経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率は昨年に比べ、5.52%低下している。H28年度において資本費平準化債(借換債)が新たに5,960万円発生したことが、主な原因である。④企業債残高対象事規模比率は、企業債残高が減少しつづけており、類似団体との比較でも低い数値である。⑤経費回収率は、この数年100%を維持し、⑧水洗化率においても近年94%以上を維持しており、類似団体との比較でも良好な数値となっている。⑥汚水処理原価は、近年微増傾向となっている。維持管理費の経費が有収水量に比べ増加傾向であることが原因である。しかし類似団体との比較では1円31銭安価となっている。⑦施設利用率については、町単独の汚水処理場がないため、「-」となっている。以上のことから、類似団体との比較では健全性・効率性は良好であると考えられる。
老朽化の状況について
現在は比較的良好な状況である。町で施工した公共下水道施設は平成元年からの施工で比較的新しく、民間開発から無償譲渡された施設においても、昭和40年代中頃のため、50年を経過する管渠はない状況である。平成27年度より施設の長寿命化工事を計画的に実施し、主に事故の未然防止を目的としたマンホールのふたの取替を実施しているため、③管渠改善率としてはカウントはされない。
全体総括
類似団体と比較した場合、全般にわたり平均値を上回り比較的良好であると考えられる。しかし、収益的収支比率は近年改善がなされていない状況が続いている。有収水量の増加に伴う使用料収入は微増傾向ではあるが、地方債償還金も多額なことに加え、維持管理費用も微増傾向であるため、改善は図れていない。今後は、更なる維持管理経費の削減に努めると共に、整備人口の増加と水洗化率の向上による使用料の増加のため効率的で計画的な管渠整備と啓発活動を継続する。また、近い将来、民間開発から無償譲渡された管路が老朽化施設となっていくことは明らかであるため、施設の点検調査を継続するとともに施設全体の長寿命化計画を推進する必要がある。この様な課題解決とともに、継続可能な下水道事業として、財政、維持管理、施設更新について中期的な視点にたった、下水道ビジョン(経営戦略)の計画策定の必要がある。