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令和元年度まではほぼ横ばいとなっているが、令和2年度以降は低下傾向となっている。平成30年度は、交付税算定上の県税収入が大幅に減少したことにより、基準財政収入額が減少したため、前年度から0.1ポイント低下した。令和元年度は、分子となる基準財政収入額は法人二税の増などにより増加したが、分母となる基準財政需要額も増加したため、同水準となった。令和2年度及び令和3年度は、新型コロナウイルス感染症の影響を見込んで算定された法人二税の減により分子となる基準財政収入額が減少したため、前年度から令和2年度は0.1ポイント、令和3年度は0.2ポイントそれぞれ低下した。
比率を算定する上で分子となる経常経費充当一般財源は、平成30年度以降増加を続けている。一方、分母となる経常一般財源のうち、県税収入が大きく増加した平成30年度は、経常収支比率が95.7%と前年に比べ3.4ポイント低下した。令和元年度は、扶助費的な補助費等の増により分子が増加したことに加え、県税収入の減などにより分母が減少したため、4.1ポイント上昇した。令和2年度は、分母が地方税及び地方譲与税の大幅な減収を減収補?債などの起債を活用して埋め合わせたことにより増加したものの、扶助費的な補助費等の増などにより分子が増加したため、0.2ポイント上昇した。令和3年度は、扶助費的な補助費等の増などにより、分子である経常経費充当一般財源は増加したものの、県税収入や地方交付税の増などにより、分母である経常一般財源の増が分子の増を上回ったため、前年度から10.8ポイントと大幅に低下した。なお、令和3年度は地方交付税の再算定が行われたことなどにより、全国的に同様の傾向となっている。
人口1人当たり人件費・物件費等決算額は、平成30年度以降、増加傾向にある。主な要因として、物件費については、平成30年度及び令和元年度はCSF(豚熱)対策経費によるもの、令和2年度及び令和3年度は新型コロナウイルス感染症関連経費によるものが挙げられる。人件費については、今後も「あいち行革プラン2020後半期の取組」に基づき、効率的かつ効果的な人員配置に取り組んでいく。
令和2年度(令和01欄)は、人事委員会勧告に基づき、県内地域手当の支給割合を2%引き下げ、引下げ分に応じて給料を引き上げた(給料と地域手当の入れ替えを実施した)ため、給料のみで国と比較するラスパイレス指数は、1.8ポイント上昇した。令和3年度(令和02欄)は、高齢層職員の昇給抑制措置の開始等により前年度より0.4ポイント低下した。職員の給与水準は県内民間給与との均衡を図ることを基本としており、本県においては県内の民間給与水準が高い傾向にあるため、都道府県平均よりも高い数値で推移する傾向にあるが、今後も「あいち行革プラン2020後半期の取組」に基づき、引き続き給与の適正化に取り組んでいく。
人口10万人当たり職員数は、職員数の大半を占める教育及び警察部門について国の法令等により配置基準が定められており、ほぼ一定水準で推移している。今後も「あいち行革プラン2020後半期の取組」に基づき、引き続き効率的かつ効果的な人員配置に取り組んでいく。
実質公債費比率は、令和2年度決算と比較して0.5ポイント低下した。これは、令和3年度単年度の比率(12.5%)が、前年度の算定に用いられた平成30年度単年度の比率(13.9%)と比較して1.4ポイント下回ったことにより、3か年平均(令和元~令和3年度)としても低下したものである。この主な要因は、公債費や公債費に準ずる債務負担行為等の減少などに伴う元利償還金等の減少により分子が減少したことに加え、標準財政規模の増加などにより分母が増加したためである。実質公債費比率については、引き続き健全な水準の維持に努めていく。
将来負担比率は、令和2年度決算と比較して、17.3ポイント低下した。これは、地方債現在高は増加したものの、将来負担額の控除要素となる充当可能基金や基準財政需要額算入見込額の増加などにより分子が減少したことに加え、標準財政規模の増加などにより分母が増加したためである。将来負担比率については、引き続き健全な水準の維持に努めていく。
