経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は、料金収入や一般会計からの繰入金等の収益で、総費用に企業債(地方債)償還金を加えた費用をどの程度賄えているかを示す指標です。企業債は元利均等償還方式が多く、後年度になるに従い償還元金が増加する傾向が見られます。このため、当該比率は年々下がる傾向にあります。企業債残高対事業規模比率は、料金収入に対する企業債残高の割合であり、企業債残高の規模を示す指標です。当市の場合、類似団体平均に比べ若干高い傾向が見られますが、元金の償還そのものは確実に進んでいるため、比率は下がってきています。経費回収率は、使用料で回収すべき経費を、どの程度使用料で賄えているかを示す指標です。当市の場合、これからも汚水処理費の削減に努めていく必要があります。汚水処理原価は、有収水量1㎥あたりの汚水処理(維持管理費及び資本費)に要したコストを示す指標です。当市は、類似団体平均より効率的に汚水処理を行っていることがわかります。施設利用率は、市終末処理場の対応可能な処理能力に対する平均処理水量の割合を、晴天時一日あたりの値で示した指標です。流域下水道分を除いた平成26年度の指標で見ると、当市の施設は類似団体平均と比較して、より適切な規模であると言えます。水洗化率は、現在処理区域内人口のうち、実際に水洗便所を設置して汚水処理している人口の割合を示す指標です。当市は水洗化率向上のため、これからも戸別訪問等を通し、市民への水洗化の呼びかけを進めていきます。
老朽化の状況について
管渠改善率は、下水道布設延長に対する改善(更新・改良等)管渠延長の割合を示す指標です。当市では、過去に管渠の改善について集中的に取り組んだ経緯があり、そのことが類似団体平均との比較でわかります。
全体総括
当市の公共下水道は、事業開始から約40年を経過しており、施設の陳腐化・老朽化等による維持管理費の増加や過去に発行した企業債の償還の本格化に伴う当該償還元金の増加など、事業規模に対するコストの割合が類似団体平均と比較して高い傾向が見られます。このため、計画的な維持管理によるコストの平準化、投資規模の見直しや補助金等の活用による企業債発行額の抑制など、当市では、公共下水道事業の指標の改善にこれからも継続して取り組んでいきます。