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2011年度
2010年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2020年度)
財政力
財政力指数の分析欄
本市では,大学生が多いなど納税者の割合が低いことや,古い木造家屋・低層の建物が多く固定資産税が少ないことなどの特性により,財政基盤が構造的に脆弱であるため,類似団体の平均値を下回っている。今後,令和3年8月に策定した「行財政改革計画」に基づき,都市の成長戦略と行財政改革を一体的に推進し,地域経済の活性化,市民所得向上による税収増を図るなど,財政力の強化に取り組んでいく。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
経費節減に取り組んでいるものの,依然として人件費,扶助費といった義務的経費の比率が高いことから高水準で推移している。当該要因としては,市域が広大である,文化財が多いといった都市特性を有すること,これまで福祉,教育,消防等の分野において,京都市独自の重要政策の推進に取り組んできたことなどで,人件費や扶助費について比率が高くなっている。また,令和2年度においては,地方交付税や地方税が大きく減少したため,経常収支比率は悪化している。今後も障害者福祉費や医療費などの社会福祉関連経費の増加が見込まれるため,令和3年8月に策定した「行財政改革計画」に基づき,自主財源の確保や総人件費の削減など,財政構造の転換を図る取組を進めていく。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
本市では,人件費について,他都市と比較して,職員数が多いことや,職員の平均年齢が高いこと,退職者数が多く退職手当が多くなっていることなどから,類似団体の平均を上回っている。また,令和2年度は,GIGA端末整備や新型コロナウイルス感染症対策のため,令和元年度に比べ物件費が増加しているため,人口1人あたりの人件費・物件費等決算額が増加している。令和3年度からは,「行財政改革計画」に掲げる職員数の適正化や時間外勤務の縮減等を推進するとともに,物件費等についても引き続き削減に努めていく。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
職員の給与水準は,本市の人事委員会からの勧告及び報告を踏まえて,適宜給与の改定を行い,市内民間企業における給与水準との均衡を図ってきている。なお,令和3年4月1日時点の指数は,令和3年4月から実施している臨時的な給与カットの影響等により,前年度の値を大きく下回った。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
市域が広大であることや,文化財・木造家屋が多いといった都市特性があり,教育(文化),消防等の分野において職員の配置を充実させていることから類似団体の平均を上回っている。また,これまでから職員数適正化に取り組んできたものの,類似団体においても職員数の削減が進められたことから,依然として平均との乖離の解消には至っていない。引き続き,市民のいのちと暮らしを守るために必要な執行体制を確保しつつ,事業見直し,民営化,委託化,デジタル化等による業務効率化などによって,行財政改革計画に掲げる職員数適正化を推進する。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
償還を迎える満期一括債の元利償還金の増加等により,前年度と比較し,実質公債費比率が増加した。これに加え,地下鉄事業への経営健全化出資債,退職手当債,行政改革推進債など地方交付税措置のない特例的な市債の発行や公債償還基金の取崩しにより,類似団体平均値を上回っている。令和3年度に策定した「行財政改革計画」に基づき,市債残高の適切なコントロールに取り組んでおり,引き続き比率の改善に努めていく。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
新型コロナウイルス感染症対策である徴収猶予特例債や,調整債の発行に加え,公債償還基金の計画外の取崩しにより,将来負担額が増加し,類似団体平均値を上回っている。今後は,令和3年8月に策定した「行財政改革計画」に基づき,行政の効率化など行政内部の改革を徹底して行ったうえで,経費の節減,事業費の圧縮に努めることにとどまらず,社会経済状況の変化や時代の潮流をとらえて,施策を持続可能なものに再構築することを基本とした改革を推進し,引き続き比率の改善に努めていく。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)
