愛知中部水道企業団:簡易水道事業(法適用)

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経営比較分析表(2014年度)

経営の健全性・効率性について

■経営の健全性経営成績(参考指標①経常収支比率②累積欠損金比率)経常損益は、100%以上(支出よりも収入が上回っており黒字)で推移しています。また、過去からの赤字額の累積である累積欠損金も発生していません。支払能力(参考指標③流動比率)流動資産の流動負債に対する割合は、平成26年度末で約350%となっており、負債(支払わなければならないお金)に対して3.5倍の資産(支払いに充てることができるお金)を保有しています。債務残高(参考指標④企業債残高対給水収益比率)配水管布設工事等の財源として、借入れたお金(企業債)の残高に対する給水収益(水道料金収入)の割合は、H20年度以降借入れを行っていないため、徐々に減少しており、H26年度末で62%、類似団体平均値283%と比べ約1/5の値となっています。料金水準の適切性(参考指標⑤料金回収率)給水にかかる費用がどの程度、水道料金収入で賄えているかを表す指標で、100%以上で推移しており、水道料金収入で費用を賄えています。■経営の効率性費用の効率性(参考指標⑥給水原価)有収水量(水道料金収入の基礎となる水量)1m3あたり、どれだけの費用がかかっているかを表す指標で、H25年度まで類似団体平均値を上回っていましたが、H26年度は下回りました。費用内訳をみると県営水道からの水の購入費、施設の減価償却費で約7割を占めており、固定的な費用割合が高くなっています。施設の効率性(参考指標⑦施設利用率)一日配水能力に対する一日平均配水量の割合で、70%台で推移しており、類似団体平均値を上回っています。供給した配水量の効率性(参考指標⑧有収率)有収水量の総配水量に対する割合で、94%前後で推移しており、類似団体平均値を上回っています。★総括★毎年度黒字が発生しており、資金的にも余裕があり支払能力も高いと言えます。企業債残高は、料金収入割合と比べ小さく、経営を圧迫するような状況にありません。また、給水にかかる費用も料金収入で賄えており、施設利用や配水も効率的に行われています。以上のことから、健全性・効率性とも良好であると言えます。

老朽化の状況について

施設全体の減価償却の状況(参考指標①有形固定資産減価償却率)配水池や水道管等の資産の減価償却がどの程度進んでいるかを表す指標で、類似団体平均値を下回っていますが、年々高くなっています。管路の経年化の状況(参考指標②管路経年化率)法定耐用年数(40年)を超えた管路延長の割合を表す指標で、類似団体平均値を僅かに上回っています。現在、老朽管の更新(布設替)を計画的に行っていますが、今後、創設期に布設した管が順次、耐用年数を迎えることから、経年化率は高くなる見込みです。管路の更新投資の実施状況(参考指標③管路更新率)当該年度に更新した管路延長の割合を表す指標で、類似団体平均値と同程度となっています。現在、老朽管更新の他に、基幹管路の耐震化等に伴う布設工事も行っており、総管路延長も伸びていることから、今後も更新率は横ばい傾向で推移する見込みです。★総括★減価償却率、管路経年化率からみた施設全体の老朽度は、それほど高くはありませんが管路更新率が高くないことから、今後施設の老朽度は上昇する見込みです。法定耐用年数は一応の目安であり、管の埋設状況等により実質的な耐用年数は変動します。そのため、今後は施設全体の更新需要の把握と中長期的な更新計画の策定が必要となります。

全体総括

現状の分析において、財政面の健全性は確保されていると言えますが、節水型社会の定着等により、水道料金収入は減少傾向で推移しており、経営環境は厳しくなることが予想されます。施設の健全性については、現在のままでは将来的に老朽化が進み、安定的な水の供給に支障をきたすおそれがあります。しかし、施設の更新には、莫大な費用がかかることから施設の健全度を上げようとすると、財政の健全度を下げることになりかねません。水道事業は、独立採算制となっており、費用の増大に伴う財源の確保は、水道料金収入や国からの借入金(企業債)に求めざるを得ませんが、安易な料金値上げ、借入れはできません。現在、「第1次水道施設整備計画」(H23年度~H32年度)に基づき、重要度、緊急度の高い管路等施設を優先的に整備を行っていますが、この整備計画は、現行料金水準を維持しつつ財政の健全性確保(黒字経営)に重点を置き施設整備を行う計画としています。平成33年度以降の次期施設整備計画の策定にあたっては、中長期的な視点に立ち、施設全体の更新需要の把握と人口推計や構成市町の総合計画を基にした、水需要予測等将来見通しの把握を行う予定としています。そうした中で、施設の健全性確保に重点を置き、「管路経年化率」「管路更新率」「管路耐震化率」等の指標を参考に更新サイクル、耐震化等の検討と併せ借入金(企業債)の検討、水道料金水準の見直しの検討も行い財政の健全度との均衡を図り、より健全な状態で次世代へ施設を引き継ぐための施設整備計画の策定をめざしていきます。

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