経営の健全性・効率性について
■経営の健全性①経常収支比率は、100%以上で推移しており、類似団体平均値と比較して良好な数値となっています。②累積欠損金比率については、平成30年度においても発生していません。③流動比率は299.12%となっており、負債に対して約3倍の資産を保有しています。④企業債残高対給水収益比率は、平成20年度以降企業債の借入れを行っておらず、年々減少しています。平成30年度末は類似団体平均値255.12%に対して36.70%と約7分の1の値となっています。⑤料金回収率は、100%以上で推移しており、水道料金収入で費用を賄えているといえます。■経営の効率性⑥給水原価は、類似団体と比較して平均値を下回っていますが、県営水道からの水の購入費等の経常費用の増加幅が年間総有収水量の増加幅より大きかったため、上昇しています。⑦施設利用率は、70%台で推移しており、類似団体平均値を上回っています。⑧有収率は、95.00%で類似団体平均値を上回っています。漏水等不明水量が減少したことで総配水量も減少したことに伴い、有収率が上昇しています。★総括★平成30年度においても黒字経営となり、資金的余裕があり、支払い能力に関しても高いといえます。経常収支比率及び料金回収率が100%を超えており、また類似団体平均値を上回っているため、経営の健全性・効率性について良好であると判断できます。
老朽化の状況について
■施設全体の減価償却の状況①有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値を下回っていますが、年々上昇しています。■管路の経年化の状況②管路経年化率は、平成30年度も類似団体平均値を上回り、今後も法定耐用年数を迎える管路が増えていくことが見込まれるため、この数値は上昇していくことが予測されます。■管路の更新投資の実施状況③管路更新率は、類似団体平均値をわずかに下回りましたが、前年度と比較して上昇しています。★総括★今後も①有形固定資産減価償却率及び②管路経年化率の上昇が予測されることから、補助金や内部留保資金を活用して、経年化した水道施設や管路の更なる更新が必要となります。
全体総括
現状の分析において、財政面の健全性は確保されているといえます。今後、管路の老朽化の進行が予想されますが、安定的な水の供給を維持するため、経費の削減に努め、中長期的な視点に立ち、料金収入と企業債の借入れのバランスに配慮し、財源を確保しながら経営を行っていきます。現在、「第1次水道施設整備計画」(平成23年度~令和2年度)に基づき、現行水道料金水準を維持しながら財政の健全性確保に重点を置いて、重要度、緊急度の高い施設を優先的に整備を進めています。令和3年度以降の次期整備計画では、財政と施設双方の健全性を高めるために適正な資金管理を行い、施設の更新サイクルや老朽管路更新等の検討と併せて、企業債借入れ等の検討も行っていきます。また、引き続き、「安全」・「強靭」・「持続」はもとより、より効率的かつ効果的な事業運営を目指すための経営戦略を令和2年度を目途に策定中です。