経営の健全性・効率性について
施設利用率・水洗化率の向上に向けて、近年、様々な加入促進対策を実施してきた結果、両率とも微増し、供用開始から上昇傾向にある。しかし、類似団体や全国平均と比較すると低水準となっている。収益的収支比率や経費回収率が100%を下回っていることから、汚水処理原価に対する適正な料金が確保されておらず、一般会計繰入金に依存している状況であり、赤字経営といえる。経費回収率が昨年度比約5%低下しているのは、使用料収入は昨年度とほぼ同程度であるが、維持管理費の増加などで汚水処理原価が上昇したことが要因と考えられる。
老朽化の状況について
供用開始10年以上を経過し、施設の各種機器類は耐用年数を超過し、更新時期を迎えつつある。事業認可区域の整備はほぼ完了しており、管渠については比較的新しい状況である。
全体総括
施設は比較的新しいが、施設利用率、水洗化率が低いため、適正な料金収入の水準に達していない。経費回収率の向上を図るため、軽減措置の見直しなど、料金収入の確保に向け施策を検討したい。施設利用率をさらに向上させるとともに、今後必要となる施設の更新に支障を来さないよう効率的な運転管理と機械設備の負担軽減に努める。今後SM計画策定など、老朽化施設の更新投資のあり方についても検討していく必要がある。