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本県は、歳入に占める県税収入の割合が比較的大きいため、高い財政力指数となっている。平成24年度以降は、県税収入が増加しており、基準財政収入額も増加傾向となっているが、分母となる基準財政需要額も増加していることから、ほぼ横ばいとなっている。
比率を算定する上で分子となる経常経費充当一般財源については、平成23年度以降増加を続けている。一方、分母となる経常一般財源は、平成24年度以降県税収入が増加していることから、経常収支比率は平成26年度までは年々改善してきたが、平成27年度は、分子を構成する補助費等の増加が大きくなったことに加え、経常一般財源を構成する臨時財政対策債が減少したことにより、前年度から5.4ポイント上昇した。平成28年度は、経常一般財源を構成する県税が増加したものの、地方譲与税や減収補?債の減などにより相殺され、分子を構成する補助費等や公債費が増加したことなどにより、前年度から0.8ポイント上昇した。
人口1人当たり人件費・物件費等決算額は、本県独自の給与抑制や職員構成の新陳代謝などにより平成25年度までは減少してきたが、平成26年度以降は、人事委員会勧告に伴う職員の給与改定などにより増加に転じている。平成28年度は、物件費は観光消費喚起事業費(国交付金事業費)の減などにより減少したものの、人件費が人事委員会勧告に伴う職員の給与改定により増加し、対前年度329円の増となった。人件費については、今後も第六次行革大綱に基づき、定員・給与等の適正管理に取り組んでいく。
本県においては、県内の民間給与水準が高い傾向にあるため、都道府県平均よりも高い数値で推移する傾向にある。平成24年度及び平成25年度に国家公務員の臨時特例的な給与削減措置が実施されたことにより、平成25年度(平成24年度欄)は高い数値となっているが、平成26年度(平成25年度欄)は国家公務員の給与削減措置が終了し、その影響により5.8ポイント改善している(本県でも平成21年度から平成25年度までの間、一般職員の給料抑制を実施)。平成27年度の給与制度の総合的見直しにより、平成27年度(平成26年度欄)は2.0ポイント改善し100.9ポイントとなり、平成28年度(平成27年度欄)も同水準となっているが、平成29年度(平成28年度欄)は、前年の人事委員会勧告に基づく給与改定における本県の給料表の改定率が国よりも高かったことなどにより0.6ポイント上昇し、101.5ポイントとなっている。今後も第六次行革大綱に基づき、引き続き給与の適正化に取り組んでいく。
人口10万人当たり職員数は、職員数の大半を占める教育及び警察部門について国の法令等により配置基準が定められており、ほぼ一定水準で推移している。平成29年度(平成28年度欄)においては、県費負担教職員に関する権限が指定都市に移譲されたことに伴い、職員数が大幅に減少した。なお、平成26年度において、第五次行革大綱の知事部局等の職員定数削減目標(平成22年度から26年度までの5年間で-500人)を達成(実績-510人)しており、今後も第六次行革大綱に基づき、引き続き適正な定員管理に取り組んでいく。
実質公債費比率は、多額の県債発行により公債費が高止まり傾向にあるものの、標準財政規模の増加や公債費等の交付税算入額の増加などにより、平成26年度以降は比率が改善し、平成28年度は0.5ポイント改善している。これは、平成28年度単年度の比率13.5%が、標準財政規模の増加などにより、前年度の算定に用いた平成25年度単年度の比率15.1%に比べ1.6ポイント下回ることで、平成28年度算定の3か年平均としては低下したためである。実質公債費比率については、引き続き健全な水準の維持に努めていく。
将来負担比率は年々改善している。これは、分母となる標準財政規模の増加に加え、退職手当支給予定額の減少などにより、全体として分子の額が減少したことによるものである。平成28年度においては、退職手当の支給予定額が定年退職と新規採用による職員構成の新陳代謝により減少したことや、地方債現在高が減少したことなどにより、分子の額が556億円減少し、前年度から4.6ポイント改善した。将来負担比率については、引き続き健全な水準の維持に努めていく。
比率を算定する上で分子となる人件費は、平成23年度以降、本県独自の給与抑制や新陳代謝の進行により減少傾向にある。加えて、平成24年度以降は、県税収入の増加に伴い分母が増加したことから比率は改善してきたが、平成27年度は、分子となる人件費は退職手当の減などにより減少したものの、分母が臨時財政対策債の減により減少したことにより、1.3ポイント上昇した。平成28年度は、人事委員会勧告に伴う職員の給与改定による分子の増加により、前年度より0.1ポイント上昇している。人件費については、今後も第六次行革大綱に基づき、適正な定員管理に取り組んでいく。
