経営の健全性・効率性について
本市下水道事業の企業債残高は,平成27年度末で1,692億円で,類似団体に比べて高額となっています。平成27年度の償還額は元金114億円,利子39億円で,歳出総額の半分以上を占めています。このことが,①収益的収支比率や④企業債残高対事業規模比率,⑤経費回収率の低さ,また⑥汚水処理原価の高さの要因となっています。水洗化率は向上していますが,上記事項の解決に至るほどの使用料増加は見込めないため,現在使用料の見直しの検討を行っています。
老朽化の状況について
現在各地区において,長寿命化計画を策定しており,点検調査の結果,緊急度の高いとされた管路から計画的に改築更新を行っています。今後も引き続き長寿命化を図る改築・更新を行っていく必要があります。
全体総括
本市下水道事業においては,平成27年度末現在で管路延長が1959㎞,普及率は77.3%となりました。しかし,普及率を高めるといった成果が出た反面,平成以降に下水道整備を集中して行った結果,企業債残高は1,692億円となり,類似団体に比べて高額となっています。今後は従来の下水道未普及地区における下水道整備に加え,老朽化施設の改築・更新などの事業実施も必要となります。健全経営のためには,支出と収入のバランスを考慮した長期的な投資・財政計画が不可欠であり,適正な使用料確保のために,使用料の見直しの検討を行っています。