平成30年度は、人事委員会勧告に伴う給与の増額改定により分子が増加したものの、県税収入の増に伴い分母も増加したことから1.2ポイント低下し、令和元年度は、県税収入の減などにより分母が減少したことにより1.3ポイント上昇した。また、令和2年度は、地方税及び地方譲与税の大幅な減収を減収補?債などの起債を活用して埋め合わせたことにより分母が増加となったことから0.4ポイント低下した。令和3年度は、人事委員会勧告に伴う給与の減額改定により分子が減少したことに加え、県税収入や地方交付税の増などにより分母が大幅に増加したことから4.8ポイント低下した。人件費については、今後も「あいち行革プラン2020後半期の取組」に基づき、効率的かつ効果的な人員配置に取り組んでいく。
平成29年度以降、概ね横ばいで推移している。令和元年度は、県税収入の減などにより分母が減少したことにより前年度から0.2ポイント上昇した。令和2年度は、基金の見直し(取崩型基金の活用)に伴う一般財源の減少などにより分子が減少したことに加え、分母が増加したことから0.2ポイント低下した。令和3年度は、県税収入や地方交付税の増などにより分母が大幅に増加したことから0.2ポイント低下した。
比率を算定する上で分子となる扶助費は、高齢化の進展等に伴い増加傾向にある。平成30年度は、名古屋市への権限移譲による指定難病医療給付費の減などにより0.2ポイント低下し、令和元年度は、児童扶養手当支給費の増などにより分子が増加したことに加え、県税収入の減などにより分母が減少したことから0.2ポイント上昇した。また、令和2年度は、地方税及び地方譲与税の大幅な減収を減収補?債などの起債を活用して埋め合わせたことにより分母が増加となったことから0.1ポイント低下した。令和3年度は、指定難病医療給付費の増などにより分子が増加したものの、県税収入や地方交付税の増などにより分母が大幅に増加したことから0.3ポイント低下した。
本県は、類似団体と比較して道路面積が大きいなどの要因により、維持補修費が高い傾向にあるため、その他の比率が高くなっている。平成30年度は、都道府県が国民健康保険の財政運営の責任主体となることに伴い、国民健康保険事業特別会計繰出金が皆増したことにより、前年度から2.7ポイント上昇した。令和元年度は県立病院事業会計貸付金の皆減により前年度から0.1ポイント低下し、令和2年度も横ばいで推移している。令和3年度は、県税収入や地方交付税の増などにより分母が大幅に増加したことから0.4ポイント低下した。
比率を算定する上で分子となる補助費等は、高齢化の進展に伴う後期高齢者医療事業費や介護給付費負担金といった義務的な経費の増などにより増加している。平成30年度は、上記の義務的な経費は引き続き増加したが、都道府県が国民健康保険の財政運営の責任主体となることに伴い国民健康保険財政調整交付金等が皆減したことにより、前年度から3.8ポイント低下した。令和元年度は、幼児教育の無償化に伴う施設型教育・保育給付費の増などにより2.1ポイント上昇し、令和2年度も引き続き施設型教育・保育給付費の増などに伴い分子が増加したことから1.3ポイント上昇した。令和3年度は、分子が引き続き増加したものの、県税収入や地方交付税の増などにより分母が大幅に増加したことから3.0ポイント低下した。
比率を算定する上で分子となる公債費は、近年における臨時財政対策債などの特例的な県債の大量発行の影響により、高止まりとなっている。平成30年度は、満期一括償還県債に係る減債基金への積立てなどにより分子が増加したものの、県税収入の増に伴い分母も増加したことから0.9ポイント低下し、令和元年度は、利子の減により分子が減少したものの、県税収入の減などにより分母も減少したことから0.4ポイント上昇した。また、令和2年度は、利子の減により分子が減少したことに加え、分母が増加したことから0.4ポイント低下した。令和3年度は、令和2年度に発行した猶予特例債の償還などにより分子が増加したものの、県税収入や地方交付税の増などにより分母が大幅に増加したことから2.1ポイント低下した。
