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大学生が多く納税者の割合が低いことや,古い木造家屋・低層の建物が多く固定資産税が少ないことなどの特性により,財政基盤が構造的に脆弱であるため,類似団体の平均値を下回っている。都市の成長戦略と行財政改革を一体的に推進し,経済を活性化させることで,市民所得の向上や中小企業活性化につなげ,税収増にもつなげていく。
総人件費の削減に取り組んでいるものの,依然として人件費,扶助費といった義務的経費の比率が高いことから,高い水準で推移している。人件費の比率が高い要因は,市域が広大である,文化財・木造家屋が多いといった都市特性を有すること,これまで福祉,教育,消防等の分野において,京都市独自の重要政策の推進に取り組んできたことなどで,人口千人当たりの職員数が多いことによるものである。また,扶助費については,障害者福祉費にかかる扶助費が多いこと及び保育所数に占める民間設置箇所数の割合が高く保育所運営費にかかる扶助費が多いことによるものである。今後も障害者福祉費や医療費などの社会福祉関連経費の増加が見込まれるため,「はばたけ未来へ!京プラン」後期実施計画(28年度~32年度)に掲げる自主財源の確保や総人件費の削減など,財政構造の転換を図る取組を進めていく。
「はばたけ未来へ!京プラン」実施計画(24年度~27年度)に基づいた職員数の削減などにより,人口1人当たり人件費・物件費等の減少に努めているが,依然として高い状況にあり,類似団体平均値も上回っている。今後も,「はばたけ未来へ!京プラン」後期実施計画(28年度~32年度)に基づき,効率的で効果的な人員配置による職員数の削減,時間外勤務の縮減等を行い,更なる総人件費の削減に努めていくとともに,物件費等についても引き続き抑制に努めていく。
平成28年度(平成29年4月1日時点)の指数は,本市における給与制度の総合的見直しの影響等により,前年度の値を下回った。今後も引き続き,本市の人事委員会からの勧告及び報告を踏まえて,適宜給与の改定を行い,市内民間企業における給与水準との均衡を図っていく。
市域が広大である,文化財・木造家屋が多いといった都市特性を有すること,これまで福祉,教育,消防等の分野において,京都市独自の重要政策の推進に取り組んできたことなどにより類似団体平均に比べ高くなっているが,平成23年度に策定した部門別定員管理計画に基づき,平成24年度から,都市特性を踏まえた職員の配置など,これまでの経緯を考慮しつつ,政令指定都市に共通する事務事業については,全国で最も効率的な執行体制をめざすなど,平成24年度からの10年間に一般会計等で約1,400人の削減を目指している。このうち,平成27年度までの4年間については,京都市の都市特性を踏まえた水準の高い行政サービスを維持しつつも,公民の役割分担の見直しや,効率的な執行体制の構築などにより,一般会計等で721人の職員を削減した。今後も,「はばたけ未来へ!京プラン」実施計画第2ステージ(28年度~32年度)に基づき,新たに策定した部門別定員管理計画を着実に推進し,特に本市が他都市より突出して職員数の多い部門を中心に,抜本的な業務執行体制の見直しを行うなど,28年度から32年度までの5年間に一般会計等で当初の目標を上回る800人以上の削減を目指す。
教職員給与費移管に伴う財源移譲により標準財政規模が大幅に増加したことに加え,償還を迎える満期一括債の減少により元利償還金が減少したため,実質公債費比率は減少したものの,地下鉄事業への経営健全化出資債,退職手当債,行政改革推進債など地方交付税措置のない特例的な市債の発行や公債償還基金の取崩しにより,類似団体平均値を上回っている。「はばたけ未来へ!京プラン」実施計画第2ステージ(28年度~32年度)に基づき,市債残高の適切なコントロールに取り組んでおり,引き続き比率の改善に努めていく。
教職員給与費移管に伴う財源移譲により標準財政規模が大幅に増加したことに加え,市債残高の縮減や,ごみ処理施設整備の損害賠償請求に係る和解金を公債償還基金等に積み立てたことにより,将来負担額が減少したものの,地下鉄事業への経営健全化出資債,退職手当債,行政改革推進債など地方交付税措置のない特例的な市債の発行や公債償還基金の取崩しにより,類似団体平均値を上回っている。「はばたけ未来へ!京プラン」実施計画第2ステージ(28年度~32年度)に基づき,市債残高の適切なコントロールや職員数の更なる適正化などに取り組んでおり,引き続き比率の改善に努めていく。
「はばたけ未来へ!京プラン」実施計画(24年度~27年度)に基づいた職員数の削減などにより,人件費の経常収支比率の減少を図っているが,依然として類似団体平均を上回っている。これは,市域が広大である,文化財・木造家屋が多いといった都市特性を有すること,これまで福祉,教育,消防等の分野において,京都市独自の重要政策の推進に取り組んできたことなどによるものである。今後も,「はばたけ未来へ!京プラン」後期実施計画(28年度~32年度)に基づき,効率的で効果的な人員配置による職員数の削減,時間外勤務の縮減等を行い,更なる総人件費の削減に努めていく。