人件費
人件費の分析欄
本市では,他都市と比較して,職員数が多いことや,職員の平均年齢が高いこと,退職者数が多く退職手当が多くなっていることなどから,人件費の経常収支比率が類似団体平均を上回っている。職員数について,適正化に取り組んできたものの,類似団体においても職員数の削減が進められたことから,依然として平均との乖離の解消には至っていないことが一因である。なお,平成29年度からは府費負担教職員給与費移管の影響により,占有率が大きく上昇している。(他の費目はその影響で減少)引き続き,行財政改革計画に掲げる職員数の適正化や時間外勤務の縮減等を推進し,人件費の削減に努めていく。
物件費
物件費の分析欄
本市では,これまでから保育所数に占める民間設置箇所数の割合が高く,保育所運営費にかかる所用額を扶助費で計上してるため,物件費計上額が少ない特徴があり,類似団体平均を下回っている。また,令和2年度は令和元年度に比べ,公債費が減少したため,相対的に物件費の経常収支比率が増加している。今後も,令和3年8月に策定した「行財政改革計画」に基づき,抑制に努めていく。
扶助費
扶助費の分析欄
障害者福祉費にかかる扶助費が多いこと及び保育所数に占める民間設置箇所数の割合が高く保育所運営費に掛かる扶助費が多いことなどから高率となっている。主に国制度に基づく事業が多いが,運営面における課題が無いかなど点検を行っていく。
その他
その他の分析欄
本市において,最も大きいのは繰出金である。繰出金については,高齢化率が28.2%(令和2年度国勢調査時点)と進展しており,後期高齢者医療特別会計や介護保険事業特別会計への繰出金により多くなっている。
補助費等
補助費等の分析欄
本市では,「京都市補助金等の交付等に関する条例」に基づき,補助金等の交付状況を公開するなど,市民目線に立った適正化の取組みを行っており,近年は類似団体平均と比較するとほぼ同水準まで減少している。また,令和3年8月に策定した「行財政改革計画」に基づき,補助金の一斉見直しを行い,更なる抑制に努める。
公債費
公債費の分析欄
平成29年度以降,教職員給与費移管,税収増等により経常一般財源が増加したことで,比率が低下している。類似団体平均値と比較すると概ね同水準で推移している。「はばたけ未来へ!京プラン」実施計画第2ステージ(平成28年度~令和2年度)に基づき,市債残高の適切なコントロールに取り組んできた。令和2年度は令和元年度に比べ,当該年度の償還額が減少したため,公債費の経常収支比率は減少している。令和3年度以降も,令和3年8月に作成した「行財政改革計画」において,引く続き,市債残高の適切なコントロール及び縮減に取り組んでいく。
公債費以外
公債費以外の分析欄
総人件費を削減しているものの,依然として民間保育所運営措置費をはじめとした社会福祉関連経費等は増加しており,義務的経費である人件費及び扶助費の比率が類似団体平均値を上回る数値で推移しており,硬直化した財政状況が続いている。引き続きコストの削減に取り組むとともに,都市の成長戦略を推進し,経済を活性化させることで,市民所得の向上や中小企業活性化につなげるなど,歳入の増加を図っていく必要がある。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)
目的別歳出の分析欄
目的別に見た住民一人当たりコストについては,類似団体と比較した場合,「民生費」(2位),「消防費」(2位),「諸支出金」(4位)が高く,逆に「労働費」(20位),「土木費」(18位)が低くなっていることが特徴として挙げられる。これらの項目の主な理由は以下のとおり。<高いもの>◆民生費…障害者福祉等の充実に取り組んでいることによる◆消防費…消防署の立替えなど投資的経費の増加による◆諸支出金…地下鉄事業に対して経営健全化計画に基づき,多額の健全化出資金を繰り出していることによる<低いもの>◆労働費…勤労者福祉会館等の施設を有していないことに加え,雇用対策事業特別会計の廃止により平成28年度以降は減少している。◆土木費…市債残高の縮減に向けて投資的経費の規模を的確にコントロールしていることによる
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)