平成30年度は、扶助費的な補助費等の増などにより分子が増加したものの、県税収入の増などによる分母の増加が分子の増加を上回ったため2.5ポイント低下した。令和元年度及び令和2年度は、引き続き扶助費的な補助費等の増などにより分子が増加したことや、令和元年度については県税収入の減による分母の減少もあったことから、それぞれ3.7ポイント、0.6ポイント上昇した。令和3年度は、扶助費的な補助費等の増などにより分子が引き続き増加したものの、県税収入や地方交付税の増などにより分母が大幅に増加したことから8.7ポイント低下した。扶助費や扶助費的な補助費等といった義務的な経費は縮減が容易ではないが、その他の経費については、今後も事務事業の見直しに取り組み、健全で持続可能な財政基盤の確立に努める。
(増減理由)・令和3年度末の基金残高は3,283億円となっており、前年度から547億円増加した。・これは、交付税の後年度減額精算に備えて財政調整基金に500億円積み立てたことなどが主な要因である。(今後の方針)・国と異なり、地方は収支均衡を図るための赤字債を自由に発行できないことから、年度途中の不測の財政需要への備えや年度間の財源調整手段として、一定規模の基金残高の確保は不可欠である。・財政調整基金及び減債基金については、「あいち行革プラン2020後半期の取組」に基づき、年度間の財源調整に的確に活用しつつ、年度途中の不測の財政需要に機動的に対応できるよう、基金残高の確保に努める。・その他特定目的基金については、計画的な積立てを行うとともに、各基金の目的に沿って、効果的・効率的に活用していく。
(増減理由)・令和3年度末の基金残高は1,454億円であり、前年度から500億円増加した。・これは、交付税の後年度減額精算に備えて500億円の積立てを行ったことによるものである。・愛知県には、他団体に比べ、年度によって県税収入が大きく変動※するという財政運営上の特徴があり、このため、歳入の上振れが生じた際には基金に積立てを行い、財源不足が生じた際にはこれを取り崩して対応している。・なお、令和3年度の愛知県の標準財政規模は全国で3番目となっているが、標準財政規模に対する財政調整基金の割合(10.1%)は全国で6番目である。(今後の方針)・毎年度の予算編成において多額の基金取崩しを計上する厳しい財政状況が継続しており、令和5年度当初予算では425億円の取崩しを計上している。・国と異なり、地方は収支均衡を図るための赤字債を自由に発行できないことから、年度間の財源調整手段として、また令和2年度以降、新型コロナウイルス感染症に対応するため累次の補正予算を編成してきた経験から、年度途中の不測の財政需要への備えとして、一定規模の基金残高の確保は不可欠である。・今後も「あいち行革プラン2020後半期の取組」に基づき、年度間の財源調整に的確に活用しつつ、年度途中の不測の財政需要に機動的に対応できるよう、基金残高の確保に努める。※県税の対前年度増減額(決算ベース)の絶対値を取り、過去20年平均すると808億円となる。過去には、平成20年度から21年度において3,730億円の減となったこともある。
(増減理由)・令和3年度末の基金残高は999億円であり、前年度からほぼ横ばいとなった。・愛知県には、他団体に比べ、年度によって県税収入が大きく変動するという財政運営上の特徴があり、このため、歳入の上振れが生じた際には基金に積立てを行い、財源不足が生じた際にはこれを取り崩して対応している。・令和3年度は、令和2年度と同様に利子収益の積立てのみを行った。(今後の方針)・毎年度の予算編成において多額の基金取崩しを計上する厳しい財政状況が継続しており、令和5年度当初予算では999億円の取崩しを計上している。・国と異なり、地方は収支均衡を図るための赤字債を自由に発行できないことから、年度途中の不測の財政需要への備えや年度間の財源調整手段として、一定規模の基金残高の確保は不可欠である。・今後も「あいち行革プラン2020後半期の取組」に基づき、年度間の財源調整に的確に活用しつつ、年度途中の不測の財政需要に機動的に対応できるよう、基金残高の確保に努める。
