北海道：緑ヶ丘病院の経営状況（2016年度）

地域において担っている役割

十勝第三次医療圏における精神科救急及び急性期医療の病院として、平成27年３月から精神科救急入院料病棟の運用を開始し、入院後の早期の地域生活への移行や、退院後の訪問看護等による在宅支援、圏域で唯一となる児童・思春期精神科医療の専門外来や専用病床を有するなど、圏域における中心的な役割を担っている。

経常収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（％）	88.4	95.9	101.2	109.0	96.5
類似団体内平均値（％）	99.9	100.0	101.3	101.1	101.2

医業収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（％）	55.9	57.1	55.2	63.8	63.0
類似団体内平均値（％）	69.7	69.6	69.1	69.8	69.4

累積欠損金比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（％）	1355.2	1343.7	1234.4	1137.5	1183.1
類似団体内平均値（％）	121.4	122.5	112.4	109.9	109.5

病床利用率

年度	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（％）	78.8	75.3	65.8	56.2	52.2
類似団体内平均値（％）	73.6	74.2	73.6	74.8	73.4

入院患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（円）	14407.0	15175.0	16758.0	21284.0	23019.0
類似団体内平均値（円）	18070.0	18742.0	19795.0	20395.0	20681.0

外来患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（円）	6671.0	7156.0	7419.0	7691.0	8460.0
類似団体内平均値（円）	8671.0	8812.0	8588.0	8536.0	8502.0

職員給与費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（％）	127.8	125.5	127.8	111.2	112.8
類似団体内平均値（％）	94.0	93.6	93.6	93.7	94.7

材料費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（％）	7.7	8.2	7.5	6.1	6.4
類似団体内平均値（％）	11.5	11.0	9.9	9.3	8.9

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率は、平成27年度まで上昇傾向にあったが、平成28年度は⑤入院患者１人１日当たり収益及び⑥外来患者１人１日当たり収益は増加したものの、地域生活への移行に伴う患者数の減少による④病床利用率の低下により下落している。②医業収支比率は、地域生活への移行に伴う患者数の減少により④病床利用率は低下したものの、平成27年度から精神科救急を実施したことにより、⑤入院患者１人１日当たり収益が増加し、平成27年度以降は同水準で推移している。③累積欠損金比率は、平成27年度まで下落傾向にあったが、平成28年度は純損失の計上に伴う累積欠損金の増加により上昇している。⑦職員給与費対医業収益比率は、職員給与費の減少や精神科救急の実施による医業収益の増加により、平成27年度以降は下落傾向で推移している。

有形固定資産減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（％）	72.7	72.4	80.6	80.3	81.5
類似団体内平均値（％）	37.7	39.0	43.7	44.3	46.7

器械備品減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（％）	70.8	70.2	80.5	77.4	78.6
類似団体内平均値（％）	51.6	52.4	59.8	61.8	66.3

１床当たり有形固定資産

年度	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（円）	32523695.0	31771572.0	39983756.0	36121690.0	36035077.0
類似団体内平均値（円）	23249373.0	23558262.0	24879291.0	26363375.0	26996532.0

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率は、平成26年度の会計基準の見直しに伴うみなし償却制度の廃止により、有形固定資産減価償却累計額が増加し、その後も上昇している。②器械備品減価償却率は、平成26年度の会計基準の見直しに伴うみなし償却制度の廃止により、有形固定資産減価償却累計額は増加したが、その後は下落傾向にある。③１床当たり有形固定資産は、平成26年度の会計基準の見直しに伴うみなし償却制度の廃止により増加したが、その後は下落傾向にある。

全体総括

「１．経営の健全性・効率性」の指標である②医業収支比率は、平成27年度以降は上昇傾向にあるが、④病床利用率は下落傾向にあることから、圏域内において必要とされる機能の充実を図り、患者数を確保していくことが必要となる。また、「２．老朽化の状況」の指標である①有形固定資産減価償却率や②器械備品減価償却率は上昇傾向にあるため、耐用年数を踏まえながら、大幅に経過した医療機器等の更新を進めるとともに、患者ニーズに対応した療養環境を整備しながら医業収益の確保を図ることが必要となる。