジョン2030」に基づき、計画期間中に適正な水道料金への見直しを行うとともに、水道施設の老朽化への対応については管路更新率を段階的に1.0%まで引き上げるなど必要な事業を着実に推進することで、健全経営に努めてまいります。