経営の健全性・効率性について
・収益的収支比率は,使用料改定を平成23年度及び平成26年度の2回実施したことで、平成27年度から100%を上回っており、改善がなされている。単独の終末処理場を有し、老朽化による修繕などの維持管理費の増加が予想されるが、効率化を図り、営業費用上昇の抑制に努めていく。・企業債残高対事業規模比率は、平成27年度以降類似団体平均値を下回っている。今後も施設の新設と更新状況を踏まえ、借入額を精査し、企業債残高の上昇を抑制していく。・経費回収率は上昇傾向で推移している。使用料改定を2回実施したことで、平成27年度から継続して100%となっており、改善が図られている。・汚水処理原価は、元利償還金の増加などにより類似団体平均値と比較して高い数値となっており、営業費用上昇の抑制に努めていく。・施設利用率は約60%で推移している。最大稼働率は100%を超えている状況であることから、最大稼働率など他の指標の推移も見ながら、今後の施設の効率性、運営体制、投資のあり方などを検討する必要がある。・水洗化率は約95%で推移し、類似団体平均値よりも高い水準を維持している。未接続世帯への働きかけや管きょ整備に併せた接続の働きかけなど、水洗化活動の効果である。今後も未接続世帯や事業所等への水洗化活動に積極的に取り組み、水洗化率の向上を図っていく。
老朽化の状況について
・昭和28年度から下水道事業に取り組んでいることから、下水道施設の老朽化が進んでいるが、現在も未普及対策の汚水管きょ整備を進めていることから、管きょ更新が進んでおらず、管渠改善率が低い状況である。今後、未普及対策とともに、適切な維持管理と、点検などにより優先順位をつけて老朽化対策についても進めていき、また、ストックマネジメント計画の策定により計画的に進めていく必要がある。
全体総括
・2度の使用料改定の実施により、収益的収支比率、経費回収率などが上昇し、経営改善が図られてきている。・未普及対策を優先的に進めていくが、計画的な修繕、下水道施設の更新などにも着手し、進めていく必要がある。