本市では,保育所数に占める民間設置箇所数の割合が高く,保育所運営費にかかる所要額を扶助費で計上していることから物件費が低いことや,これまでから保育所等の民営化推進,委託料の適正化等に取り組んできたことにより,類似団体平均を下回っている。今後も「はばたけ未来へ!京プラン」後期実施計画(28年度~32年度)に掲げる改革を徹底することで,抑制に努めていく。
障害者福祉費にかかる扶助費が多いこと及び保育所数に占める民間設置箇所数の割合が高く保育所運営費にかかる扶助費が多いことなどから,類似団体平均を上回っている。主に国制度に基づく事業が多いため,見直しには限界があるが,今後も,運用面における課題がないか点検を行っていく。
高齢化率が26.7%(平成27年度国勢調査時点)と進展しており,後期高齢者医療特別会計や介護保険事業特別会計への繰出金が多くなっていることから,類似団体平均値を上回る状況にある。
本市では,平成21年度決算から「京都市補助金等の交付等に関する条例」に基づき,交付状況を公開するなど市民目線に立った適正化の取組を進めていることに加え,事務事業評価を活用した見直しや外郭団体のあり方を検討する中で,補助費等は減少傾向にある。平成26年度は,京都市産業技術研究所(地場産業,伝統産業振興のための技術支援機関)の地方独立行政法人化(直営から交付金による運営に変更)により増加した。今後も「はばたけ未来へ!京プラン」後期実施計画(28年度~32年度)に掲げる本市外郭団体の改革等を行うなど,補助金等の見直しに引き続き取り組んでいく。
地下鉄事業への経営健全化出資債,退職手当債などの市債の償還が減少し,類似団体平均値を下回っている。今後も,「はばたけ未来へ!京プラン」後期実施計画(28年度~32年度)で掲げる市債残高の適切なコントロールにより,比率の改善に努めていく。
総人件費を削減しているものの,依然として民間保育所運営措置費をはじめとした社会福祉関連経費等は増大しており,義務的経費である人件費及び扶助費の比率が他都市を上回っているため,全体的に見ても財政の硬直度合いは,類似団体平均値を上回る状況にある。
(増減理由)○公共施設整備管理基金・・・焼却灰溶融施設の和解金の積立による増○美術館基金・・・ネーミングライツ収入の積立による増○財政調整基金・・・焼却灰溶融施設の和解金の積立,歳計剰余金の積立による増(今後の方針)まずは可能な限り,財政調整基金への積み立てを増額するように努めていくこととしている。
(増減理由)焼却灰溶融施設の和解金の積立,歳計剰余金の積立による増(今後の方針)全庁を挙げて歳出抑制・歳入確保を徹底することで,可能な限り実質収支の黒字を確保し,災害への備え等のため過去の実績等を踏まえ、まずは100億円程度を目途に積み立てていくことを予定している。
(増減理由)満期一括償還に係る積立金以外の残高はゼロで推移。(今後の方針)満期一括償還に係る積立金について,本市の積立ルールに基づき,適切に積立を行う。
(基金の使途)主な基金2~3個程度の使途○市庁舎整備基金市庁舎整備事業○公共施設等整備管理基金公共施設及び公用施設の整備及び管理に関する事業,また本市以外のものが行う公益性のある施設の整備及び管理に資する事業○文化芸術振興基金市民の文化の発展及び文化芸術の振興に寄与する事業(増減理由)平成29年度末残高の増減が大きかった主な基金○公共施設等整備管理基金焼却灰溶融施設の和解金の積立による増○美術館基金ネーミングライツ収入の積立による増(今後の方針)今後、増減が大きくなると見込まれる主な基金について、その増減理由○市庁舎整備基金新庁舎庁舎整備事業の進捗に合わせ,その財源として大幅に取り崩す見込のため○美術館基金京都市美術館整備事業の進捗に合わせ,その財源として大幅に取り崩す見込のため
庁舎や市営住宅など,公共施設の老朽化が進んでおり,類似団体平均値を若干上回っている。施設の長寿命化に向けた計画的な設備更新のほか,公共施設の集約化による保有量の最適化など,適切な保有資産のマネジメントを進めていく必要がある。
類似団体と比較すると,将来負担比率だけでなく,有形固定資産減価償却率も上回っており,今後,公共施設の老朽化改修等の必要性がますます高まっていくことを踏まえると将来負担比率は,類似団体との乖離がさらに広がっていく可能性がある。このため,引き続き,歳入・歳出両面において行財政改革を進めることで,財政の健全化を図りつつ,計画的な設備更新,公共施設の集約化など,適切な保有資産のマネジメントについても,合わせて進めることで,持続可能な財政運営を目指していく。
過去に発行した地下鉄事業への経営健全化出資債,退職手当債,行政改革推進債など地方交付税措置のない特例的な市債の償還に伴う負担が大きく,類似団体より実質公債費比率が高くなっている。また,これらの市債残高が多額に上ることが,将来負担比率を押し上げる要因となっている。これまで,「はばたけ未来へ!京プラン」に基づき,投資規模と市債発行額を適切にコントロールしており,臨時財政対策債を除く実質市債残高は年々,減少している。引き続き,こうした取組を着実に進め,比率の改善に努めていく。※平成29年度は教職員給与費移管に伴う税源移譲により,標準財政規模が大幅に拡大したため,全ての政令市において,数値が大きく改善している。
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