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2010年度
人口の推移
財政比較分析表(2018年度)
財政力
財政力指数の分析欄
平成30年度の財政力指数は、前年度と比べて0.01ポイント増加した。これは、社会保障関係費の増等により基準財政需要額が増加した一方で、地方消費税の増等により基準財政収入額も増加し、基準財政収入額の増加率が基準財政需要額の増加率を上回ったことによるものである。直近5年では、平成26年度が最も低いが、その後税収の増加や消費税率の引上げによる収入額の増等により、指数は改善傾向にある。今後、県の経営資源を活用した歳入確保についてあらゆる可能性を検討するとともに、県が実施する必要性や効果、経費積算の妥当性を見極め、一層の効率化、合理化、経費の最小化、年度間の平準化を図り、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
平成30年度の経常収支比率は、前年度に比べて3.2ポイント減少している。これは、経常経費は対前年度比で横ばいであるが、経常収入である地方税(法人二税、軽油引取税等)、地方譲与税が増加したことなどによるものである。近年、地方譲与税の増収や地方消費税率の引上げ等経常一般財源の増加要因がある一方で、高齢化の進展に伴う社会保障関係経費の増加等が経常経費充当一般財源を押し上げ、平成29年度まで比率は増加傾向にあった。今後、県の経営資源を活用した歳入確保についてあらゆる可能性を検討するとともに、県が実施する必要性や効果、経費積算の妥当性を見極め、一層の効率化、合理化、経費の最小化、年度間の平準化を図り、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
平成30年度の人口1人当たり人件費・物件費等決算額は、前年度と比べて292円減少したが、ほぼ前年度同程度となっている。グループ内の他団体は本県に比べ人口規模がはるかに大きいため、本県の数値は相対的に大きくなっている。今後、県の経営資源を活用した歳入確保についてあらゆる可能性を検討するとともに、県が実施する必要性や効果、経費積算の妥当性を見極め、一層の効率化、合理化、経費の最小化、年度間の平準化を図り、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
本県のラスパイレス指数は、職員構成の変動等により、指数が0.2ポイント低下した。国と同様、平成26年度からは高年齢層職員の昇給・昇格制度の見直しを行うなどにより、給与水準の適正化に取り組んでいるところ。引き続き、人事委員会勧告を基本としつつ、国家公務員の給与水準も踏まえて、必要な見直しを行い、適切な給与管理に努める。
定員管理の状況
人口10万人当たり職員数の分析欄
同グループの他団体と比較して本県の人口規模が小さく、また、これまで全国でも数少ない人口増加県であったため、教育職員の減少幅が小さいことから、相対的に数値が大きくなっている。平成11年以降、数次にわたる定数削減を通じ、知事部局等の定数を1,000人以上削減した結果、本県の一般行政部門の職員数(平成30)は3,064人で、総務省定員回帰指標による試算職員数と比較した率では83.3%となり、全国で2番目に低い水準となっているところ。今後は、「滋賀県行政経営方針(2019年3月策定)」に基づき、引き続き適正な定員管理に取り組む。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
平成30年度の実質公債費比率は、前年度に比べて0.7ポイント減少し、平成24年度から7年連続で改善した。これは、臨時財政対策債以外の県債について、これまでの財政改革プログラムで発行を抑制してきたことや、近年の低金利下において県債を発行してきたことなどより、臨時財政対策債以外の公債費が減少したことが要因と分析している。今後、県の経営資源を活用した歳入確保についてあらゆる可能性を検討するとともに、県が実施する必要性や効果、経費積算の妥当性を見極め、一層の効率化、合理化、経費の最小化、年度間の平準化を図り、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
