経営の健全性・効率性について
経常収支比率は、類似団体、全国平均を上回っており経常収支は良好と言えます。一方で、短期的な債務に対する支払い能力を示す流動比率は、昨年より改善されたものの、類似団体並びに全国平均を下回っているため、引き続き支払い能力を高める経営改善を図っていく必要があります。企業債の残高についても、昨年台風被害による災害復旧債を借入したことから、依然高止まりのままですが、今後は起債償還額のピークを過ぎてくることから改善される見込みです。経費回収率については、100%となっており、使用料で汚水処理費にかかる経費を賄えている状況です。水洗化率については、類似団体並びに全国平均を下回っておりますが、これは本市の地形および面積等によるもので、処理人口の分布等に要因があると考えられます。
老朽化の状況について
平成27年度から、老朽化に起因した事故や機能停止を防止するための対策(予防保全型の維持管理)として、長寿命化計画を策定し、老朽化対策工事に着手しております。また、令和2年度には経営戦略の見直しを行い、雨水対策や施設の耐水化のほか、老朽化施設を効率的に改修していくストックマネジメント事業など、各種事業・計画を盛り込んでいます。今後も策定した計画に沿った改修等を行っていきます。
全体総括
経常収支比率並びに経費回収率は、類似団体、全国平均を上回っており単年度の経営状況は良好と言えます。一方で、短期的な債務に対する支払い能力を示す流動比率が、類似団体並びに全国平均を下回っており、事業運転資金の確保が課題となっています。今後コロナの影響がどのくらい続くのか、また近年、異常気象による大雨、台風等の被害が多く、経営状況にどのくらいの影響を与えるか不透明な点が多いですが、令和2年度に見直した経営戦略を基に効率化を図った運営をしていきます。