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社会保障経費等の支出が増加傾向にある一方で、平成29年度は景気回復の傾向を反映して税収が増加したため、財政力指数はグループ内平均を下回っているものの、都道府県平均より高い水準にあります。今後も、府税の徴収率の向上対策や府有資産の利活用等、自主財源の確保に努めます。
平成28年度は社会保障経費が増加する一方で、府税収入をはじめとする一般財源が大幅に減少し、府債管理基金への積立の抑制等により収支の黒字を確保したため、一時的に数値が改善する結果となりましたが、平成29年度も税収の増加等により、同水準で推移しています。厳しい財政状況が続く中、「府民満足最大化・京都力結集プラン(平成26~30年度)」に基づき、人件費の抑制や府民ニーズに即した事業の見直し、歳入確保の取組を行うことで、平成29年度は233億円の収支改善を達成しており、今後とも、持続可能な財政構造の確立に努めます。
平成29年度は府費負担教職員制度の見直し(京都市への移管)に伴い、人件費が大きく減少しています。京都府では、「府民満足最大化プラン(平成21~25年度)」において、給与費プログラムにより、給与構造改革や職員定数の削減(必要な部門には増員)、諸手当等の見直しを実施し、340億円の収支改善を図るなど、人件費総額を適切に管理してきました。「府民満足最大化・京都力結集プラン(平成26~30年度)」においても、社会環境の変化に対応して事業、組織・定数の柔軟かつ機動的な組み替えに取り組んでおり、平成29年度は233億円の収支改善を達成しています。
京都府では、従前から府独自の給与費プログラムによる総人件費抑制や給与構造改革による給与水準の引下げをはじめ、諸手当の抜本的な見直しを進めるほか、厳しい財政状況を考慮して、独自の給料月額のカット措置を実施しており、ラスパイレス指数は国の水準を下回る数値で推移しています。今後も、職務・職責を基本に勤務実績を的確に反映した給与制度という視点から給与水準の適正化に努めます。
府費負担教職員制度の見直し(京都市への移管)に伴い、平成28年度(平成29年4月1日現在)を境に減少しています。京都府では、給与費プログラムによる総人件費の抑制手法の一つに職員定数の削減を位置付け、総務事務の集中処理など、電子府庁の推進やアウトソーシングの活用を図ることにより、内部管理事務の抜本的見直しをはじめ、組織を簡素化する一方で、新たな課題に対して適時適切に応える職員配置に取り組んできました。今後も、「府民満足最大化・京都力結集プラン」に基づき、既存の事務・業務を徹底的に見直した上で、府民ニーズに対応する適切な職員配置に取り組みます。
府費負担教職員制度の見直し(京都市への移管)に伴う標準財政規模の減少等により、実質公債費比率は平成29年度単年度では悪化したものの、3箇年平均では改善しています。「府民満足最大化・京都力結集プラン(平成26~30年度)」では、30年度までに府債残高を税収等返済資金の約2倍の水準とすることを目標としており、平成29年度は約2.23倍となっています。
地方債現在高の増や、府費負担教職員制度の見直し(京都市への移管)に伴う標準財政規模の減少により、平成29年度は将来負担比率が悪化しています。「府民満足最大化・京都力結集プラン(平成26~30年度)」では、平成30年度までに府債残高を税収等返済資金の約2倍の水準とすることを目標としており、平成29年度は約2.23倍となっています。今後とも、府債発行規模の適正化を図り、持続可能な財政構造を確立していきます。
京都府では、知事部局等職員の人件費割合は低いものの、法令で定数が定められている教職員や警察官の職員数が職員数全体の4分の3を占めていることから、人件費の割合が高くなる構造にあり、グループ内平均値を上回る数値で推移してきましたが、平成29年度は府費負担教職員制度の見直し(京都市への移管)に伴い、割合が低下しています。こうした中、給与費プログラムにより、給与構造改革や職員定数の削減(必要な部門には増員)、諸手当等の見直しを実施し、平成21年度~25年度の取組期間には340億円の収支改善を図るなど、人件費総額を適切に管理しています。今後は、職員全員が高いモチベーションを持って、一丸となって府民満足の向上に取り組めるよう、働きやすい職場環境づくりや、適正な人事・給与制度の確立に向けた見直しを行うことなどに取り組みます。
「府民満足最大化プラン(平成21~25年度)」においては、京都指標等のベンチマークによって重点課題を絞り込み、府民満足につながる施策への集中投資などにより781億円の収支改善を達成しており、そうした事務事業の合理化等により経費の縮減に努めていることで、物件費の経常収支比率は、グループ内平均値よりも低い水準にあります。平成26年度に作成した「府民満足最大化・京都力結集プラン」では、平成26年度から30年度までの間に400億円程度の収支構造改善を図ることを目標としており、平成29年度は233億円の収支改善を達成しました。今後とも、進化するICTの積極的な活用等により仕事のやり方を抜本的に見直すなど、引き続き、低い水準で推移できるよう努めてまいります。
