経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は80%弱で推移しており、単年度赤字となっている。また、汚水処理原価は、近年の動力費の高騰により増加傾向であり、本町と同規模程度の類似団体の平均よりは安いが、全国平均よりは高額となっている。企業債残高対事業規模比率より、債務残高は減少傾向にある。要因としては、計画的な企業債償還ではあるが、反面、新規資本的投資の減少も大きい。経費回収率はこの数年100%を維持し、水洗化率も94.5%前後で推移しており、同規模程度の類似団体および全国平均を上回っている状況である。以上のことから、全国平均と比較しても、債務残高、経費回収率については経営健全性・効率性の面で改善の成果が見られる.。
老朽化の状況について
公共下水道設備が比較的新しいため、50年の耐用年数を経過した管路は少ない。現在は事故の未然防止を目的としたマンホールのふたの取替えや、地下水の流入が明らかな管渠の修繕的な更新のみとなっているため、改善率は数字上表れていない状況である。
全体総括
全国平均と比較した場合、経営の健全性・効率性の面で著しく劣っているという訳ではないが、収益的収支比率は単年度赤字であり、汚水処理原価も全国平均との比較では高額である。今後も、汚水処理費の削減と適正な使用料体系の維持に努めるとともに、現在まだ残っている未整備地区について、計画的な管渠整備を行い、使用料収入源の確保に努めていく。なお、水洗化率の維持及び更なる向上が、使用料収入の増加につながることから、今後も下水道接続への啓発活動も併せて続けていく。また、継続可能な下水道事業として、財政、整備、維持管理、施設更新について中期的な視点にたった、計画の策定を検討する時期となっている。