経営の健全性・効率性について
①経常収支比率コロナ禍における外出自粛等の制限緩和の影響で、配水量及び給水収益が減少したが、企業債残高の減少により、利息の支払いが減少し、費用が抑制されたことにより比率が前年度を上回った。③流動比率100%を超え流動資産の9割以上を現金預金で保有していることから、短期的な債務に対する支払能力も有している。④企業債残高対給水収益比率借入額抑制による残高の減少に伴い、類似団体より低い傾向にあるが、今後も施設等の更新が見込まれるため、比率の適正管理に努める。⑤料金回収率100%を超え適切な料金収入が確保されており、必要経費を水道料金で賄うことができている。⑥給水原価企業債残高の減少に伴い、利息の支払いが減少し経常費用が抑制されたことにより減少した。⑦施設利用率類似団体の平均値を上回っており、施設を効率的に稼働できている。今後も施設規模の適正化を図り、施設利用率の向上に努めていく。※令和3年度数値正しくは67.57%(決算状況調査数値誤りにより)⑧有収率漏水対策の効果により、類似団体よりも高い値を維持している。今後も効率的な水道経営に努める。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率類似団体の平均値より下回っているが上昇傾向にある。引き続き、水道施設総合管理計画に基づき、計画的な施設更新に努める。②管路経年化率類似団体の平均値より下回っているが上昇傾向にある。引き続き、管路更新計画に基づき、計画的な更新に努める。③管路更新率管路更新計画に基づく計画的な更新が図られた結果、類似団体の平均値を上回った。引き続き、新たな工法の採用等によるコストダウンを図り、必要な投資に努める。※令和元年度数値正しくは0.75%(決算状況調査数値誤りにより)
全体総括
経営の健全性が確保されており、各指標値は類似団体と比べて概ね良好であるが、令和3年度は、企業団設立以来、増加を続けていた給水人口が初めて減少に転じ、経営の転換点を迎えている。給水人口の減少等により、給水収益の減少が見込まれる中、施設の老朽化に伴う更新費用も増大していくことから、計画的に取り組む必要がある。コロナ禍の影響に注視しつつ、社会生活及び経済活動に欠かせないライフラインとしての水道を堅持し、災害等に強い「強靭」な施設等により、「安全」で良質な水を「持続」して送り続けられるよう、引き続き、長期的・効率的な計画による事業運営に努めていく。