性質別歳出の分析欄
性質別に見た住民一人当たりコストについては,類似団体と比較した場合,「人件費」(2位),「貸付金」(2位),「補助費」(3位)などが特に高く,逆に「物件費」(20位),「普通建設事業費」(19位)が低くなっていることが特徴として挙げられる。これらの項目の主な理由は以下のとおり。<高いもの>◆人件費…市域が広大であることや文化財・木造家屋が多いといった都市特性から,教育(文化),消防等の分野において職員の配置を充実させていることによる◆貸付金…新型コロナウイルス感染症対策として中小企業等を支援するための融資制度預託金が増加したことによる◆補助費…特別定額給付金の支給による大幅な総額の増のほか,これまでから本市独自の補助金を交付してきたことによる<低いもの>◆物件費…保育所に占める民営保育所の割合が高いことや,公設施設の民営化を進めていることなどによる◆普通建設事業費…市債残高の縮減に向けて投資的経費の規模を的確にコントロールしていることによる
実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)
分析欄新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響から,市税などの一般財源収入や使用料が減収となった一方,引き続き社会福祉関連経費は増大しており,実質収支はマイナスとなった。なお,資産活用などの行政改革を徹底してもなお不足する財源は,公債償還基金を取り崩して対応しており,令和元年度決算に引き続き,極めて厳しい財政状況となっている。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)
分析欄令和元年度に引き続き,連結実質収支は黒字を維持しているものの,コロナ禍の影響等による高速鉄道事業や一般会計の赤字などにより,黒字額は昨年度と比較して大幅に減少している。特に赤字比率の高かった高速鉄道事業特別会計においては,新型コロナウイルス感染症の拡大により,運輸収益が大幅に減少したため,日々の安全運行に直接関わらない混雑対策事業の中止などにより経費削減に努めたものの,減価償却費等が増加したことなどにより,平成26年度以来の赤字となるとともに,累積資金不足は過去最大となった。今後も,厳しい財政状況が見込まれるが,行財政改革を着実に推進し,引き続き,連結ベースでの財政健全化に向けた取組を進めていく。
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実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)
分析欄地下鉄事業への経営健全化出資債,退職手当債,行政改革推進債など地方交付税措置のない市債の発行規模が大きいことや,財源不足の補てんのために公債償還基金の取崩しを行ってきたことなどが影響し,実質公債費比率が類似団体よりも高くなっている。令和3年度に策定した「行財政改革計画」に基づき,市債残高や職員数の更なる適正化などに取り組んでおり,引き続き比率の改善に努めいていく。
分析欄:減債基金減債基金積立相当額の積立ルール(発行額の3.3%を30年間積立)と本市の積立ルール(5年据置後,発行額の4%を25年間積立)が異なること,年度を超えた一般会計への貸し付けや特別の財源対策による取崩を行っていることから,減債基金残高と減債基金積立相当額に乖離が生じている。
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将来負担比率(分子)の構造(2020年度)
分析欄新型コロナウイルス感染症対策である徴収猶予特例債や,調整債の発行に加え,公債償還基金の計画外の取崩しにより,将来負担額が増加し,将来負担比率を類似団体よりも押し上げる要因となっている。今後は,令和3年8月に策定した「行財政改革計画」に基づき,行政の効率化など行政内部の改革を徹底して行ったうえで,経費の節減,事業費の圧縮に努めることにとどまらず,社会経済状況の変化や時代の潮流をとらえて,施策を持続可能なものに再構築することを基本とした改革を推進し,引き続き比率の改善に努めていく。
