経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率は、ほぼ100%となっており、下水道事業が健全に運営されていることを表している。④企業債残高対事業規模比率は、平成23年度以降減少傾向にあり、類似団体の平均値より低くなっている。これは、市債償還費用がピークを過ぎたことから年々償還額が減少していることによるものである。⑤経費回収率は、類似団体の平均値を上回っており、100%以上を達成している。これは、使用料で下水道事業が賄えていることを示す数字で、使用料水準が適正であることを表している。また、⑥汚水処理原価は類似団体の平均値より下がっている。これは市債償還費用が減少してきたことに伴うものである。汚水処理原価が低くなれば経費回収率は高くなり、経営の効率性が高いことを表している。⑧水洗化率は、99.9%となっており、類似団体の平均値よりも高い数値となっている。これは、汚水処理が適切に行われていることを表している。
老朽化の状況について
③管渠改善率については、管渠の多くは、昭和50年代に整備されており、敷設から40年以上が経過し、老朽化が進んでいる。このため、効率的な整備と適切な維持管理を行うために、点検調査や工事等の予防保全対応のための計画を作成してきた。当市でも、この計画に基づき、汚水管をテレビカメラにより点検、調査し不良箇所の内面補修工事を実施することで、汚水管の長寿命化を図っている。
全体総括
下水道使用料収入については、人口減少や節水型社会への移行などから、厳しい状況が想定される。また、当市の普及率は99.6%であることから、今後下水道使用料が大幅に増加することは見込めない。一方、今後は管の老朽化に伴う調査及び内面補修工事などの増加が想定され、この費用の財源を確保していくことが不可欠である。こうしたことから、事業は計画的・効率的に実施し、適正な施設整備や工事コストの縮減などに努め、安定的な運営を地方公営企業法の適用化などの一層の経営の健全化に取り組んでいく。