平成24年度以降、県税収入の増加に伴い分母が増加している一方、分子は概ね横ばいで推移している。平成27年度は、分母である臨時財政対策債の減により前年度より0.2ポイント上昇し、平成28年度も同水準となっている。
比率を算定する上で分子となる扶助費は、高齢化の進展等に伴い増加を続けている。平成24年度以降は、県税収入の増加に伴い分母も増加したことから比率は改善してきたが、平成27年度は、B型・C型肝炎患者医療給付費の増などにより、0.1ポイント上昇した。平成28年度は、指定難病医療給付費の増加などにより、前年度より0.1ポイント上昇している。
本県は、類似団体と比較して道路面積が大きいなどの要因により、維持補修費が高い傾向にあるため、その他の比率が高くなっている。平成25年度は、前年度から比率が0.2ポイント改善しているが、これは、愛知県農林公社貸付金の減などにより分子が減少したことに加えて、県税収入の増により分母も増加したことによるものである。平成25年度以降は、横ばいとなっている。
比率を算定する上で分子となる補助費等は、高齢化の進展に伴う後期高齢者医療事業費や介護給付費負担金といった義務的な経費の増などにより増加している。平成24年度以降は、県税収入の増加に伴い分母が増加していることにより、比率はほぼ横ばい状態が続いていた。平成27年度は、施設型教育・保育給付費の皆増などにより分子が増加したことに加え、臨時財政対策債の減により分母が減少したため、前年度より2.6ポイント上昇している。平成28年度は、後期高齢者医療事業費や障害者自立支援介護・訓練等給付費負担金などの増による分子の増加により、前年度より0.4ポイント上昇している。
比率を算定する上で分子となる公債費は、近年における臨時財政対策債などの特例的な県債の大量発行の影響により、高止まりとなっている。平成26年度は、県税収入の増加幅が大きかったため改善したが、平成27年度は、臨時財政対策債の減により分母が減少したため、前年度より1.2ポイント上昇した。平成28年度は、満期一括償還県債に係る減債基金への積立て等による分子の増加により、前年度より0.2ポイント上昇している。社会資本整備などに充当する通常の県債については、残高の縮減に努め、財政の弾力性の確保を図っている。今後も、将来負担を抑制するため、第六次行革大綱に基づき、通常の県債残高の抑制に取り組む。
平成24年度以降、分母となる歳入が、県税収入の増加に伴い増加し、比率は改善していた。平成27年度は、臨時財政対策債の減により分母が減少したことで、前年度から比率が4.2ポイント上昇した。平成28年度は、県税が増加したものの、地方譲与税や減収補?債の減などにより相殺され、分子を構成する補助費等が増加したことなどにより、前年度から0.6ポイント上昇した。扶助費や扶助費的な補助費等といった義務的な経費は縮減が容易ではないが、その他の経費については、今後も事務事業の見直しに取り組み、健全で持続可能な財政基盤の確立に努める。
本県の有形固定資産減価償却率は、グループ内平均・都道府県平均より高く、老朽化対策が必要な資産が8.8兆円に上るほか、県有施設全体の半分近く(46%)が築30年以上を経過している。(平成25年3月31日現在)本県では、平成27年3月に「愛知県公共施設等総合管理計画」を策定しており、今後は、当該計画における、予防保全型の維持管理や、施設総量の適正化、また、民間資金等の活用(PPP/PFI)、新技術・新材料の導入等といった取組方針に基づき個別施設計画を策定することで老朽化対策を行い、施設の適切な維持管理を進めていく。
将来負担比率、有形固定資産減価償却率ともにグループ内平均より高い数値となっていることから、今後は、「愛知県公共施設等総合管理計画」に基づき施設の適切な維持管理を進めるとともに、平成26年12月に策定した「しなやか県庁創造プラン」(愛知県第六次行革大綱)に基づき通常の県債残高の抑制に取り組み将来負担を抑制する。なお、将来負担比率については、分母となる標準財政規模の増加や、退職手当の支給予定額が定年退職と新規採用による職員構成の新陳代謝により減少したことなどに伴う分子となる将来負担額の減少等を主な要因として、改善傾向にある。
実質公債費比率、将来負担比率ともにグループ内平均より高い数値となっているものの、経年で比較すると、将来負担比率については、分母となる標準財政規模の増加や、退職手当の支給予定額が定年退職と新規採用による職員構成の新陳代謝により減少したことなどに伴う分子となる将来負担額の減少等を、また、実質公債費比率についても、標準財政規模の増加により分母が大きく増加したことに加え、分子の控除要素となる公債費等の交付税算入額の増加等を主な要因として、改善傾向にある。今後は、「しなやか県庁創造プラン」(愛知県第六次行革大綱)に基づき通常の県債残高の抑制に取り組み将来負担を抑制するとともに、基金残高の回復に努め公債費負担に備える。
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