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基金残高に係る経年分析(2020年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)・寄附金等の増収により「京都みらい夢基金」に374百万円,「新型コロナウイルス感染症対策支援支え合い基金」に694百万円を積み立てた一方,「社会福祉事業基金」から社会福祉事業等のために503百万円,「公共施設等整備管理基金」から公共施設及び効用施設の整備管理事業等のために627百万円,「市営住宅基金」から市営住宅管理運営等のために598百万円を取り崩したこと等により,基金全体としては1,691百万円の減となった。※決算統計の集計上の都合で,令和元年度末の財政調整基金の残高及びその他特定目的基金には,調整額が含まれている。財政調整基金:20百万円その他特定目的基金:-130百万円(今後の方針)・ふるさと納税寄付金等の寄付金による基金への積立を増額できるよう努めていく。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)・令和元年度に引き続き,一般財源の不足へ充当するために全額取り崩したため,残高は0円。(今後の方針)・大規模災害が発生した場合に万全の万策を講じるためには,過去の補正予算に要した一般財源を踏まえると,少なくとも数十億円の残高は必要と考えている。しかし,特別の財源対策として,減債基金を取り崩しているため,同基金の枯渇回避が当面の課題である。
減債基金
減債基金
(増減理由)・満期一括償還に係る積立金以外の残高は0円で推移。(今後の方針)・過去から行ってきた減債基金の計画外の取り崩し(特別の財源対策)について,行財政改革計画に基づき令和15年度までに脱却できるよう努めていく。・満期一括償還に係る積立金については,本市の積立ルールに基づき,適切に積立を行う。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)【残高の多い主な基金の目的】・市営住宅基金:本市市営住宅及びその共同施設の建設,修繕又は改良を図るための事業の実施に必要な資金を積み立てる。・文化観光資源保護基金:本市内に存ずる文化観光資源の保護事業推進の資金を積み立てる。・文化芸術振興基金:市民の文化の発展及び文化芸術の振興に寄与する事業の実施に必要な財源に充当する。・公共施設等整備管理基金:公共施設等の整備及び管理に関する事業の実施等に必要な財源に充当する。・社会福祉事業基金:本市における社会福祉事業の推進に必要な財源に充当する。(増減理由)・京都みらい夢基金:本市が定める基本的計画推進事業へ充当するため,72百万円を取り崩した一方で,寄付金等374百万円積み立てたことにより,残高は424百万円の増加となった。・新型コロナウイルス感染症対策支援支え合い基金:新型コロナウイルス感染症対策対策事業へ充当するため,491百万円を取り崩した一方で,寄附金等694百万円を積み立てたことにより,残高は203百万円増加となった。・市営住宅基金:財産運用収入等により184百万円積み立てた一方で,市営住宅管理運営等へ充当するため,598百万円を取り崩したことにより残高が414百万円減少となった。・公共施設等整備管理基金:寄附金等により170百万円積み立てた一方で,公共施設及び効用施設の整備管理事業等のために627百万円取崩したことにより残高が457百万円減少となった。(今後の方針)・ふるさと納税寄付金等の寄付金による基金への積立を増額できるよう努めていくとともに,基金の目的に応じ適正な管理を行っていく。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
庁舎や市営住宅など、公共施設の老朽化が進んでおり、類似団体平均値を若干上回っている。施設の長寿命化に向けた計画的な設備更新のほか、公共施設の集約化による保有量の最適化など、適切な保有資産のマネジメントを進めていく必要がある。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
地下鉄事業への経営健全化出資債、退職手当債、行政改革推進債など地方交付税措置のない特例的な市債の発行額が多いことなどにより、類似団体平均値を上回っている。引き続き、令和3年度に策定した「行財政改革計画」に基づき、市債残高の縮減に取り組むとともに、歳入増加(都市の成長戦略の推進による税収増等)及び歳出削減(人件費の削減、事業見直し)などの行財政改革を進めていく必要がある。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
