経営の健全性・効率性について
下水道の面整備を最優先として事業を進めてきたことや、今後も建設事業の財源に企業債を予定しているため、企業債残高及び償還額の増加が見込まれるが、整備済みの処理区域における水洗化率に関しては、町独自施策である接続工事普及奨励金の活用や普及啓発活動の成果により高位で推移している。一方、多額の企業債償還がネックとなり、本来下水道使用料収入で賄うべき資本費の不足分を一般会計からの繰り入れ金に依拠しているのが実情であり、企業債の償還ピークを今後に控える状況と相まってさらなる繰り入れ金の増加が考えられるが、整備区域の拡大と水洗化率の向上による増収要因だけにとどまらず、経費回収率の向上による収入構造の抜本的改善が必要と考える。加えて、地方公営企業法の適用を行っていく中で、資産管理の適正化を図りつつ、さらなる事業効率化及び経営の健全化を進めていく。
老朽化の状況について
平成27年度の管渠改善率は新設投資が含まれている。本町ではマンホールや管渠等下水道施設は古いもので供用開始後約30年程度経過しているが、現状では著しい劣化や損傷は見られない。今後は下水道施設の長寿命化を検討し、施設維持・管理を図る。
全体総括
一定の整備を終えた状況下で、面整備の進捗に起因する下水道使用料収入の増加が見込めないことに加え、企業債償還額の増加及び維持管理費の増大によって事業経営はますます厳しさを増していくと考える。平成31年4月からの地方公営企業法の全部適用を機に資産管理の適正化を促進しつつ、収益構造の転換を推し進めて事業経営の健全性及び持続性を確保していく。