経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率の数値は70%前後の数値で推移しています。ただし、施設の老朽化等に伴う修繕料等維持管理費が増加傾向にあるため、引き続き100%を下回る状況が続く見込みです。平成28年度は前年度に比べ利子償還金に充てる一般会計繰入金が減ったため総収益が減り率は減少しました。④企業債残高対事業規模比率は、81.89%(H28)であり、類似団体及び全国平均よりも低くなっています。新規借入が近年はなく、平成37年度に償還が完了する予定です。⑤経費回収率の数値はH27年度まで類似団体や全国平均と同等程度の60%前後で推移していましたが、元利償還金に対する分流式下水道に対する経費が増えたため、汚水処理費が減少し、H27年度からは90%まで改善されました。ただし、修繕料等維持管理費は増加傾向であり、一般会計繰入金も充当している状況です。⑥汚水処理原価は、H26年度まで類似団体や全国平均と同等の数値となっていましたが、H27年度以降は下がりました。ただし、修繕料等維持管理費は増加傾向にあるため、今後も維持管理費用の削減等に努めていきます。⑦施設利用率は、類似団体や全国平均と比較しても高い水準であります。水量も増加傾向であるため、今後上昇していく見込みです。⑧水洗化率は、類似団体や全国よりやや高い水準であります。水質保全の観点から問題が生じる可能性があることや、使用料収入を図るため、水洗化率向上に取り組んでいます。
老朽化の状況について
本市では最も古い管渠は昭和52年築造となるため、40年弱経過していることとなります。現在、更新した管渠延長はありませんが、不明水等の侵入につながるため、早期に管渠やマンホールのストックマネジメント計画策定等を行い効果的に更新等を行う必要があります。そのための財源の確保や経営に与える影響等を踏まえた分析を行う必要もあります。
全体総括
収益的収支比率や経費回収率に影響を与える地方債の元利償還金の償還が平成37年度で完了するため、その費用は減少しますが、施設や管渠等の老朽化が進行しているため、修繕料等が増加していくと見込まれ、今後、当該比率の悪化も想定されます。そのため、管渠やマンホール、施設の最適整備構想等の計画策定等を行って、大規模修繕等を特定の年度に一極集中することを避けたり、出来るだけ効率良く行えるように計画していく必要があります。このことにより、汚水処理原価の削減も行っていけるものと考えています。さらに、平成30年4月には地方公営企業法適用を行う予定ですので、経営戦略も平成30年度から策定を開始し、平成31年度末には策定を完了する予定です。その経営戦略も活用し、経営状況の明確化をより一層努めていきます。