類似団体と比較すると、将来負担比率だけでなく、有形固定資産減価償却率も上回っており、今後、公共施設の老朽化改修等の必要性がますます高まっていくことを踏まえると将来負担比率は、類似団体との乖離がさらに広がっていく可能性がある。このため、引き続き、歳入・歳出両面において行財政改革を進めることで、財政の健全化を図りつつ、計画的な設備更新、公共施設の集約化など、適切な保有資産のマネジメントについても、合わせて進めることで、持続可能な財政運営を目指していく。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
新型コロナウイルス感染症対策である徴収猶予特例債や、調整債の発行に加え、公債償還基金の計画外の取崩しにより、将来負担額が増加し、将来負担比率を類似団体よりも押し上げる要因となっている。また、償還を迎える満期一括債の元利償還金の増加等により、前年度と比較し、実質公債費比率が増加した。今後は、令和3年8月に策定した「行財政改革計画」に基づき、市債残高の適切なコントロールに取り組んでおり、引き続き比率の改善に努めていく。
施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)
施設情報の分析欄
本市の公共建築物は、昭和40年代から50年代にかけて集中的に整備されており、全体的に老朽化が進んでいる。本市では平成27年3月に京都市公共施設マネジメント基本計画を策定し、長寿命化や施設保有量の最適化を進めている。ほとんどの類型において、有形固定資産減価償却率は類似団体平均を上回っているが、各個別計画に基づき、老朽化が進んでいる施設については、統廃合等を計画的な保全による長寿命化や施設保有量の最適化を図っていく。
施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)
施設情報の分析欄
有形固定資産減価償却率は類似団体と比較して、8項目中、2項目が平均を上回っているが、それぞれ公共施設等について個別施設計画を策定済みであり、当該施設計画に保有施設の適正な施設管理に取り組んでいる。その他の施設についても京都市公共施設マネジメント基本計画、各個別施設計画に基づき、保有施設の適正な施設管理に取り組んでいる。
財務書類に関する情報①(2020年度)
1.資産・負債の状況
・一般会計等の固定資産については、耐用年数の経過による資産価値の目減りや売却による減少等が、新規取得資産額を上回ったことにより120億円減少。一方で、流動資産は、資産の売却等で119億円増加し、資産全体としては1億円の減少となった。また、負債については、臨時財政対策債を311億円発行したことにより市債残高が152億円増加したことなどから、負債全体としては172億円の増加となった。なお、臨時財政対策債を除く市債は41億円減少している。・公営企業会計等を加えた全体では、有形固定資産の老朽化等により、資産合計が66億円減少した。一方、負債については、公営企業の割賦未払金が減少したものの、一般会計等における負債の増加を影響を受けて、負債合計は169億円の増加となった。・連結は、流動資産について、京都後期高齢者医療広域連合への交付金により現預金が増加したものの、資産総額は23億円減少、負債総額は171億円の増加となった。
2.行政コストの状況
・一般会計等については、令和元年度と比較し、業務費用が、施設の維持修繕費やGIGAスクール構想に係る経費の増などにより182億円の増加、移転費用が、新型コロナウイルス感染症対策に係る特別定額給付金の実施などにより1,582億円の増となった結果、純行政コストは1,807億円の増加となった。・全体では、公営企業の新型コロナウイルスの影響による経常収益の減少等により、純経常行政コストは1,923億円増の1兆680億円、純行政コストは1,997億円増の1兆779億円となった。・連結では、全体での経常収益減少等に加え、京都府後期高齢者医療広域連合における社会保障給付支出高止まり等により、純経常行政コスは、1,871億円増の1兆2,193億円、純行政コストは1,940億円増の1兆2357億円となった。
3.純資産変動の状況