平成30年度の将来負担比率は、前年度に比べ0.2ポイント増加した。これは、標準財政規模から算入公債費等の額を控除した分母となる額が減少したしたことが主な要因と分析している。この減少要因としては、標準税収入額等の増により標準財政規模が4億円増加した一方、臨時財政対策債分の増により算入公債費等の額が6億円増加したことなどによるものである。今後、県の経営資源を活用した歳入確保についてあらゆる可能性を検討するとともに、県が実施する必要性や効果、経費積算の妥当性を見極め、一層の効率化、合理化、経費の最小化、年度間の平準化を図り、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)
人件費
人件費の分析欄
平成30年度は、平成29年度末で給与制度の総合的見直しによる経過措置が終了したことなどにより、前年度と比較して1.4ポイント減少した。平成26年度は、平成23年3月の「滋賀県行財政改革方針」に基づく給与カットや国の要請に基づく給与カットの終了により人件費は大幅に増加し、平成27年度は、給与改定等により増加し、平成28年度は給与改定に伴う増加があったものの給与構造改革による経過措置の終了に伴う減少があったため、前年度とほぼ同額で推移し、平成29年度は給与改定に伴う増加があったものの退職手当の見直し等に伴う減少があったため前年度とほぼ同額で推移した。平成30年度も給与改定に伴う増加があったものの給与制度の総合的見直しによる経過措置の終了等に伴う減少があったため、前年度から減少した。行政経営方針2019に基づき、適正な定員・給与管理を通じ、人件費の抑制に努める。
物件費
物件費の分析欄
平成30年度は、前年度と比べて、大きな増減はなく、比率は前年度と同じく3.7%となった。直近5年度の動向を見ると全体としてはおおむね横ばいで推移している。本県は、他の団体と比較して施設等の維持管理経費の割合が大きいことなどから、グループ内では相対的に比率が高くなっている。今後、県が実施する必要性や効果、経費積算の妥当性を見極め、一層の効率化、合理化、経費の最小化、年度間の平準化を図り、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。
扶助費
扶助費の分析欄
平成30年度は、前年度と比べて、大きな増減はなく、比率は前年度から0.1ポイント減の1.4%となった。直近5年度の動向を見ると全体としてはおおむね横ばいで推移しており、引き続き適正な管理に努め、歳出の上昇の抑制を図る。
その他
その他の分析欄
平成30年度は、国民健康保険事業特別会計の創設に伴う都道府県繰出金および高額医療費県費繰出金の皆増により、前年度と比べて、比率が2.0ポイント増加した2.8%となった。直近5年度では、平成30年度を除いておおむね同水準となっている。今後、県が実施する必要性や効果、経費積算の妥当性を見極め、一層の効率化、合理化、経費の最小化、年度間の平準化を図り、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。
補助費等
補助費等の分析欄
平成30年度は、国民健康保険事業特別会計の創設に伴う国民健康保険調整交付金および高額医療費共同事業負担金の皆減により、前年度と比べて、比率が2.5ポイント減少した。本県は、これまでの財政構造改革の取組を通じて、各種補助金の見直し、削減を進めてきたことなどから、グループ内では低い数値となっている。今後、県が実施する必要性や効果、経費積算の妥当性を見極め、一層の効率化、合理化、経費の最小化、年度間の平準化を図り、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。
公債費
公債費の分析欄
低金利下で借換えが進み利子は減少したが、元金が増加したため、公債費は増加した。経常一般財源等総額が増加したことにより、経常収支比率に占める公債費の比率は、前年度と比べて、比率が1.2ポイント減少している。引き続き「滋賀県行政経営方針2019」(平成31年3月)に基づき、令和4年度末の臨時財政対策債を除く県債残高が6,700億円程度となるよう取り組む。
公債費以外
公債費以外の分析欄
平成30年度は、県税収入の増等により経常一般財源等総額が大きく増加したことにより、比率は前年度から2.0ポイント減の69.8%となった。本県では、これまでの行財政改革の取組を通じて各種補助金の見直し・削減等の取組を進めており、グループ内でも低位な数値となっている。今後、県が実施する必要性や効果、経費積算の妥当性を見極め、一層の効率化、合理化、経費の最小化、年度間の平準化を図り、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)
