経営の健全性・効率性について
・「経常収支比率」は、前年度に比べて増となっているが、これは一般会計からの繰入増によるものであり、一時的なものと言える。・「累積欠損金比率」は、前年度と変わらず0であり、収支状況から見て将来的にも問題ないと言える。・「流動比率」は、前年度に比べて増加しているものの、今後企業債償還額が増加傾向にあり、市の財政状況的に繰入が厳しくなることも考えられるため、将来に向けての検討が必要。・「経費回収率」は、類似団体平均と比べて良く、また現在整備推進中のため、今後、より効率的な処理となることが見込まれる。・「汚水処理原価」は、前年度と比べて増となったものの、類似団体平均と比べて良好と言える。なお、現在増設中の処理槽が稼働した場合、稼動施設が一気に増加するため、処理汚水量が増加するまでの期間、数値が高くなることが予想される。・「施設利用率」は、確実な伸びがみられる。なお、現在増設中の処理槽が稼働した場合、稼動施設が一気に増加するため、処理汚水量が増加するまでの期間、数値が低くなることが予想される。・「水洗化率」は、整備地区に後継者がいない高齢者世帯が多く、経済的に接続が難しい状況があり、伸び悩んでいる。健全経営が図れるよう、引き続き接続率の向上に努めて行く必要がある。
老朽化の状況について
当市の公共下水道事業は、平成16年から開始しており、現在も整備推進中である。(計画期間~令和9年度)・「有形固定資産減価償却率」は、類似団体平均と比べ上回ってはいるが、施設稼働から13年目であり、施設的には比較的新しいと言える。今後も長寿命化を図りながら、適正管理に努める。・「管渠老朽化率」および「管渠改善率」は、管渠の耐用年数が50年であることから、未だ改修には至っておらず、ともに0である。
全体総括
平成29年度より公営企業法の適用を受けて、分析3年目となり、ある程度の傾向が見えて来た。類似団体平均と比べた場合、比較的良好な経営状態にあるといえる。下水道事業の健全経営を継続できるよう、経営戦略に基づいた長期的な視点で判断・対応していくことが重要と考える。特に接続率の向上は、経営健全化の鍵となるものなので、国の施策等を踏まえて総合的に検討し、取り組んでいく必要があると考える。