経営の健全性・効率性について
経常収支比率については、類似団体平均や全国平均より低いものの、平成28年度においても100%以上となったことから、使用料で回収すべき経費を使用料で賄えている状況である。しかし、流動比率は変わらず低い状況にあり、1年以内に現金化できる資産によって1年以内に支払わなければならない負債を賄えておらず、資金が不足するのを防ぐために一時借入金や資本費平準化債などを発行せざるを得ない状態が続いている。そのため、下水道使用料の見直しや事務の効率化、新技術の活用等による事業費の削減が必要である。※施設利用率については、晴天時一日平均処理水量÷晴天時現在処理能力で求められるが、晴天時一日平均処理水量については、当該事業で発生した汚水の処理水量が計上されており、晴天時現在処理能力については、当該事業が保有する処理場の能力のみ計上している。本市は処理場を保有しているほか、流域下水道へ接続もしているため、上記数値で施設利用率を求めると100%を超えてしまう。
老朽化の状況について
管渠老朽化率については、類似団体平均値や全国平均値より低い数値であり、他団体と比較すると老朽化は進んでいないが、本市の下水道事業の普及率は75.22%であるため、コストキャップ型下水道事業の実施による普及拡大に努める。管渠以外のポンプ場や処理場といった施設の老朽化が進んでいるため、施設の更新や長寿命化対策を行っていく必要がある。
全体総括
持続可能な下水道事業の運営のため、経営戦略の投資計画に基づき、下水道未普及対策事業や施設の長寿命化や老朽化しつつある施設等の維持管理など、合理的な設備投資の実施に努める。財政計画としては、下水道使用料の適正な水準への引き上げやコストの低減を図るなど、財政状態の健全性を高める。将来の投資と財源を適切に把握した投資計画と財政計画の均衡を図り、事業の効率化・経営健全化に向けた取り組みを進めていく。