目的別歳出の分析欄
歳出総額は、住民一人当たり359,902円で、昨年度から1,896円増加した。これは、財政調整基金および県債管理基金の積立の増により総務費が3,655円増加、国の防災・減災、国土強靭化対策等に伴う公共事業の増により土木費が1,197円増加、平成29年の台風5号および29号による被害への対応のため災害復旧費が1,097円増加した一方で、県立高校の再編事業の進捗により教育費が3,853円減少したことなどによるものである。本県では、教育費および公債費でグループ内平均との乖離が大きい。公債費は、グループ内の他団体では本県に比べて人口規模がはるかに大きいため相対的に数値が大きくなるが、人口規模が同等の団体との比較ではむしろ小さな数値となっている。また、本県は、就学年齢層を含む5~19歳の人口比率が全国的に見ても特に高く、教育費が相対的に大きくなっている。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)
性質別歳出の分析欄
歳出総額は、住民一人当たり359,902円で、昨年度から1,896円増加した。これは、国民健康保険調整交付金および高額医療費共同事業負担金の皆減により補助費等が5,200円減少した一方で、財政調整基金および県債管理基金の積立の増により積立金が3,372円増加、都道府県繰出金および高額医療費県費繰出金の皆増により繰出金が4,871円増加したことなどによるものである。本県では、人件費および公債費でグループ内平均との乖離が大きい。これは、グループ内の他団体では本県に比べて人口規模がはるかに大きく、本県の人口あたりの職員数や公債費が相対的に大きくなるためであり、人口規模が同等の団体との比較ではむしろ小さな数値となっている。
実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)
分析欄実質収支は、黒字を確保した。また、年間の税収の増加や行財政改革方針に基づく歳入歳出両面における取組の成果等により、実質単年度収支も黒字となった。今後、県の経営資源を活用した様々な歳入確保についてあらゆる可能性を検討するとともに、県が実施する必要性や効果、経費積算の妥当性を見極め、一層の効率化、合理化、経費の最小化、年度間の平準化を図り、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)
分析欄いずれの会計も黒字を維持した。これまで、滋賀県行財政改革方針に基づく実施計画である「財政改革推進計画」や「財政健全化に向けた取組について」に基づき、収支の改善に向け、着実に歳出の抑制に努めたことにより、実質収支を黒字に保つことができている。今後、社会保障関係費や国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会関連経費、公共施設の老朽化対策など今後見込まれる財政需要に適切に対応しつつ、滋賀の将来のために必要な投資や人口減少をはじめとする様々な行政課題にも的確に対応していくために、今後、県の経営資源を活用した様々な歳入確保についてあらゆる可能性を検討するとともに、県が実施する必要性や効果、経費積算の妥当性を見極め、一層の効率化、合理化、経費の最小化、年度間の平準化を図り、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。
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実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)
分析欄「元利償還金等」は、前年度と比べ、13億円増加した。これは、借換債を財源として償還した額が8億円減少したことにより元利償還金が8億円増加したこと、満期一括償還地方債に係る年度割相当額が3億円増加したことによる。一方、「算入公債費等」は、臨時財政対策債の償還の増により35億円増加した。これまでの財政健全化に対する取組の成果が指標上も徐々に現れてきているところであるが、全国的には依然高い水準であり、県の経営資源を活用した様々な歳入確保についてあらゆる可能性を検討するとともに、県が実施する必要性や効果、経費積算の妥当性を見極め、一層の効率化、合理化、経費の最小化、年度間の平準化を図り、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。