(基金の使途)地域医療介護総合確保基金:地域における医療及び介護の総合的な確保に関する事業の推進に必要な財源の確保。アジア・アジアパラ競技大会基金:第20回アジア競技大会及び第5回アジアパラ競技大会の開催に必要な財源の確保。文化振興基金:文化の振興並びに国際芸術祭「あいち」の開催及びその開催の目的に資する活動に対する支援に必要な財源の確保。(増減理由)地域医療介護総合確保基金:令和3年度は、国の負担金等(負担割合県1/3、国2/3)を38億円を積み立てた一方で、地域における医療及び介護の総合的な確保に関する事業に充当するため、64億円を取り崩したことにより、27億円減少した。アジア・アジアパラ競技大会基金:令和3年度に創設した基金であり、2026年の大会の開催に必要な財源を確保するため100億円を積み立てたことにより皆増した。文化振興基金:令和3年度は、文化振興事業の推進のため10億円を取り崩したことにより減少した。(今後の方針)地域医療介護総合確保基金:国予算の状況も踏まえ、毎年度、予算で定める額を積み立て、「医療介護総合確保促進法に基づく県計画」に位置付けた事業に充てるために取り崩す予定。アジア・アジアパラ競技大会基金:2026年の大会開催に向けて必要な財源を確保するため、計画的な積立てを行う予定。文化振興基金:毎年度予算で定める額を積み立て、文化芸術の振興に係る継続的かつ安定的な施策を展開するために取り崩す予定。
有形固定資産減価償却率はグループ内平均・都道府県平均より高くなっているが、本県では、令和4年3月に改訂した「愛知県公共施設等総合管理計画」に基づき、16の施設類型ごとに個々の施設の長寿命化対策を盛り込んだ個別施設計画を作成し、施設の安全・安心の確保を最優先に適切な維持管理を進めている。なお、本県では長寿命化対策が必要な資産9.4兆円のうち、全体の約60%弱が築30年以上を経過している(令和3年3月時点)。このうち、長寿命化対策による成果が反映されにくい「道路」が県有施設全体の4割強を占め、その有形固定資産減価償却率が78.1%と全体を押し上げる要因となっている。
各年度の数値の変動は、算定式の分母となる「経常一般財源等(歳入)等-経常経費充当財源等」の変動による影響を大きく受けている。令和3年度は地方交付税及び臨時財政対策債発行可能額が大幅に増加したことなどにより、分母が大きく増加したことから、債務償還比率は前年度から改善し、926.9%となった。また、他団体との比較では、グループ内平均・都道府県平均とほぼ同水準となっている。
将来負担比率は、令和3年度においては、地方債現在高は増加したものの、債務負担行為に基づく支出予定額の減少や地方債の償還に充てる基金残高の増加などにより、分子が減少した一方、標準財政規模の増加により分母が増加したため、前年度よりも低下し、令和2年度に引き続き、グループ内平均よりも低い水準となっている。一方で、有形固定資産減価償却率については、長寿命化対策による成果が反映されにくい「道路」が県有施設全体の4割強を占めており、その有形固定資産減価償却率が78.1%と全体を押し上げているため、グループ内平均・都道府県平均より高くなっている。本県としては、引き続き、「あいち行革プラン2020」に基づき、通常の県債の実質的な残高の維持・抑制に取り組み、将来負担を抑制するとともに、「愛知県公共施設等総合管理計画」に基づき、施設の適切な維持管理を進め、老朽化対策に取り組んでいく。
将来負担比率は、令和3年度においては、地方債現在高は増加したものの、債務負担行為に基づく支出予定額の減少や地方債の償還に充てる基金残高の増加などにより、分子が減少した一方、標準財政規模の増加により分母が増加したため、前年度よりも低下し、令和2年度に引き続き、グループ内平均よりも低い水準となっている。実質公債費比率については、公債費が高止まりの傾向にあり、横ばいの状態が続いていたが、令和3年度においては、元金償還額の減少に伴う公債費の減少や標準財政規模の増加などにより、前年度よりも低下した。近年の推移については、実質公債費比率はグループ内平均よりも高い水準にある一方で、将来負担比率については、平成28年度以降、グループ内平均よりも低い水準を維持している。引き続き、「あいち行革プラン2020」に基づき、通常の県債の実質的な残高を維持・抑制するとともに、基金残高の確保に努め、公債費負担に備える。
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