調布市:公共下水道

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経営比較分析表(2019年度)

経営の健全性・効率性について

本市では,最終処理場はなく東京都が管理する流域下水道にて処理を行っていること,地形の高低差が少なく中継ポンプ場は1箇所のみであること,下水道管布設延長に占める合流管の割合が約93%であること,下水道人口普及率100%を達成している等の特性の下,管渠の維持管理を中心に下水道経営を行っています。①収益的収支比率は過去5年間にわたり100%を超えており,地方債償還費を含む費用を使用料・繰入金などの収益でまかなえています。④企業債残高対事業規模比率は,企業債借入額の抑制に努めた結果,微増で留まりました。なお,下水道整備時に借り入れた企業債の償還が進んだ結果,類似団体と比べ低い比率となっています。⑤経費回収率は,過去5年間にわたり類似団体と比べ高い比率となっています。⑥汚水処理原価は,過去5年間にわたり類似団体の約6割以内に留まっています。⑧水洗化率は99.97%で概ね100%を達成できています。これらのことから,現在は経営の健全性・効率性を維持できていると判断できますが,今後はストックマネジメント計画に基づく老朽化・劣化対策に係る費用の増加が見込まれるため,適正な事業規模を見定めていく必要があります。

老朽化の状況について

本市は昭和62年度に下水道人口普及率100%を達成したことから,現在は維持管理を中心に行っています。平成27年度から令和2年度にかけて下水道長寿命化事業を実施しており,③管渠改善率は,主にその実施状況を反映しています。今後は,標準耐用年数である50年を超過する管渠の割合が増加し管路の老朽化が急速に進行することから,令和3年度より,下水道施設全体の最適な予防保全を目指すストックマネジメント事業に着手し,限られた財源の中で,更新投資の平準化を図りつつ,計画的な点検・改築を図っていく必要があります。

全体総括

本市は,「調布市下水道総合計画(計画期間:平成23年度~令和2年度)」に定めた基本理念”環境とくらしを守る下水道”の下,主要な事業として長寿命化対策・地震対策を推進するとともに,令和元年台風第19号に伴う浸水被害を受けた対策に着手しました。経営状況については,現在は健全性・効率性を維持できていると判断できるものの,下水道施設の老朽化の進行に伴い,今後多額の更新投資が必要となることが見込まれます。このため,経営基盤を強化する一環として令和2年4月から会計方式を公営企業会計へ移行しました。また,令和2年度に次期総合計画として策定する(仮称)下水道ビジョンは,中長期的な経営の基本計画である経営戦略としても位置づけ,将来にわたり持続的な下水道事業を推進していきます。

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