分析欄:減債基金年度割相当額を積み立てることを積立ルールとしており、当該額を積み立てている。
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将来負担比率(分子)の構造(2018年度)
分析欄「将来負担額」は、前年度と比べ14億円増加した。これは、退職手当負担見込額が44億円減少した一方、地方債残高が29億円、債務負担行為に基づく支出予定額が19億円増加したことなどによるものである。「将来負担額」から控除する「充当可能財源等」は、前年度と比べ14億円増加した。この要因としては、今後の県債償還に対する普通交付税算入見込額が68億円減少した一方、充当可能基金の残高が86億円増加したことによるものである。これらの結果、「将来負担比率の分子」は、前年度と比べ、70百万円増加した。将来負担比率は、すぐに改善できるものではないが、今後、県の経営資源を活用した様々な歳入確保についてあらゆる可能性を検討するとともに、県が実施する必要性や効果、経費積算の妥当性を見極め、一層の効率化、合理化、経費の最小化、年度間の平準化を図り、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。
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基金残高に係る経年分析(2018年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)・平成30年度末の基金残高は、普通会計で約568億円となっており、前年度から約65億円の増加となっている。・これは、県税収入の増等により財源調整的な基金の取崩しを行う必要がなく、財政調整基金で約41億円、減債基金で約20億円の積立を行うことができたことが主な要因である。(今後の方針)・県税の減収などの不測の事態への対応に加え、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の開催に向けた施設整備や公共施設の老朽化対策など、今後の財政需要の増大にも適切に対応していけるように一定額を確保していくことを予定している。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)・平成30年度末の基金残高は、約197億円となっており、前年度から約41億円の増加となっている。・平成10年度以降、財政構造改革として、歳入歳出両面にわたる取組を進めてきたが、そうした取組をしてもなお、解消できない財源不足額や、災害や国補正等の対応については、財源調整的な基金の取り崩し等により対応してきた。・平成30年度においては、県税収入の増等により財源調整的な取崩しを行う必要がなく、約41億円の積立を行うことができたことが要因である。(今後の方針)・景気後退による県税の大幅な減収や、大規模災害の発生など不測の事態に備えるため、これまで同様、予算編成や予算執行における効率化の徹底はもとより、本県が実施している収支改善の取組を着実に進め、「滋賀県行政経営方針2019」(平成31年3月)に基づく財政運営上の数値目標としている財政調整基金および減債基金の合計が毎年度160億円程度(標準財政規模の5%)の残高を引き続き確保していく。
減債基金
減債基金
(増減理由)・平成30年度末の基金残高は、約100億円となっており、前年度から約20億円の増加となっている。・県税収入の増等により財源調整的な取崩しを行う必要がなく、約20億円の積立を行うことができたことが要因である。(今後の方針)・今後の金利変動等の公債費の償還リスクに備えるため、本県が実施している収支改善の取組を着実に進め、「滋賀県行政経営方針2019」(平成31年3月)に基づく財政運営上の数値目標としている財政調整基金および減債基金の合計が毎年度160億円程度(標準財政規模の5%)の残高を引き続き確保していく。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・福祉・教育振興基金:福祉および教育の振興を図る。・国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会運営等基金:第79回国民スポーツ大会および第24回全国障害者スポーツ大会の円滑な運営に資するとともに、これらの大会に向けたスポーツ施設の整備およびスポーツに関する競技水準の向上を図る。