社会保障経費については増加傾向にあるものの、京都府では、市町村を通じて給付する事業が多く、補助費等が高くなる一方で、扶助費に係る経常収支比率はグループ内平均値より低い水準を保っています。引き続き、社会保障経費全体の中で動向を注視していく必要があると考えているところです。
その他に係る経常収支比率はグループ内平均を下回っているものの、維持修繕費については、老朽化による増加等も見込まれるため、公共施設の更新・維持管理に係る潜在的な財政需要を把握し、計画的な維持管理を推進するアセットマネジメントにより、施設等の維持修繕費を減らしながら、今後も適正な管理を継続していきます。
国民健康保険関係費や介護保険費負担金など社会保障関係経費の増等により、補助費等に係る経常収支比率は、グループ内平均値を上回っています。今後も高齢化の進展などにより、この傾向は続くことが見込まれるため、特に介護予防・健康長寿・未病改善の推進等により医療費の縮減などに積極的に取り組むほか、事業の見直しも引き続き、実施することで改善を図ってまいります。
公債費の経常収支比率は、公共事業をはじめとする投資的経費の重点化など公債費の抑制に努めてきた結果、近年は概ね一定の水準を保ってきましたが、平成28年度は社会保障経費が増加する一方で府税収入をはじめとする一般財源が大幅に減少し、府債管理基金への積立の抑制等により収支の黒字を確保したため、一時的に数値が大きく低下しました。平成26年度に作成した「府民満足最大化・京都力結集プラン」では、府債発行規模の適正化と新たな投資財源を確保するとともに税収増を目指し、社会資本ストックを形成している府債残高と税収などの返済資金との適正なバランスを実現させるため、平成30年度までに府債残高を税収等返済資金の約2倍の水準とすることを目標としており、平成29年度は約2.23倍となっています。
公債費以外の経常収支比率は、グループ内平均値とおおむね同じ水準で推移していますが、平成28年度は府税収入をはじめとする一般財源の減少、社会保障関係経費の増加等により、一時的に平均値より大きく悪化し、今後の社会保障関係経費の増加等による更なる悪化も想定されるところです。京都府では、平成26年度に作成した平成26年度から30年度までの間に400億円程度の収支構造改善を図ることを目標とする「府民満足最大化・京都力結集プラン」を着実に実行していくこととしております。
(増減理由)京都府では、厳しい財政状況を受け、一般財源化している基金を中心に取崩しを行い、財源として積極的に活用しています。平成29年度は平成30年度の国民健康保険の都道府県単位化を見据えた国民健康保険財政安定化基金への積立額を増額したこと等により、基金残高が増加しています。(今後の方針)基金残高の多くは国の制度による基金が占めており、今後も、制度の趣旨に則り、適切な積立て・取崩しを行ってまいります。
(増減理由)財政調整基金は、府民へのサービス還元のため積極的な事業展開を図るという観点から、近年、残高は増やしておらず、低額で推移しています。(今後の方針)平成30年度当初予算は骨格予算となったため、当初予算において25億円の積立てを行い、肉付け予算等の財源として平成30年度中に同額を取崩す予定です。
(増減理由)各年度とも基金残高はありません。(今後の方針)減債基金には、満期一括償還地方債の償還財源に充てるための積立てのみを行っています。
(基金の使途)・地域医療介護総合確保基金地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律第6条に規定する事業を実施するための基金・国民健康保険財政安定化基金国民健康保険法第81条の2第1項の規定に基づき、国民健康保険の財政の安定化を図るための基金・府民スポーツ振興基金スポーツ・レクリエーションの振興を図り、府民の健康の増進・体力の向上に資する事業を実施するための基金(増減理由)平成29年度は国民健康保険の都道府県単位化(平成30年度)を見据えた国民健康保険財政安定化基金への積立額を増額したこと等により、基金残高が増加しています。(今後の方針)厳しい財政状況を受け、一般財源化している基金を中心に取崩しを行い、財源として積極的に活用してきたため、基金残高の多くは国の制度による基金が占めており、今後も、制度の趣旨に則り、適切な積立て・取崩しを行ってまいります。また、府民スポーツ振興基金については、府立京都スタジアム建設に係る財源として、平成31年度に事業費に充当する予定です。
将来負担比率、実質公債費比率ともに、類似団体と比較して高く推移していますが、実質公債費比率は、府費負担教職員制度の見直し(京都市への移管)に伴う標準財政規模の減等により平成29年度単年度では悪化したものの、3箇年平均では改善しています。一方、将来負担比率は、府債残高の増や、府費負担教職員制度の見直し(京都市への移管)に伴う標準財政規模の減により悪化していますが、今後も引き続き、平成31年3月に策定した「行財政改革プラン」に基づき、防災・減災対策や地域経済活性化のために必要な将来への投資を確保しつつ、府債残高の適正管理を行ってまいります。
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