・一般会計等については、令和元年度と比較して、業務費用が、施設の維持修繕費やGIGAスクール構想に係る経費の増などにより182億円の増加、移転費用が、新型コロナウイルス感染症対策に係る特別定額給付金の実施などにより1,582億円と増となった結果、純行政コストは1,807億円の増加となりました。一方、財源については、税収等の減により1,645億円の増加にとどまり、当該年度のコストと収入のバランスを示す本年度差額は△344億円(前年度より162億円悪化)した。なお、資産評価差額等の170億円を加えた、最終的な本年度純資産変動額は、174億円の減少となった。・全体については、公営企業の新型コロナウイルスの影響による経常収益の減少等により、純行政コストは1,997億円増の1兆779億円となり、財源は1,723億円増の1兆779億円となった。本年度純資産変動額は、後期高齢者医療特会の保険料収入の増加、資産評価差額の影響等により、33億円減少の△235億円にとどまった。・連結については、全体での経常収益の減少等に加え、京都府後期高齢者医療広域連合における社会保障給付支出の高止まり等により、本年度差額は昨年度と比べて△194億円悪化した。本年度純資産変動額は昨年度に比べて150億円増加の△194億円であり、純資産額は1兆9871億円となっている。
4.資金収支の状況
・一般会計について、業務活動収支は、新型コロナウイルス感染症対策に係る特別定額給付金の実施に伴い、支出、収入とも大幅に増加しているが、施設の維持修繕費やGIGAスクール構想に係る経費の増などにより、216億円悪化した。投資活動収支は、新型コロナウイルス感染症対策に伴う中小企業融資制度預託金の大幅増により、支出、収入とも大幅に増加しているが、公共施設等整備支出の減等により、274億円改善した。なお、財務活動収支は、前年度並み(1億円の増)となった。・全体については、令和元年度と比較すると、業務活動収支は一般会計等における悪化の影響を受けて269億円減少し、投資活動収支は、公営企業による貸付金の回収等の影響により、赤字額が244億円減少した。また、財務活動収支は、公営企業において地方債償還支出が減少し、146億円改善した。・連結については、業務活動収支は、京都市土地開発公社の土地売却収入増加、京都後期高齢者医療広域連合への交付金の増加等により、全体会計と比較して、129億円改善した。また、財務活動収支は、外郭団体の自立化による財務活動支出の減少等により、全体会計に比べて、48億改善した。
財務書類に関する情報②(2020年度)
1.資産の状況
・本市の令和元年度の住民1人当たり資産額260.6万円、有形固定資産減価償却率65.2%は類似団体平均値と概ね同水準である。有形固定資産減価償却率は令和元年度と比較して1.2ポイント増加しており、資産の老朽化が改善されていないことを示している。今後、限られた財源の中で、全ての資産を建替えなどにより更新することは困難なため、効率的かつ効果的な修繕や保有量の精査が必要になっている。
2.資産と負債の比率
・本市の令和2年度の将来世代負担比率は34.3%であり、類似団体平均値24.7%を上回っている。本市では地下鉄事業への健全化出資債、退職手当債などの資産形成につながらない地方債を多く発行していることも比率が高い要因の一つとなっている。今後も資産の老朽化が進むことや臨時財政対策債の増加により、更に比率が上昇する見込みである。限られた財源の中、新規取得等により固定資産額を維持していくことは難しい。負債の削減を進めることで比率の上昇を抑えていく必要がある。
3.行政コストの状況
本市の令和元年度の住民一人当たり行政コストは57.4万円であり、類似団体平均値52.9万円と比較し、高い数値となっている。・令和元年度から令和2年度では、13.2万円増加している。これは、新型コロナウイルス感染症対策に係る特別定額給付金の実施の影響等である。また、今後も社会保障給付等の増加傾向が続くと予想されることから、中長期的な展望に基づき歳出改革を進める必要がある。.
4.負債の状況
本市の令和元年度の住民一人当たり負債額は120.6万円であり、類似団体平均値86.6万円よりも高い水準となっている。また負債額は年々増加傾向にある。本市では、地下鉄事業への経営健全化出資債や退職手当債などの発行により負債額が類似団体と比較して高水準になっている。選択と集中による投資事業のコントロールにより、市債の発行を抑制していく必要がある。
5.受益者負担の状況
・本市の令和2年度の受益者負担比率は3.9%であり、昨年度に引き続き類似団体平均値4.8%を下回っている。・今後も事業、施設ごとに適正な受託者負担を検討していく必要がある。
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