・地域医療介護総合確保基金:地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律(平成元年法律第64号)第4条第1項の規定に基づく地域における医療および介護の総合的な確保のための事業の実施に関する計画の円滑な推進を図る。(増減理由)・地域医療介護総合確保基金:地域密着型サービス施設等整備事業等を実施するため、本県市町の介護保険計画に基づき、積立を行ったことにより約3億円の増加となっている。(今後の方針)・その他特定目的基金全体:公共施設、インフラ等の長寿命化対策や多額の負担が見込まれる特定の財政支出に備えるため、一定額を確保していく。・地域医療介護総合確保基金:地域密着型サービス施設等整備事業等を実施するため、本県市町の介護保険計画に基づき、国庫補助金および一般財源を令和元年度を目途に積立を行い、令和元年度、令和2年度に取り崩し執行を行う予定であるため、基金残高は減少する見込みである。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
有形固定資産減価償却率は、前年度と比較して、1.4ポイント増加した。本県における県有施設は、その半分程度が昭和43年から昭和60年頃にかけて整備されており、それらの施設を中心に老朽化が進んでいる。本県では、平成27年度に策定した「滋賀県公共施設等マネジメント基本方針」に基づいて、施設総量の適正化や施設の長寿命化、計画的な更新・改修に取り組んでいる。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
債務償還比率は類似団体平均を下回っており、前年度と比較して161.7ポイント減少した。今後、歳入確保について検討を継続するとともに、大規模事業や既存事業の見直しを進め、持続可能な財政基盤の確立に取り組む。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
将来負担比率は類似団体と比較して高いものの、一方で有形固定資産減価償却率は低くなっている。将来負担比率の算定には様々な要素が影響しているが、「滋賀県公共施設等マネジメント基本方針」に基づいて、今後も施設総量の適正化や施設の長寿命化、計画的な更新・改修に取り組む。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
実質公債費比率は近年減少しているが、将来負担比率は平成28年度から増加している。将来負担比率が増加した主な要因のなかに充当可能財源等の減少があるが、このうち今後の県債償還に対する普通交付税算入見込額は国の事業費補正の縮減の影響などで今後も減少していくことが見込まれる。
施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)
施設情報の分析欄
有形固定資産減価償却率について、道路、港湾・漁港および博物館は類似団体平均を下回っているものの、橋りょう・トンネル、学校施設、公営住宅および図書館については類似団体平均を上回っている。・橋りょう・トンネルについては、長寿命化修繕計画に基づき、計画的に予防保全を実施するとともに、継続的に点検、診断を行い、適切に維持管理を実施しているところである。・学校施設(県立学校)については、平成29年度に策定した「インフラ長寿命化計画に基づく個別施設計画」に基づき、適正に管理を実施しているところである。・図書館については、平成27年度に策定した「滋賀県県有施設更新・改修方針」に基づき、改修を実施しているところである。・公営住宅については、平成27年度に策定した「滋賀県営住宅長寿命化計画」に基づき、適正に管理を実施しているところである。
施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)
施設情報の分析欄
ほとんどの類型において、有形固定資産減価償却率は類似団体平均を下回っている、もしくは平均的な水準にあるものの、体育館・プールおよび陸上競技場・野球場・球技場については平均を大きく上回っている。本県では、国スポ開催に向けて、今後、スポーツ関連施設の更新および改修が予定されることから、体育館・プールおよび陸上競技場・野球場・球技場にかかる有形固定資産減価償却率は減少することが見込まれる。
財務書類に関する情報①(2018年度)
1.資産・負債の状況
