経営の健全性・効率性について
■経営の健全性①経常収支比率は、100%以上で推移しており、類似団体平均値と比較して良好な数値となっています。②累積欠損金比率については、令和2年度においても発生していません。③流動比率は、286.19%となっており、負債に対して約2.9倍の資産を保有しています。④企業債残高対給水収益比率は、平成20年度以降企業債の借入れを行っておらず、年々減少しています。令和2年度末は類似団体平均値259.56%に対して26.37%と約10分の1の値となっています。⑤料金回収率は、100%以上で推移しており、水道料金収入で費用を賄えているといえます。■経営の効率性⑥給水原価は、前年度と比較し減少しています。コロナ禍でのステイホームが習慣化し、生活用水量が大幅に増加した影響で年間総有収水量が増加したことが主な要因として挙げられます。⑦施設利用率は、70%台で推移しており、類似団体平均値を上回っています。⑧有収率は、95.40%で類似団体平均値を上回っており、前年度と比較し、ほぼ横ばいの数値となりました。★総括★令和2年度においても黒字経営となり、資金的にも余裕があり、支払い能力に関しても高いといえます。経常収支比率及び料金回収率が100%を超えており、また類似団体平均値を上回っているため、経営の健全性・効率性については良好であると判断できます。
老朽化の状況について
■施設全体の減価償却の状況①有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値を下回っており、前年度と比較し、新規取得資産が増加したため、数値が減少しました。■管路の経年化の状況②管路経年化率は、令和2年度においても類似団体平均値を上回り、今後も法定耐用年数を迎える管路が増えていくことが見込まれるため、この数値は上昇していくことが予測されます。■管路の更新投資の実施状況③管路更新率は、類似団体平均値を下回りましたが、導水管、送水管、配水管の更新が前年度と比較して進まなかったことが要因として挙げられます。★総括★管路経年化率は徐々に上昇しており、今後も上昇が予測されます。管路更新にあたっては、多額の投資が必要となることから、管種、漏水事故の発生状況及び漏水事故時の影響度を勘案して、更新の優先度を見極めながら計画的に実施していくことが必要となります。
全体総括
現状の分析において、財政面の健全性は確保されているといえますが、管路については今後も老朽化が進み、安定的な水道水の供給に支障をきたす恐れがあります。第2次水道施設整備計画(令和3年度~令和12年度)では、お客様に安定的な水道水を供給し続けるため、管路更新をメイン事業とし、漏水事故や水質事故等のリスクを減らし、将来予想される大規模地震にも備えていきます。財政面においては、企業債の借入れや、内部留保資金、補助金制度を積極的に活用するなどして、収入の確保を行っていきます。令和2年度経営戦略策定済、令和13年度改定予定。