・一般会計については、平成30年度は、資産は前年度末に比べて0.61%の減、負債は0.18%の増、純資産は30.03%の減となった。資産が減少する一方、負債が増加したため、純資産が減少している。なお、資産および負債の増減の純資産の増減への寄与については、3に詳述している。資産は開始貸借対照表以来3年連続の減少、負債は、28年度29年度は減少していたが、30年度末は増加に転じた。・3でも述べるとおり、一般会計等の純資産の増減に対する寄与度が最も大きいのは、昨年度に引き続きインフラ資産のうち工作物の減価償却累計額の増加で、純資産の減30.03%に対し、△69.08ポイントとなっている。・平成30年度に一般会計からの資産の所管替えにより国民健康保険事業特別会計を設立し、全体会計の対象とした。また、公営企業法の一部適用の開始に伴い、平成29年度末にはモーターボート競走事業特別会計、平成31年度(令和元年度)末には下水道事業特別会計が全体会計の対象に加わる。H30年度の全体会計の純資産の対前年度増減率は4.71%で、寄与度は資産の減少が△4.38ポイントで、一般会計と同様、インフラ資産の工作物の減価償却の影響が大きい。一方、連結会計の純資産の対前年度増減率は△3.84%で、資産と負債の変動による寄与度は△8.33ポイントと+4.48ポイントとなっている。
2.行政コストの状況
・一般会計等、全体、連結を通じて、純経常行政コストを純行政コストが上回っている。・一般会計等では、純経常行政コストはH30年度は前年度を0.84%上回っている。臨時損失も災害復旧費の増等により増加する一方、臨時利益が減少したことにより、純行政コストは前年度より1.50%増加している。・一般会計等では、H28年度以来、費用および損失のうち最も多いのは移転費用のうちの補助金と、人件費のうち職員給与費であり、次いで減価償却費となっている。費用と損失の合計に占める割合は、H30年度はそれぞれ34.46%、32.66%、7.73%。費用および損失のうち、対前年度増加率が最も大きいのは他会計への繰出金だが、これは国民健康保険事業が特別会計となったことにより、一般会計から繰出金が計上されることとなったことに伴うもの。・一般会計等では、純経常行政コストおよび純行政コストがそれぞれ財源を上回っているが、H30年度の財源は税収等の増により対前年度比+2.91%となり、本年度差額は△6,316百万円、前年度よりマイナス幅は45.62%縮小した。一方、4のとおり、資金収支計算書の本年度収支額は+1,512百万円とプラスである。純資産変動計算書上、本年度差額はH28年度以来3年連続のマイナスだが、マイナス幅は最も小さい。
3.純資産変動の状況
・一般会計等について、資産と負債の純資産の増減に対するの寄与度をみると、平成30年度末時点で純資産は30.03%の減となっており、うち、資産の寄与度は△23.22ポイント、一方負債は△6.81ポイントとなっている。資産が減少する一方、負債は増加したため純資産は減少している。純資産の内訳でみると、固定資産形成分の寄与度は△28.10ポイントであり、固定資産の減少の影響が大きいことが確認できる。・資産については、△23.22ポイントのうち有形固定資産が△32.53ポイントで、1のとおりインフラ資産のうち工作物の減価償却の影響が大きいほか、事業用資産の寄与度△10.77ポイントのうち建物の減価償却累計額が△10.34となっている。投資その他の資産では、制度の終了に伴う引き上げ等により長期貸付金が減少し△13.08ポイントとなっている。資産が純資産の変動にプラスに寄与した項目は、財政調整基金の+12.01に次いで船舶の+9.98ポイントがあるが、これは学習船の建造によるものであり、事業用資産の建設仮勘定からの振り替えを伴う。行政コストおよび純資産の変動の内訳によれば、2のとおり作成開始以来3年連続で本年度差額はマイナスだが、本年度は最もマイナス幅が小さい。ただし、国民健康保険事業特別会計へ一般会計より基金等を所管替えしたこと等により、無償所管替により本年度純資産変動額はH28年度以来、2年ぶりにマイナスとなっている。
4.資金収支の状況
・一般会計等、全体、連結のいずれも、業務活動収支でキャッシュをプラスにし、投資活動と財務活動(償還)に充てた形となっている。いずれの会計でも、本年度収支差額はプラスとなっている。・一般会計等の業務活動収支をみると、前年度に引き続き、業務収入が業務支出と臨時支出を上回っており、臨時収入によらず経常的な業務にかかる支出を賄うことができている。投資活動収支の内訳をみると前年度より支出が増加する一方、収入は減少している。投資活動収支のうち基金については、前年度に引き続き取り崩しに対して積立が多く、投資活動支出のうち前年度より増加したのは基金積立支出のみだが、これにより投資活動支出計は増加となっている。財務活動収支は収入額と支出額の双方が前年度を下回っているが、収入額の減が大きく収支差額としてはマイナスに転じた。本年度の資金収支差額としてはプラスで、歳入歳出外現金も増加している。・これにより、歳計外現金を合わせた現金預金の額(BS上の現金預金)は、対前年度末で+24.94%の増となり、資金管理上も年度中に繰替運用・一時借入を行うことはなかった。全体会計・連結会計もいずれも、本年度収支差額はプラスであり、本年度末現預金残高も増加している。
財務書類に関する情報②(2018年度)
1.資産の状況
・類似団体のうち、勘定科目別の金額が入手できた範囲で、入手可能な直近の名目域内総生産(平成29年度県民経済計算・2008SNA平成23年基準による平成29年度域内総生産)により、各勘定科目を除した数値を作成し、比較対象となる団体数を考慮し、中央値との比較を行った。比較対象として提示されている人口あたり資産額は、本県は平均より大きく中央値よりは小さい。域内総生産あたりの資産額も中央値よりは小さい。構成比の高いインフラ資産や、投資その他の資産で、それぞれ中央値より低くなっており、特にインフラ資産のうち土地が中央値に対して低くなっている。インフラ資産のうち土地や、構成比の高い工作物については、経済規模との比較で府県間の差が大きいが、この差が資産の計上方法の差によるものなのかは不明であり、本県のインフラ資産のうちの土地についても、評価方法が影響している可能性は否定できない。歳入額対資産比率は平均値および中央値を下回るが、これは資産の規模が経済規模に比べて小さいことと整合する。
2.資産と負債の比率
・1と同様に、負債および純資産についても、名目域内総生産で除した数値を作成し、その中央値と本県の値を比較した。これによると、H30年度は、負債は中央値よりやや小さい。純資産は中央値より小さく、これは、負債に比べて資産の規模小さく、それに伴い純資産の規模が小さくなっていることがわかる。ただし、負債については、将来負担比率算定のための地方債残高についてはも経済規模と比べると類似団体の中では中央値を下回っている。これらから、本県は純資産比率は小さいが、これは、経済規模に対して負債の規模は大きくないが、資産規模がより小さいことに起因することがわかる。純資産の内訳について、名目域内総生産で除した数値を比較すると、固定資産形成分は中央値を下回るが、不足分は中央値となった。本県が相対的に純資産の規模が小さいことについては、資産の規模が相対的に小さいことに起因することがこの内訳の比較からも確認できる。なお、不足分に比べて固定資産形成分の府県間の差が大きい。
3.行政コストの状況
・「住民一人当たり行政コスト」は本県は平均値および中央値を上回るが、1と同様に域内総生産で除した値で比較すると、純行政コストは中央値をやや下回る規模となっている。入手可能な範囲で域内総生産で除した値を作成すると、純経常行政コスト、経常費用、経常収益についても中央値を下回っており、費用および収益のいずれも、経済規模に対しては相対的に小さいと考えられる。
4.負債の状況
・「人口一人当たりの類似団体平均」と比較すると、本県の負債規模は平均および中央値を上回ることとなっている。一方、1と同様の方法により名目域内総生産で除した値で他団体と比較すると、本県の負債は中央値を下回る。将来負担比率算出のための地方債の額についても、対域内総生産比では類似団体の中央値を下回っている。負債全体も地方債についても、経済規模に対して特に本県の負債規模が大きいわけではない。また、基礎的財政収支はH28年度以来、プラスを保っている。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率については、類似団体平均値および中央値を下回る。経常収益および経常費用を域内総生産で除した値も、いずれも類似団体の中央値を下回っている。相対的に費用に比べて収益が少ないことが受益者負担比率を下げる要因となっている。経常収益の内訳を同様にみると、入手可能な団体の中央値に対して、使用料および手数料、その他とも中央値をやや下回るが、現在公表されている数値のみでは、経常収益が相対的に低い原因を特定することはできない。
類似団体【B】
宮城県
福島県
茨城県
栃木県
群馬県
埼玉県
千葉県
神奈川県
石川県
長野県
岐阜県
静岡県
愛知県
三重県
滋賀県
京都府
大阪府
兵庫県
岡山県
広島県
福岡県